家電製品ミニレビュー

煮物もミートソースもおまかせ! 自動調理機「クックマスター」を試してみた

 今回ご紹介するのは、忙しい食事の準備を手助けしてくれる「クックマスター Shunsai(旬彩)」だ。材料を入れるだけで、野菜たっぷりの煮物やカレーなどができるという自動調理機で、日々料理に追われている主婦にとってはとても気になるモノ。手軽に、そして美味しくできるのか、色々試してみた。

「クックマスター Shunsai(旬彩)」で料理はラクになるのか!?
メーカー名山本電気
製品名クックマスター Shunsai(旬彩)「YE-CM61」
実売価格37,500円

コンパクトで場所をとらない煮込み系調理家電

 クックマスターは、自動車用として使用されている高品質モーターをベースに開発された、薄型・高性能モーターを採用している。材料を入れるだけで食材の攪はんと加熱を自動でしてくれる調理家電だ。煮物やカレーなどの煮込み系、ポタージュなどのスープ、ソースやジャム、大豆から作る豆乳や豆腐の4種類からメニューを選べる。

 サイズは25.2×30×21.4cm(幅×奥行き×高さ)で重さは3.5kg。容量は800mlとなっている。こういった自動調理系の家電はサイズが大きいものが多いが、比較的コンパクトだ。

コンパクトで、奥行きもたったの21.4cm
背面もスッキリ
容器も小さめで、最初は「4人分作れるかな?」と心配になったほど
このようにフタがついている
カッター。こちらで粉砕したり、攪はんしたりする
容器を本体にセットしたら、本体可動部を下に押し込んでセットする

 操作はシンプルで、4つのボタンから選ぶだけ。調理時間のめやすは「煮物・おかゆ」が約30分、「ポタージュ」が約20分+保温最大30分、「ソース・ジャム」が約30分、「豆乳」が約20分+保温最大30分となっている。60品の料理が紹介されているレシピブックも付いている。

4つのボタンから選ぶだけ。明るいインジケーターでわかりやすい

ほったらかしで、しかも短時間でできる

 最初にレシピブックにあった肉じゃがを作ってみた。

 驚いたのは、調理時間が短いこと。調理開始から約20〜30分で出来上がるのだ。しらたき、にんじん、じゃがいも、肉、その他の調味料の順で入れて、「煮物・おかゆ」ボタンを押すだけ。攪はんするときにガーッという音がする。

 材料を入れてボタンを押すだけなので、本当に簡単だ。じゃがいもは3cm程度に切らなければならないが、少し大きすぎたせいか、煮汁に浸かっていなかった部分にほんの少し固い部分があった。小さく切れば火は通りそうだ。調理後は余熱を利用して、しばらくおくと味がよくしみるとのことなので、少し時間に余裕を持って作ると、より美味しくできる。

材料を入れる
30分後にはこの通り! ジャガイモが大きすぎたようだ
味がしみて美味しい。ジャガイモはもう少し小さめにカットしたほうがよかった……

 同じ煮込み料理で、副菜にぴったりな五目豆も作ってみた。大豆の水煮を使って、副菜に悩んだときは、五目豆をよく作った。大豆はやわらかい水煮だったせいか、攪はん時に刃が当たった部分が少し崩れてしまったが、気にならない程度だ。放ったらかしで副菜ができるのは嬉しい。メインのおかずよりも副菜を何にするか悩むことが多いので、自動で作ってくれるのは助かる。4人で食べるのにちょうどいい分量だった。

根菜類がたっぷり
優しい味の五目豆も簡単にできた

ミートソースやジャムも簡単!

 ミートソースを作ってみた。挽き肉の他に、みじん切りにした玉ねぎやセロリ、トマト缶などを加えて「ソース・ジャム」ボタンを押すだけ。約30分で火加減の調整からかき混ぜまでやってくれる。4人分のミートソースを作ることができた。ふだんはフライパンで炒めながらつきっきりで作っているが、材料を用意するだけなのでラクだ。

 ただし、構造上、フタを閉めた状態になるので水分を飛ばして煮詰めることができず、少し水っぽい感じがする。レシピ通りに作ったが、優しい味付けは好みだ。

ミートソースはもう少し煮詰めたいところ
味は絶品

 いちごジャムも作ってみた。こちらも煮詰めることができないので、ジャムというよりソースに近いとろみだったが、ヨーグルトにかけたところ絶品だった。少しお砂糖を控える、といった調整ができるのも嬉しい。

いちごはそのまま入れる
ジャムというよりソース
香りがよくて家族に好評

カレーもできる!

 カレーは具材を入れて煮込むため、炒め油を使わず、ヘルシーな仕上がりになる。できたてではなく、少し時間を置くと味がしみて美味しくなった。DCモーター制御の低速撹はんで、底が焦げ付くことはなかった。

 基本的にクックマスターは4人分の調理できるが、カレーやシチュー、ポトフは3人分までとなっており、今回も3人分の分量を作った。

カレーもおまかせ
ルーが少なめで野菜たっぷり

できたての豆乳が濃くて美味しい

 大豆は分量外の水に10時間以上浸水してから使用する。大豆と水を入れて「豆乳」モードで調理後、付属のざるの上にガーゼなどを広げてこし、豆乳とおからに分ける。できたての豆乳は、甘く、濃くて美味しい。おからは料理に使ったり、お菓子に混ぜたりして利用できる。おからを使った料理なども、レシピブックにいくつか紹介されていて、無駄なく使い切ることができる。

大豆は10時間以上、水に浸けてから使用
約20分でできた
豆乳とおからに分ける。おからも料理やお菓子に使える

簡単で使い勝手ヨシ! 4人家族だとちょっと足りないレシピも?

 お手入れも簡単だ。容器、蓋と撹はんカッターをそれぞれ分解できる。調理後の洗いやすさを考慮し、メンテナンス性に優れた構造となっている。

 残念なのは、予約調理ができないこと。また、カレーなどの一部レシピは3人分までとなるので、我が家のように4人家族では、分量的に物足りないレシピもあった。カレーやシチューなどを作る目的で購入されるのであれば、3人までなので注意していただきたい。4人家族でも、煮物などをメインに作るためであれば、問題ない。

 クックマスターは、機械が苦手な方でも使いやすく、料理のビギナーからベテランまで便利に使える調理家電だ。料理ができ上がるまでの間、別のおかずを作ったり、ほかの家事もできるのは嬉しい。料理のレパートリーが増え、不足しがちな野菜を、たっぷりとれるようになった。

石井 和美