9月の家電出荷額、3カ月連続のマイナス

~上期全体ではプラス。過去10年で最高額

 社団法人日本電機工業会(JEMA)は、2011年9月の家電出荷額を発表。国内出荷額は1,531億円で、前年同月比7.9%減と3カ月連続のマイナスとなった。

 製品別では、主力製品のエアコンと冷蔵庫が軒並み前年割れ。エアコンは、金額ベースで同比17%減の327億円、台数ベースで12.6%減の43万1千台となり、いずれも3カ月連続でマイナスとなった。ただし9月としては、過去最高を記録した昨年に次いで2番目の出荷台数となる。

 冷蔵庫は金額ベースで前年比13%減の328億円で3カ月連続のマイナス。台数ベースでは、同比11.9%減の33万5千台と、2カ月連続のマイナスとなった。

 掃除機は、金額ベースで前年比13.4%減の84億円。台数ベースでは、同比15.1%減の39万1千台と、5カ月連続で前年を下回った。

 好調だったのは、洗濯機と電子レンジ。洗濯機は台数ベースで38万6千台、同比9.6%増で、6カ月連続のプラス。電子レンジは21万5千台で同比6.7%増となり、7カ月連続のプラスとなっている。

 4~9月の上期の合計出荷額も併せて公表された。上期の合計出荷額は、前年同期比を1.4%上回る1兆2,032億円となり、過去10年で最も高い出荷額を記録した。

 特に4~6月は、節電意識の向上から省エネ製品への関心が増し、被災地向けの出荷も増えたことで、前年同期比2桁増となった。一方で、7~9月は夏の季節商品の前倒し需要の影響を受け、記録的猛暑やエコポイント制度の後押しがあった昨夏の水準には届かなかった。しかし、過去10年の平均出荷額は上回っている。

 製品別では、エアコンが前年上期比5.2%増の542万2千台で、4半期連続のプラスとなった。節電意識の向上から、省エネ型エアコンへの関心が高まり、上半期としては1972年上期以来、過去最高という。このほか、冷蔵庫も4半期連続のプラス、電子レンジも3半期連続のプラスと好調に推移している。

 一方で掃除機と炊飯器は前年同期を下回った。掃除機は同比4.7%減の255万8千台で、4半期ぶりのマイナス。炊飯器も同比2.6%減となる274万9千台で、3半期ぶりのマイナスとなった。

2011年9月の家電出荷額





(小林 樹)

2011年10月25日 15:48