東芝、ホンダのスマートホームシステムの実証実験に参画

ホンダがさいたま市で実施している「スマートホームシステム」の実証実験住宅(4月撮影)

 東芝は、ホンダ(本田技研工業)がさいたま市で実施している、家庭のエネルギー需給を総合的にコントロールする「スマートホームシステム」の実証実験に参画すると発表した。両社は今後、共同で実証実験を行なっていくという。

 ホンダは4月より、さいたま市桜区の埼玉大学隣接地にある2棟の住宅にて、スマートホームシステムの実証実験を行なっている。2013年度中には3棟目の住宅が完成するが、この3棟目において、両社によるHEMS(家庭向けエネルギーマネジメントシステム)が導入される。

 具体的には、HEMSの通信規格であるECHONET Liteに対応した家電製品や、太陽光発電システム、ガスによるコージェネレーション(熱電併給)システム、蓄電池などが設置される。さらにEV(電気自動車)に内蔵された電池も、家庭の電気として利用できる。これらの機器を制御することにより、日常生活におけるエネルギーマネジメントの最適化と、災害時の電力供給を両立する「スマートホームシステム」の構築を目指すとしている。

 実証実験では、東芝が高機能型の電力メーター「スマートメーター」を活用し、3棟の実験住宅を繋いだコミュニティー内のエネルギーマネジメントや、家庭内機器の制御を行なう。ホンダはEVや創蓄エネルギーを担当する。両社によるクラウド連携や、機器間の相互接続性の実現、EVに搭載した東芝独自のリチウムイオン電池「SCiB」のリユースについても検討していくという。

 ホンダと東芝は、共同で実験を行なう目的について、東芝が持つ家庭内外の機器、およびそれらを統合的に制御するエネルギーマネジメント技術と、ホンダが持つ自動車などのモビリティー技術、ナビゲーションを使った双方向情報通信サービスの「テレマティクス」技術、創蓄エネルギー機器関連技術を連携することによって、最適なスマートホーム・スマートコミュニティの構築を目指すとしている。また、スマートコミュニティにおける居住者の安心、快適な移動と生活を実現する技術実証、および協業ビジネスモデルの確立に向けた協議も行なっていくという。

2013年度中に完成する、第3棟目の住宅にて、両社による実験が行なわれる共同実験における創蓄エネルギー設備は、ホンダのものが導入される予定。写真は第1棟目の創蓄関連機器。左下が蓄電池。その右がコージェネレーションユニット、その右が貯湯タンク。左上はこれらの機器を制御する「スマートイーミックスマネージャー」という機器





(正藤 慶一)

2012年9月21日 13:14