家電製品ミニレビュー
外出先からスマホで操作できるエアコン「ノクリアX」が賢すぎる! 後編
2016年7月8日 07:00
夏本番を前に、エアコンを富士通ゼネラルの「nocria X」に買い替え、前編では基本性能についてレポートした。部屋中ムラなく冷やしてくれるので、子供がいても安心して使えている。足元だけヒヤッとすることなく、上から下まで冷やしてくれて、部屋の隅まで気流が届く。最新エアコンはこんなに快適なのかと感動したのだが、もう一つ、驚いた機能があるのでご紹介したい。
スマートフォンでエアコンを操作できるようにする、別売りの無線LAN接続アダプター「APS-12B」を取り付けてみたのだが、これがとても便利だったのだ。
メーカー名 | 富士通ゼネラル | |
---|---|---|
製品名 | nocria X | 無線アダプター |
品番 | AS-X71F2W | APS-12B |
適用畳数 | 23畳モデル | |
実売価格 | 31万1,020円 | 20,520円 |
設定は簡単で、すんなりできた
“インターネットに接続されたエアコン”が本当に便利なのか、試してみたくなったので思い切って付けてみることにした。
スマートフォンでnocria Xを操作するには「無線LAN接続アダプター APS-12B」を別途購入し、本体に取り付ける必要がある。据付工事は、電気工事士の資格を持っている専門の人が施工しなければならない。エアコン購入時に一緒に取り付けてもらえば一度で工事は済むが、後からでも追加できる。
このアダプターを取り付けると、無線LANを介して、エアコン本体とスマートフォンとの間で双方向の通信ができるようになる。
取り付けが完了したら、WPSに対応した無線ルーターに接続し、お手持ちのスマートフォンに富士通ゼネラルの「どこでもエアコン」という無料アプリをインストールする。
インストールが完了したら、メールアドレスを入力して送信するとアクティベートコードが送られてくるので、そちらをアプリの指定箇所に入力して認証する。あとはパスワードやユーザーのニックネームを入力すれば完了だ。こちらも迷うことなく設定することができた。
これで外出先や離れた場所から、スマートフォンでエアコンを制御できるようになり、室温、湿度、外気温、電気代も確認できるようになる。
スマホで操作できるのは、冷房、暖房、除湿、自動運転、送風、停止などの操作と、設定温度と風量の変更だ。タイマー予約などの詳細設定はできないが、いつも操作するのは「冷房」と「設定温度」の変更くらいなので、これだけでも十分だ。
なお、一度設定してしまえばいつでもスマホで操作できるが、電源プラグを外したときや停電になって電源が切れた場合は、接続が切れてしまう。その際は、はじめにリモコンで操作すれば、再びスマホからの操作ができるようになる。
駅を出たらスマホで冷房をON! 涼しい部屋に帰れる
一番感激したのは、帰宅前に運転を始められることだ。駅を出るときにスマートフォンを取り出して、冷房を入れておく。駅から家までは15分くらいなのだが、その間に部屋の温度が下がっていて、涼しい部屋に帰ることができるのだ。特に暑くなってくると早くエアコンを入れて涼みたいところだが、部屋の温度が下がった、ちょうどいいタイミングで帰ることができて毎回幸せを感じている。
毎日決まった時間に帰宅できるのであれば、タイマーで設定しておいてもかまわないのだが、帰宅時間はバラバラだ。タイマー設定しておいても、思ったより帰宅が遅くなってしまった場合はムダになる。帰る時間に合わせて操作できるので、駅に着くと、とりあえず「どこでもエアコン」を立ち上げ、スマートフォンからエアコンの状況を確認する。既に稼働中であれば「運転中」と表示されるので、家に人がいることもわかる。停止中であれば、冷房をONにしてから帰るのが日常となっている。
さらに期待したいのが冬場だ。寒々しい部屋に帰るのはなんとなく寂しいものだが、スマートフォンで暖房を入れておけば、暖まった部屋が待っているのだ。もしかしたら、夏よりも幸せを感じるかもしれない。
スマートフォンで操作だけでなく、部屋の状況を確認できる
スマートフォンが近くにあるときは、わざわざリモコンを取りに行かなくても、スマホで操作できるので、家の中でも活用している。複数のスマートフォンを登録できるので、家族のスマートフォンにアプリを入れて設定しておけば、みんなが使えるようになる。今までは家族が変な場所にリモコンを置いてしまい、見つからずにイライラすることもあったが、そんなストレスもなくなった。
別の部屋にいるときも、リビングダイニングの状況がわかるのは助かる。リビングダイニングには子供の勉強机があり、そこで宿題等をやっているのだが、スマートフォンで室温をチェックするようにしている。もし気温が高い場合は、こちらで冷房を入れるときもある。子供は何かに夢中になると暑さや寒さを忘れてしまうこともあるので、特に注意が必要だ。2階の仕事部屋で仕事をすることが多いが、別の場所にいても室温をチェックでき、素早く対応できる。
これはお年寄りがいる場合でも同じだ。実家の両親もなかなかエアコンを入れようとしないし、水分もあまりとらないので、常に熱中症の心配をしている。スマートフォンで気温と湿度をチェックできるようになれば、離れた場所にいても安心だ。また、プッシュ型でスマートフォンに運転開始したことを知らせる通知もできるため、猛暑の日などに離れて暮らす家族のエアコンの使用状況も把握できる
これが話題のIoT!? インターネット接続の便利さが実感できた「nocria X」
nocria Xは高級モデルであり、本体も決して安いとは言えない。さらに接続アダプターの費用と工事費を支払っても追加する価値はあるのか、当初はさんざん悩んだ。しかし思い切って導入して大正解だったと思う。ほぼ毎日スマートフォンからアクセスしており、外出先からだけでなく、家の中でも離れた場所にいるときはエアコンの状況を確認している。無線LANに対応できるエアコンが増えてきているようだが、nocria Xも対応していて本当によかったと思っている。
巷のIoTブームで、さまざまなモノをインターネットに接続する意義について語られているが、エアコンに関してはインターネットに接続する意味を実感できた。早く全てのエアコンにインターネット接続のアダプターが標準装備されて欲しい。
ただ、せっかくインターネットに接続できるのであれば、データを蓄積してグラフなどで表示するなど、もう一歩踏み込んだ情報がほしかった。昨日の電気代と今日の電気代が表示されるので参考にはなるが、もっと長期間のデータが欲しい。例えば去年のデータと電気代比較、運転時間比較なども見たいところだ。インターネット接続の良さを生かしたアップデートを期待したい。
そんなわけで、nocria Xは冷暖房の快適なだけでなく、最新機能満載の進化したエアコンだ。気に入ったのは、エアコン自体が部屋の状況を判断してくれること。節電設定を行なえば「今日の電気代が、昨日の電気代を超えました」「外の温度が設定温度より下がっています」と音声で教えてくれる。単に機能を音声で読み上げるだけではないのだ。
自分で部屋の状況に気を配ることはなく、エアコンが見張って教えてくれるのはありがたい。家事でバタバタしていて色々気付かなかなくても、こちらにそっと教えてくれるので、すっかりおまかせしている。nocria Xが話を始めると、家族がみんなが「何かあったのかな」といった雰囲気になり、耳を傾ける。エアコンをこんなに信用し、相棒のような気分になったのは初めてだ。
エアコンは、1年中つきあう家電だ。どのエアコンにするか悩んだが、賢く、風が優しいnocria Xを選んで大変満足している。
協力:富士通ゼネラル