家電製品レビュー
取っ手のとれる~♪ティファール♪からローンチ! 近未来調理器「Cook4me」の時短調理がスゲー!
2016年12月5日 07:30
今家電業界は、時短調理家電ブームの大嵐が吹き荒れている。しかも「えっ! ニッチな専用機じゃのう!」ってものから、なんでも作れるオールマイティな電磁調理鍋までさまざま。
そこに突如現れたのが、使いやすいフライパン(深さがあってターンオーバー簡単なんだよね♪)などでおなじみの、ティファール星からやってきた小型宇宙船「Cook4me(クックフォーミー)」だ。
メーカー名 | ティファール |
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製品名 | Cook4me(クックフォーミー) |
実売価格 | 37,659円(Amazon) |
パッと見は炊飯器だけど、実はこれ「圧力なべ」にも「フライパン」にも「蒸し器」にも「煮物なべ」にもなるという優れモノ。
しかも4インチほどの小型ディスプレイを内蔵していて、レシピを選んで調理開始ボタンを押すと、材料の分量や下ごしらえのレシピ、そしてCook4meの操作まで、順を追って解説してくれるインテリジェント調理家電なのだ!
60種の内蔵レシピは、定番メニューにもかかわらず超時短レシピになっているので、炊飯器でご飯を炊いている間に下ごしらえから完成まで終わっちゃうという早業!
なんたって本格的なシチューが23分でできちゃうんだもん! 僕が今まで4時間かけて作ってたシチューってなにさ? と小一時間問い詰めたくなるほど、便利なCook4me。悔しいけど、紹介せざるを得ないだろう。
家族が喜ぶビーフシチューがあっという間にできあがり
調理家電は機能うんぬんを説明するより、まず使ってみるのが一番。しかもマニュアルを読まずにどこまで使えるか? が、長く使いこなせるかのポイントになる。
早速Cook4meの電源を入れ、レシピから「ビーフシチュー」を選ぶ。続けて人数を2/4/6人分から選ぶ。選択はダイヤルを左右に回し、決定はダイヤルを押すという、直感的な操作。いい感じだ。間違えたら左の「戻る」矢印を押せばいい。
すると下ごしらえの時間と調理時間が表示される。会社やPTAの会合から帰って子供に晩ごはんの時間を急かされても、食事の時刻のメドが付くだろう。ただ全体的に準備時間が短めになっている感じ。慣れていない人は1.5倍は見たほうがいいかも知れない。
つぎに表示されるのは下ごしらえのレシピ。材料を買い出しに行くときは、スマホでCook4meのサイトにアクセスすると内蔵レシピが見られるようになっているので、Cook4meをもって買い物に行かなくてもいい。まぁそんなチャレンジャーはいないと思うが……。
注意すべきは、下ごしらえの野菜類。時間を短縮するために、かなり小さめに切る必要がある。なのでフードプロセッサやチョッパーを併用すると、さらに時短ができそうだ。
レシピどおりに下ごしらえができたら、いよいよ調理開始。OKボタンを押すと、必要に応じて余熱を加えたり、ふたを閉じる、開けるなどの操作も表示される。
さてビーフシチューの場合は、Cook4meに粗みじんにした野菜類を全部放り込んで、肉も投入。肉に焼き色が付くまで炒めるとあったので、それに従う。
火力はホットプレートを最大にしたときより強く、場所によって温度ムラもなく、肉がジュージューと音を立てて焼けてくる。ちなみに加熱方式はIH式でなくヒーター(電熱線)方式。IH独特のうるさいファン音がないので、夜にタイマー調理していても静かだ。
肉に焼き色がついたところで、OKボタンを押し次の調理ステップへ。
ワインやトマト、にんじんにマッシュルームなどを入れて、ふたを閉める。すると余熱が始まり、圧力なべモードで煮込み始めた。しばらくすると圧力がかかり、煮込み時間が18分と表示された。え! たったの18分? シチューだから「すね肉」使ったんだけど大丈夫かいな? という心配をよそに、Cook4meは調理を続ける。
タイマーが0秒になると、プシュー! と景気の音を立てていいエアーが抜けて蒸気を解放。
次に表示されたのは、デミグラスソースを入れろという指示。それに従いふたを閉めると、今度は煮込みモードに入る。表示を見ると、なんだよあと25分もかかるのかよ! と思ったら大間違い。これは秒数だった。デミグラスソースを入れてからの煮込みは1分だけなのだ。マジっすか! ? って驚かされっぱなしだな、俺。
できあがりのブザーが鳴って、ふたを開けてみると、ご覧のとおり。シチューになっとる! これにブロッコリーやインゲンの冷凍を解凍して載せれば、もうお店のシチューとなんら変わらないものができちゃう! いやいや時短にもほどがあるっしょ! (SF)料理漫画「食戟のソーマ」でも、ここまでイカネーって!
