パナソニック電工、住宅向けの3.2kWhのリチウムイオン蓄電システム

産業用および住宅用のリチウムイオン蓄電システム

 パナソニック電工は、非常時などに電源を供給する住宅向けの蓄電システム「住宅用リチウムイオン蓄電システム」の受注生産を、11月15日から開始する。価格は容量3.2kWhの「LJ-SA32A」が168万円、1.6kWhの「LJ-SA16A」が138万6千円。両機種とも50Hz用モデルと60Hzモデルが用意される。

 非常用電源として、停電時などに自動で接続機器にAC電源を供給するリチウムイオン蓄電システム。

  同社では、8月31日から産業用のリチウムイオン蓄電システムを受注生産してきたが、電磁波ノイズの問題があり、これまで住宅用のシステムの生産は見送ってきた。今回、業界団体のVCCI協会が設けた規定値を下回る水準まで低減できたため、住宅用のリチウムイオン蓄電システムの受注生産に踏み切ったという。

 平常時には、電力の使用時間をずらすことで、電気代を削減するピークシフトに利用することもできる。本体内にはタイマーを搭載し、電力を1番多く消費する時間帯に入ると、接続機器への供給を止め、蓄電池を電源として作動させる機能も備えるという。

蓄電池によって、電力のピークシフトが可能となる

 電源には、リチウムイオン電池を活用した高性能の蓄電ユニットを搭載。本体サイズが18×65mm(直径×高さ)の円筒形リチウムイオン電池を組み合わせて、高電圧・高容量を実現したとしている。

蓄電用標準電池ユニット蓄電システムの構成図

 東日本大震災以降、非常時の電力供給に対する備えや、電力のピークシフトができることから、住宅向けの蓄電システムに注目が集まっているという。同社では、今後も住宅の様々な機器と連携する蓄電池システムの開発を進めていくとしている。

 このほか同社では、学校や公共施設向けの「公共・産業用リチウムイオン蓄電システム」を12月15日から受注開始する。蓄電容量は15kWh。希望小売価格は808万5千円。

蓄電システム蓄電用標準電池ユニット





(小林 樹)

2011年10月28日 00:00