読者投稿

単身赴任の頃を思い出させるJBLのスピーカー

「わたしの思い出家電」は、自宅にある、もしくはあった懐かしい家電製品を、それにまつわる思い出とともに紹介する読者投稿コーナーです(編集部)

メーカー・製品名
JBLのスピーカー「A820」

投稿者
愛媛県 グランパKさん

購入時期
1988年頃

購入時の金額
20万円前後

思い出

私が38歳の時の人事異動で、初めて管理者として隣の県へ赴任をしました。子供がまだ小さかったので、単身赴任でした。家財道具と一緒にオーディオ一式を持って行きました。当時はレコードの終焉時期で、CDがそろそろ主流になってくるような時期でもありました。

たまたま職場で、音楽やオーディオの話になって職員がアンプとかスピーカーの話で盛り上がっていました。すると部下が「課長はどんなオーディオを持っているのですか?」と。私が当時持っていたのは、アンプは「トリオ」、スピーカーが「サンスイ」、プレーヤーが「パイオニア」、CDプレーヤーが「ソニー」でした。

するとその部下は、「課長の家に行ってもいいですか? 俺、課長のオーディオを聴きたいです」。後日、部下は私の家に来て、私の質素なオーディオでレコードを聴いていましたが、音が物足りなさそうな顔をしていました。

「俺、スピーカーはJBLを使っているんですよ。今度、俺の家に来てみませんか?」という誘いに、次の日曜日に部下の家に行きました。すると、すごいオーディオシステムでびっくりしました。

そこで一番目を引いたのがJBLのスピーカーでした。それは日本製のスピーカーとは一線を画すようなデザイン、質感の高さでした。早速レコードを聴くと、それはそれはふくよかで綺麗な音、抜けるような高音……私はすっかりJBLのスピーカーに魅せられてしまいました。

2年間の単身赴任を終えて帰ってきた私は、あのJBLのスピーカーの音が忘れられず、帰ってから即、購入しました。当時の価格で、確か20万円くらいだったと思います(記憶は曖昧です)。

あれから30数年……実家の父が亡くなり、母が特別養護老人ホームに入ったことから、実家が空き家になってしまいました。そこでこの空き家を利用して、昔聴いていたオーディオを引っ張り出し、セットして再びオーディオを楽しむことにしたのです。マンション住まいの自分にとっては、一戸建ての実家は「男の隠れ家」、ボリュウムを一杯上げて音楽を楽しむことができるのです。

引っ張り出したオーディオは、かなり埃をかぶっていましたが、アンプ、プレーヤー、スピーカーを綺麗に拭いてやると昔の輝きが蘇ってきたのです。

やはりメインはJBLのA820のスピーカー。このスピーカーから流れる音楽は、あの当時聴いていた音と同じいい音を出してくれます。それに、このJBLのスピーカーを自分に紹介してくれた部下のことを思い出します。

あの当時、官舎で聴いていたレコードを聴いていると、あの頃……単身赴任をしていた頃を思い出します。

投稿募集

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