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バンダイの遊歩計、2機種を試す
~アニメのストーリーとリンクして楽しく歩ける歩数計
Reported by 平澤 寿康
バンダイ「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト ~歩いてイスカンダルへ~」(左)、「遊歩計 母をたずねて三千里 ~お母さんに会うまで僕は絶対にあきらめない!!~」(右)
ここ数年、以前より家の中で仕事をする時間が増えたこともあって、ちょっとお腹まわりがヤバイことになりつつある。一応、意識して食べる量を減らしたり、外出時になるべくエスカレーターを使わないようにしたり、一駅手前で降りて歩いたりするようにしてはいるが、ただ歩くだけではつまらない。ちょっとした遊びの要素があれば、ウォーキングも長続きしそうな気がする。そこで、歩数のチェックだけでなく、変わった要素を備える歩数計を導入してみることにした。
それが、バンダイの「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト ~歩いてイスカンダルへ~」と「遊歩計 母をたずねて三千里 ~お母さんに会うまで僕は絶対にあきらめない!!~」だ。
メーカー
バンダイ
製品名
遊歩計 宇宙戦艦ヤマト
~歩いてイスカンダルへ~
遊歩計 母をたずねて三千里
~お母さんに会うまで僕は絶対にあきらめない!!~
希望小売価格
4,275円
購入場所
Amazon.co.jp
購入価格
3,402円
3,675円
発売元のバンダイは、遊歩計を「楽しみながらウォーキングが続けられるエンターテインメント要素を持ったデジタル歩数計」と紹介している。楽しみながら、とはどういうことか。それは、有名アニメーションをモチーフとして採用し、毎日の歩数によってストーリーが展開していくというものだ。
ボディサイズは縦68mm、横45mm、高さ15mmと、一般的な歩数計とほぼ同じ大きさだ
重量は36.5g(実測値)と軽い
裏面には、ビープ音を発するスピーカーと、バッテリーの収納スペースがある
ストラップホルダーも用意されている。ただし、ネックストラップに取り付けて首からぶら下げた状態では正常に歩数がカウントできない場合があるので注意
モチーフとして採用されているアニメは、「宇宙戦艦ヤマト」と「母をたずねて三千里」の2つ。
宇宙戦艦ヤマトは1972年、母をたずねて三千里は1976年にそれぞれ放送された名作アニメーションだ。この2作品が採用されたのは、どちらも距離が非常に重要な要素となっているからだろう。宇宙戦艦ヤマトは、地球の滅亡を救うために14万8千光年離れたイスカンダルに向かう、母をたずねて三千里では、アルゼンチンに出稼ぎに出た母に会いに行く、というストーリー。加えて、当時これらを見ていたのは、現在の40代以上の世代。はっきり言って、完全にメタボ世代に照準を絞り込んでいる。パッケージには、「対象年齢15歳以上」と記されているが、実際には「対象年齢40歳以上」としてもいいぐらいだ。
遊歩計のシステムは、1日あたりの目標歩数を設定しておき、その目標歩数をクリアするごとにそれぞれの作品のストーリーが展開されるというものだ。目標歩数は、3,000歩から20,000歩の間で設定できる。
徒歩でイスカンダルを目指し、「内臓脂肪除去装置 メタボクリーナーD」を手に入れろ!