心配したすね肉も、いい感じに火が入っている。圧力をかけたのに、コーンビーフのようにパサパサになってしまうこともなく、肉の存在感がガッツりくるビーフシチューのできあがりだ。
子どもたちも期末試験などで忙しく、家族がそろって試食することはできなかったが、「なにこれ! ウマッ!」「お肉がステーキ肉みたいで、てっちゃん(俺のこと)が作るよりおいしい!」(ちょっとショック)と好評だった。
奥さん曰く、「さすがに煮込み時間が短い場合、でき立ては中まで味が入っていないので、ちょっと塩を振って食べたくなるけど、翌朝食べたら味が入り込んで凄くいい!」と。
たまねぎやセロリを粗みじんにするので煮込み時間は、4人分で18分。しかも火加減の調整はまったくいらないので、同時に炊飯器でご飯を炊いたり、写真のようにガーリックトーストを作ったりと、本格的なコースだって作れる。共働きの世帯はもちろん、一人暮らしでもきちんと自炊したい人に、ぜひお薦めしたいアイテムだ。
ステーキもいい焼き色が付くほど大火力
「わざわざステーキを調理器具なんかで使わないわよ!」という人は多くいると思う……僕だってそうだ(笑)。だがここでは火力をみるために、ステーキを作ってみた。
使ったのはスーパーで売っている1cm幅ぐらいのサーロイン。軽く塩コショウをして、マニュアル調理モードで、牛肉500g(2枚)を焦げ目がをつけて焼くモードにセット。
するとフライパンとコンロで調理するのと同じで、まず余熱を入れるようだ、余熱の進行具合もちゃんとグラフで表示されるので、肉を投入するタイミングもばっちり。
鍋に少し油をひいて、あとはステーキならちょいちょい触らずに2分間放置。これでいい色に焼きあがるので、こんどはターンオーバー。どういい感じでしょ?
鍋の表面温度を測ってみたところ、余熱中はだいたい220℃ぐらいで、調理になると200℃ぐらいまで下げているようだ。もちろん食材に応じて細かく温度をコントロールし、焦げ付かないようにしている。
みんな大好きな肉じゃがも! ジャガイモがホクホク!
晩御飯の定番といえば「肉じゃが」。キングオブ晩のおかずにあって、余ったら翌日のお弁当に入っているものナンバーワンだ。少なくともウチでは……。
シチューのときは材料を粗みじんに切って時短したが、肉じゃがの醍醐味はゴロゴロのジャガイモと、たまねぎ。こちらはちょっと時間がかかるかも? ということで実験してみた。
Cook4meのレシピを元に、4人分作ってみた。
材料はかなりあるし、ジャガイモも1/4カットなので大きめ。あとはレシピにしたがって余熱したなべで肉を炒める。火が通ったところで、野菜類と合わせ調味料を一気に投入。あとに煮込みは3分で終了。……え!?
まあ確かにあらかじめ炒めてあるし、圧力がかかるまでの予熱時間も5分ぐらいある。でも圧力かけて3分でできるってのは、ちょっと嘘臭い!
ちょっと色見がアレだったので、冷凍インゲンをレンジでチンしてのせてみたら、なんか肉じゃがになってる!
器にあけてみると、あれ? ますます肉じゃが。ちょっといつもと違うのは、色が薄いことぐらい。
さっそく肉じゃがのプロ、奥さんのコメントいただくと「Cook4meだっけ? これ欲しいわねー」とまるで通販番組みたいなコメント! いだだきました! 一番気になるジャガイモが、りんごのような歯ざわりを期待していたが、ほくっ! あれっ? マジ? なのだ。
よくよくジャガイモを接写してみると、粉ふき芋っぽくなってる! ただやはり味が薄めになっている。どうやらティファールのレシピは、薄めの味付けになっているらしい。しかし……残った肉じゃが、翌日のお弁当にはいってたのだが、これが劇ウマ! 一晩寝かせると味がじっくり入り込むレシピになっていて、翌日は味の薄さを感じないのだ。
調理家電の鬼門「茶碗蒸し」に挑戦!
