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公道を走れない“電動アシスト自転車もどき”に要注意――国民生活センターが警告

 国民生活センターは、公道を走れない「ペダル付き電動2輪車」が「電動アシスト自転車」としてネット通販などで販売されているとして、注意を呼びかけている。

 電動アシスト自転車は、人力を補助するモーターを搭載している。道路交通法では「駆動補助機付自転車」と呼ばれ、自転車として公道を走れる。

 一方で、ペダル付き電動2輪車は、外観は電動アシスト自転車に似ているが、ペダルを漕がずにモーターのみで走行できるようなものは「原動機付自転車」と見なされる。原動機付自転車に乗るには免許が必要で、軽自動車税の納付やヘルメット着用などの義務がある。また、保安部品などを備えていなければ公道を走れない。

ペダル付き電動2輪車の外観は電動アシスト自転車と大差ないが、TSマークや保安部品がなく自転車としても原動機付自転車としても公道を走れないものだった

 国民生活センターによれば、電動アシスト自転車に似たペダル付き電動2輪車が、“電動自転車”などと呼ばれ、さも公道を走れるかのように謳われて、販売されているケースがある。さらに、こうして売られているペダル付き電動2輪車は、保安部品などが足りずに公道を走る基準すら満たしていないものもあるという。

 全国消費生活情報ネットワーク・システムには、2008年4月以降で、公道を走行できないペダル付き電動2輪車に関する事例が104件あり、このうち6割以上が、公道で使用できないことを購入後に知ったという。

 では、どこで判断すればよいのか。その目安となるのが、自転車の安全基準を示すTSマークだ。TSマークは、日本交通管理技術協会認定の自転車安全整備士が点検、整備した普通自転車の本体に貼られる。

正規の電動アシスト自転車に貼られている「TSマーク」

 国民生活センターは消費者に対し、購入時には公道走行が可能か、慎重に確認するよう呼びかけている。

小林 樹