母をたずねて三千里では、出稼ぎに出て音信不通になった母に会いに、三千里離れたアルゼンチンに向かう
1日あたりのノルマ歩数は3,000歩から20,000歩の間で設定できる
もちろん、作品どおりの距離を歩かなければならないわけではない。母をたずねて三千里の三千里は、約1万2千km。宇宙戦艦ヤマトに至っては、14万8千光年=約140京80兆kmである。
1万2千kmなら、日数さえ多ければ到達不可能ではないものの、140京80兆kmは一生かかっても無理。そのため、距離ではなく歩数で区切りをつける仕様は当然の成り行きだろう。まあ、ヤマト自体、光の速さで14万8千年かかる距離を1年で往復しているのだし、一歩一歩ワープしていると考えて使えばいいのではないだろうか。
また、双方とも90日でストーリーが完結するように設定されている。これはなかなか絶妙な設定だと思う。設定日数が短すぎると、すぐにストーリーが完結してしまうし、かといって長すぎると進みが遅くなりだれてしまう。しかし90日であれば、短すぎず長すぎず、小気味よくストーリーが進行していくことになる。
加えて、無料の
専用Webサイト
が用意されており、毎日の歩数や体重を登録して経過を確認したり、登場キャラクターからの健康アドバイスを受けられる。また、ストーリーが進行するごとに表示されるパスワードを入力することで、イベントに対応した画像が閲覧できるようにもなっている。90日で完結するという点に加えて、Webとの連動による楽しみもあり、モチベーションを保ってウォーキングが続けられるように工夫されている。
無料専用Webサイトと連動し、歩数や体重の推移、イベントに応じた画像の閲覧などができる
専用Webサイトで見られる画像は、ストーリーが進むにつれて表示されるパスワードを入力することでどんどん追加されていく
ストーリー展開は、当然双方とも原作に忠実。また、原作のファンなら思わずニヤッとしてしまう名台詞も数多くちりばめられている。例えば、宇宙戦艦ヤマトの方では、「バカめと言ってやれ」という沖田艦長の有名なセリフがいきなり登場。この時点で筆者は絶対最後まで見ると心に決めたのだった。
また、宇宙戦艦ヤマトの方には、ストーリー展開でガミラスとの戦闘シーンが登場することがあるが、その時には若干のインタラクティブ要素も盛り込まれている。毎日の歩数が波動エネルギーに変換されて充填さるようになっており、戦闘シーンで充填されている波動エネルギーに応じて武器を選択できるのだ。もちろん、おなじみの波動砲も用意されている。
設定したノルマ歩数を達成するたびに、原作に忠実なストーリーが展開される
イベントには、おなじみのキャラクターが多数登場する
セリフも原作を踏襲。もちろん、様々な名セリフも盛り込まれている
次のイベントまでの残り歩数や、これまでの累積歩数などに応じてキャラクターが評価し応援してくれる
ヤマトの方では、評価してくれるキャラクターを3人から選択できる
歩数が波動エネルギーに変換され、戦闘時に武器を選べるなどのインタラクティブ要素もある
母をたずねて三千里の方には、このようなインタラクティブ要素は盛り込まれていないものの、原作を考えると、無理にインタラクティブ要素を盛り込むよりも、ストーリー展開を重視すべきで、無難な判断だと思う。
歩数のカウントは3D加速度センサーを利用しており、服やズボンのポケットはもちろん、バッグに入れた状態でも利用できる
アニメーションをモチーフにしているという点にばかりどうしても注目が集まってしまうが、歩数計としての機能も申し分ない。歩数のカウントには3D加速度センサーが採用されており、上着やズボンのポケットはもちろん、バッグの中に入れておいてもしっかり歩数をカウントしてくれる。2Dセンサーのように本体の向きを意識する必要もない。遊歩計自体はそれほど大きなものではないが、ポケットに入れるには少々かさばるため、バッグに入れておいても歩数をしっかりカウントしてくれる点は嬉しい。
また、毎日の歩数をカウントするだけでなく、過去14日分の歩数履歴や、使用開始からの累積歩数、最新1週間分の累積歩数、エクササイズ量なども確認できる。エクササイズ量とは、厚生労働省が策定した
「健康づくりのための運動指針2006」
で設定されている、身体活動量を示す単位のこと。
運動指針2006では「1週間で23エクササイズの活発な身体活動(運動・生活活動)を行ない、そのうち4エクササイズ以上は活発な運動を行なう」ことが目標とされているが、このエクササイズ量もチェックできるようになっているというわけだ。
歩数やエクササイズ量は、14日間の履歴が保持される
過去の累積歩数や、最新1週間分の累積歩数とエクササイズ量の表示も可能
遊歩計は、名作アニメーションをモチーフとしており、どちらかというと遊びの要素が強いように感じるかもしれないが、実際には本格的な歩数計と遜色のない充実した機能が実現されている。楽しみながらウォーキングを続けられる、かなり魅力的な製品であることは間違いない。原作好きはもちろん、メタボ対策を真剣に考えている人にも十分オススメできる製品だ。
当たり前のようだが、やはり、原作にあらかじめ触れておいたほうがいいだろう。原作を知ってこそ、セリフなど細かな部分まで楽しめるというものだ。そういった意味でこの製品はやはり「対象年齢40歳以上」なのである。
(C)NIPPON ANIMATION CO.,LTD.(C)BANDAI2008 (C)2008 SSD COMPANY LIMITED
(C)東北新社(C)BANDAI2008 (C)2008 SSD COMPANY LIMITED
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URL
株式会社バンダイ
http://www.bandai.co.jp/
「遊歩計 母をたずねて三千里~お母さんに会うまで僕は絶対にあきらめない!~」製品情報
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112550538000.html
「遊歩計 宇宙戦艦ヤマト ~歩いてイスカンダルへ~」製品情報
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112549983000.html
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