さてもう10年以上調理家電の性能テストをしているけど、必ずやるのが茶碗蒸し。コレ実に簡単なようで、難しい料理のひとつ。奥さんが作った以上においしい茶碗蒸しを食べたことがないのだ。
たいていの電子レンジには、茶碗蒸しモードがあるけど、底ばっかり堅くて上澄みは泡だらけ。炊飯器にも茶碗蒸しモードがあったりするけど、うまく固まってなかったり、固まりすぎてスがはいっちゃったり。
プッチンプリンよりやわらかくて、出汁のジューシーさが楽しめる、アノ生地が食べられるお店って、接待でしか使わない日本料理屋さんぐらい。うちの場合は奥さんの十八番でもあるけど……。
そこでCook4meの茶碗蒸しを試してみた。電子レンジや炊飯器などと違って、Cook4meは蒸し物用のかごが付いているので、かなり期待値は高い。
蒸し器用の中に入るかごもセットになっているので、茶碗蒸し作りは万全。レシピ通りに作ってみると、おお! これは奥さんの作ってくれるおいしい茶碗蒸しじゃないか!!!
ただちょっと中央部分が柔らかかった。まあ季節によって卵液の温度なども違うだろうから、1分圧力を加えてからの保温時間(通常は10分)を夏冬や具の多さで調整すると、パーフェクトな茶碗蒸しになるだろう。確実を期すなら冬は保温20分ぐらいあってもいいかも?
ラストは僕の晩酌のつまみ、ブタの角煮!
甘くてふたふたに煮立ったブタの角煮は、最高の酒のつまみ。でも奥さんにリクエストしても、面倒といわれなかなか作ってくれない。それもそのはず、奥さんが作るブタの角煮は前の日に仕込んで一晩寝かせてラードをとり、翌日もう1回煮込んで味の最終調整をするのだ。
そんな手間のかかる角煮が30分でできちゃうってんだから、作ってみないわけがない! さっそく豚バラ600g(4人前なので幅5cmぐらいあってデカ! )とショウガ、ネギと調味液を作って、Cook4meに投入! 15分ほど圧力で煮込んでいたと思いきや、プシュー! とエアが抜けて、画面には「脂をとって再度煮込んでください」と。
ちょっとお肉が大きくで脂がとりづらかったので、レシピにはなかったけど一口サイズに切ってから脂とり。そして指示通りに脂をとったあとにふたを閉めると。今度は通常の煮込みモードで15分。
できあがったのがこれだ!
色はかなり薄めでちょっと角煮っぽくない。でも食べてみると、薄味の角煮。もしあるとするなら、京風の角煮って感じだ。ただちょっと気になったのは脂身の多さ。さすがに30分の煮込みだと、表面の脂こそ抜けるけど、中の脂身がかなり残っていた。脂身を全部食べると、翌日ニキビが出そうだったので、今回は水を少し足して2回煮込んでみたら、いい感じに脂身がなくなっていた。
レシピは今後増えるし、お手入れも簡単!
このCook4me。女の子たちに話をすると「なにそれ面白そう!」「欲しー!」など結構人気が高く、ティファールもCook4meを使ったレシピをユーザーから募集をしていたりする。2016年12月時点でのキャンペーンの張り方も凄くて、ティファール自信作ってのが伺える。
今のところレシピのガイドまでしてくれる内蔵レシピが60、レシピガイドがないマニュアルレシピが32あるので、全部で92のレシピ。また肉や魚、野菜の下ごしらえのメニューなどもあるので、かなりレパートリーは広がりそうだ。
また75℃で加熱するスロークッキングというモードもある。この温度はたんぱく質が凝固し始める(火がとおりはじめる)温度なので、温泉卵やロースとビーフ、蒸し鶏なんかをよりジューシーに作るのに最適。女性だけでなく、料理に凝っちゃう男性にもお勧めだ。
そして気になるのがお手入れだろう。圧力なべの類は、フツーのなべでも洗うのが大変。でもCook4meは、とにかく見たものはすべてバラせるほど(笑)。
ここまで分解できるので、炊飯器ではなかなか洗いづらい圧力弁なんかも、ちょちょいのちょいでキレイに洗えちゃう!
おなべの部分もティファールだけあって、セラミックコーティング加工もかなりしっかりしているようす。さまざまな用途に使えるので、常にキッチンに出しておく調理家電となるはずだ。