シャープ、速暖性の高い“ロングパネル”エアコンに季節制御と節電運転を追加
B-SXシリーズ |
シャープは、効率的な冷暖房の実現を狙った“ロングパネル”のエアコンの新製品「B-SXシリーズ」を、11月10日に発売すると発表した。価格はオープンプライス。店頭予想価格は22万円前後~34万円前後。
■ルーバー式より暖房スピードが早い“ロングパネル”で、頭寒足熱の暖房を狙う
右がB-SXシリーズ。左は同社のルーバー式エアコン「AY-P45XC」 |
同社の特徴である、冷暖房を効率化する「ロングパネル」を採用したエアコン。従来のルーバー式のエアコンでは、暖房時に温風が分散し、足元が暖まりにくかったり、暖房の時間がかかるなどの課題があったという。しかし、ロングパネルは温風の分散を抑える効果があり、さらに風を細く絞り込んで風速を高める「新パワー集中ガイド」と併せることで、温風を効率よく床面に誘導できるという。
この結果、部屋の足元の温度が設定温度までに達する時間が、同社の2003年のルーバー式モデル「AY-P45XC」よりも約1.5倍速くなり、部屋全体で足元から素早く暖まるという。さらに、暖房安定時の足元温度が、設定温度のプラス5℃以上になる範囲を、ルーバー式から約2.6倍に拡大し、健康に良いとされる「頭寒足熱」の環境を実現するという。
また冷房運転時には、ロングパネルが冷気を上方向へ送り、天井や壁面を覆いながら、部屋を包み込むように冷房する。これにより、手足の冷え過ぎを抑える効果があるという。
ルーバー式と比べて、エアコン暖房の立ち上がりが早いという | 床面を優先的に暖めることで、“頭寒足熱”の暖房を狙う | 冷房時は、ロングパネルで手足の冷えすぎを抑える |
従来モデルからはさらに、生物模倣学に基づいた送風ファン「ネイチャーウィング」も継承。室内機のファンには、トンボの羽根の断面のように2カ所に出っ張りを設けることで、送風効率を2010年モデル「Z-SXシリーズ」より約30%向上した。また室外機には、アホウドリとイヌワシの翼を模倣したファンを採用することで、送風効率を従来ファンより約20%向上。平均的な買い替えサイクルである11年前の機種と比較すると、暖房時の消費電力を約2割削減したという。
このほか、霜の量が少ない間に霜取りを行なう「ノンストップ暖房」も搭載。除霜運転中の室温低下が抑えられるという。
室内機のファンの断面図。ファンには、出っ張りを設けて送風効率を向上した | 室内機の送風ファン |
室外機のファンでは、アホウドリとイヌワシの翼を模倣。送風効率を高めている | 霜取り運転による室内温度の低下を抑える「ノンストップ暖房」も備える |
■季節ごとの体感温度に合わせる制御、最大運転電流を半分にする運転を追加
新機能としては、自動運転の「おすすめエコ自動運転」に、季節を判別する制御をプラスした。同運転は、エアコン本体の日射センサーで日差しの強さを感知し、室内の温めすぎや冷やし過ぎを抑えるとともに、照明センサーが部屋の消灯を確認すると、自動でおやすみ運転に切り替えるというもの。新製品では、室内と室外の温度・湿度に加え、カレンダー機能により季節を判別し、体感温度をコントロールする制御を追加することで、より最適な運転を自動で選択するという。
また、最大運転電流を抑える「電力ひかえめ運転」も新たに搭載した。通常は、最大電流を20A(アンペア)または15Aで運転しているところを、電力ひかえめ運転をONにした場合、最大で10Aまたは7.5Aに抑えて運転する。シャープでは、電力不足が懸念されるピーク時の節電対策や、他の家電製品を同時に使っている際のブレーカー対策に有効としている。
自動で省エネと快適運転を実現するという「おすすめエコ自動運転」。新たに季節制御を追加した | 節電機能として、最大運転電流を半分に抑える「電力ひかえめ運転」も搭載 |
■「高濃度プラズマクラスター25000」も発生。単独運転も可能
リモコンでプラズマクラスターの単独運転を選択しているところ |
高濃度プラズマクラスターイオンの発生機能も搭載する。1立方cmのイオン濃度は25,000個。室内に同イオンを放出することで、冬場の乾燥シーズンの静電気や、浮遊ウイルスの作用の抑制、肌の角質層の水分を保ってツヤやハリ、キメを整える美肌効果もあるという。
同イオンは、冷暖房中だけでなく、単独運転「プラズマクラスター運転」での放出も可能。ロングパネルによる気流制御技術により、20畳を超える広い部屋の隅々にもイオンを届け、空気が浄化できるという。プラズマクラスター運転の電気代は1時間当たり約0.5円。
なお、エアコン室内機は、すべて800×295mm以下(幅×高さ)の寸法規定内に収めており、買い替え需要にも対応しているという。
品番 | 室内機サイズ (幅×奥行き×高さ) | 室外機サイズ (幅×奥行き×高さ) | 冷房 能力 | 電源 | 店頭予想価格 |
AY-B71SX | 798 × 308 × 295 mm | 800 × 300 × 630 mm | 7.1kW | 単相200V | 34万円前後 |
AY-B63SX | 6.3kW | 32万円前後 | |||
AY-B56SX | 5.6kW | 30万円前後 | |||
AY-B40SX | 4.0kW | 27万円前後 | |||
AY-B36SX | 3.6kW | 単相100V | 26万円前後 | ||
AY-B28SX | 2.8kW | 24万円前後 | |||
AY-B25SX | 780×289×540 mm | 2.5kW | 23万円前後 | ||
AY-B22SX | 2.2kW | 22万円前後 |
リモコン | 暖房時の表示 | おすすめエコ自動運転時の表示 |
(正藤 慶一)
2011年10月20日 16:48