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非常灯のLED化、2015年度末までに100%目指す~パナソニック

 パナソニックは、LED光源を採用した非常用照明器具を11月1日より発売する。専用型新築向け/リニューアル向け、直管LEDランプ搭載ベースライト/シンプルセルコン階段灯など全34機種で、価格は30,300~203,500円。

 火災や停電時などに、避難路を照らす非常灯。蓄電池が内蔵されており、非常時には電源が蓄電池に切り替わる。非常灯は、建築基準法によって設置が決められているもので、市場規模は200万台程度あるが、法律により光源が白熱灯と蛍光灯に定められているため、LEDは使われていなかった。

LEDを光源とした非常用照明器具。写真は埋込型
非常灯とは、法律により設置が義務づけられている避難用の照明
現在はハロゲン電球を光源としている

 「出口などに備え付ける誘導灯は、性能は規定されているものの、光源は指定されていないので、既に100%LED化が済んでいる。オフィスなどのオールLED化を進める際も、非常灯だけはLEDにできないなど、これまでネックになっていた」(パナソニック エコソリューションズ社 ライティング事業部 ライティング機器ビジネスユニット 施設・防災商品グループ グループマネージャー 山中直氏)という。

ライティング事業部 ライティング機器ビジネスユニット 施設・防災商品グループ グループマネージャー 山中直氏
LEDは非常灯用の光源として法律で認められていない
誘導灯やそのほか店舗用照明に関してはLED化が進んでいるのに、非常灯だけは未だゼロだった

 パナソニックではこの問題をクリアするために、火災時、室内温度が上昇した場合でも1ルクス以上の照度を確保出来るものとして、国土交通大臣の認定を受ける「大臣認定制度」を利用し、認可を受けた。これにより、業界で唯一、パナソニックのLED非常灯はオフィスや施設などで使うことができる。

 「非常灯は、4~6年ごとに蓄電池を交換して使うものだが、LEDを採用したことにより、蓄電池の容量が少なくて済む。初期投資こそ、従来より若干高額になるものの、メンテナンス費用で償却できる。パナソニックが業界をリードしていくという意味でも、2015年度末までにパナソニック実販売ベースにおいて、非常用照明器具のLED化率100%を目指す」(グループマネージャー 山中直氏)と語った。

室内温度が上昇した場合でも1ルクス以上の照度を確保出来るものとして、高度交通大臣の認定を受ける「大臣認定制度」を利用し、認可を受けた
ハロゲン電球に比べ使用エネルギーが少ないので、蓄電池の交換にかかる費用を抑えられるという

 製品の具体的なラインナップとしては、専用機では、ハロゲン電球タイプと同等サイズで、同等の明るさを実現したリニューアル向けと、直径60mmとコンパクトな新築向けを展開。

 直管LEDランプ搭載ベースライトタイプでは、人を検知して自動で消灯する高機能タイプのほか、非常時の点灯時間を30分と60分から選べるタイプなども用意する。

新築向けのコンパクトタイプ(左)と、リニューアル向けタイプ(右)
直管LEDランプ搭載ベースライトタイプ

阿部 夏子