パナソニック、東京メトロ銀座線の新型車両にLED照明を納入

東京メトロ銀座線の新型車両に設置された車両客室内LED照明

 パナソニック電工は、東京メトロ銀座線に2012年春から導入される新型1000系車両に「車両客室内LED照明」と、「LED前照灯」(試作品)を納入したことを発表した。

 納入されたのは、車両客室内LED照明が1編成中の3両分に当たる計54台と、両先頭車両にLED前照灯を2灯ずつ計4灯。

車両客室内LED照明

 車両客室内LED照明は、色温度5,000Kの車内灯で、従来の40W蛍光灯器具よりも明るさ感が増すという。消費電力は1台あたり26W。従来の40W蛍光灯器具が約47Wだったのに比べ、約40%以上の削減が見込めるとしている。定格寿命は、従来比約3倍以上の4万時間に伸びたという。

 また、素材には、厳しい火災対策基準に対応することが求められるため、不燃性のガラスカバーを採用した。

 鉄道車両用LED前照灯の試作品は、車両の進行方向を照らす照明。消費電力は主灯が約32W、副灯が約16Wで、現在、車両の前照灯に使われている白熱灯のハロゲンシールドビームに比べ、消費電力を約80%削減する。また、定格寿命は、光束維持率70%の条件で従来比約20倍の4万時間に伸びた。

 主灯、副灯のLEDは、点灯状態に違和感が無いよう配列し、副灯の照射角度は、車両走行実験によって、運転手からの視認性が良い角度に設定したという。

 車両客室内LED照明の本体サイズは1,280×80×82mm(幅×奥行き×高さ)。重量は4.5kg。鉄道車両用LED前照灯は、光源ユニットの直径が178.5mm。光束は約2,000lm。エネルギー消費効率は1W当たり77lm。

 同社では、今後も鉄道車両に限らず、駅舎や踏切、道路灯など、交通機関や公共施設に向けたLED照明の提案活動を強化していくとしている。

新型車両に設置された状態主灯のハイビーム時主灯のロービーム時
光源ユニット電源ユニット





(小林 樹)

2011年10月12日 17:57