三菱、“業界No.1の低消費電力”を謳うハンドドライヤー
三菱電機は、“業界No.1の低消費電力”をうハンドドライヤー「ジェットタオルミニ JT-MC106G」を、10月21日に発売する。希望小売価格は102,900円。
■ウェーブ状の送風口で、従来よりも低消費電力と低騒音運転を実現
ハンドドライヤー「ジェットタオルミニ JT-MC106G」。同社の中では小型の製品になる |
7年ぶりのモデルチェンジとなる、小型タイプの業務用ハンドドライヤーの最新モデル。本製品では、昨今の省エネ・節電意識の高まっていること、また病院や老人福祉施設、学校などでも設置されていることから、消費電力と運転音を抑えた点が特徴となる。
低消費電力化のために、低騒音化のためには、吹き出し口の形状を、従来の直線的な形状の「スリットノズル」から、波状にした「ウェ~ブノズル」に変更。従来の形状の場合、ノズルから吹き出るジェット風に周期的に渦ができており、運転音が大きくなったり、風にロスが発生していた。
新製品(上)では、風の吹出口のノズル形状をウェーブ状に変更。従来のノズル(下)よりも風の渦が発生しにくいという | ウェーブノズルに変更することで、風の渦ができにくくなったという |
しかし、このウェ~ブノズルの採用により、渦ができにくくなった。このため、消費電力と運転音が減少。消費電力では、風のロスが減って風速が向上したことで、モーターが効率化され、消費電力は650Wとなった。9秒間乾燥した場合の消費電力量は、従来モデルの約15%削減、同社が1997年に発売した初号機「JT-MC15A」と比べると、約70%の削減になるという。
運転音では、渦が発生しなくなり、風量が減ったことで、従来モデル比でマイナス4dBとなる58dBとなった。低騒音化の要望が多い病院でも導入しやすいという。
消費電力は“業界No.1”を謳う650W。9秒間使用した場合の費電力量は、従来品比で約15%減、初号機比で約70%減になるという | 運転音は従来比で4dBのマイナス。同社によれば、音エネルギーは半分に減るという |
運転音の比較。動画は最初が従来品、後が最新モデルを使用している |
なお同社では、本製品の消費電力と運転音について、それぞれ“業界No.1の低消費電力”、“業界トップクラスの低騒音運転”としている。
■手の挿入スペースも拡大。別売りのリモコンとセンサーでピークカット運転も
手の挿入スペースは、空間容積が従来比で約1.2倍に拡大。手の大きな大人も使えるという |
使いやすさの面では、風路の改良と吸い込み口の位置を変更することで、手の挿入スペースを拡大した。従来は本体底部から風を吸い込んでいたが、本製品では本体上部に変更。これにより、手の挿入部の奥行きが、従来に比べて約30mm広くなり、空間容積も4.4Lから5.2Lと、約1.2倍拡大した。手の小さな子供から手の大きな大人まで使いやすくなったという。
さらに、吸込口を正面に変更することで、エアフィルターの清掃もしやすいデザインになった。
また、本体正面の水受け皿部分の出っ張りも約15mm縮小。本体もコンパクトになった。
風の吸込口の位置を変更。本体上部から吸い込む仕様となった | 水受け部分の出っ張りも約15mm縮小。水受け部は掃除がしやすいよう、凹凸をなくしたフラっとデザインとしている(写真上が最新モデル、下が従来モデル) | 本体の前扉を開いたところ。写真中央の黒い部分がフィルター。掃除がしやすいという |
清潔面では、汚れがたまりやすい凹凸部分を減らしたデザインへと変更。従来モデルにあった、手検知センサーの窓のつなぎ目を減らし、ノズルとセンサーの段差がないフラットな形状に変更。手挿入部のつなぎ目の長さを、従来の512mmから264mmに短縮した。
さらに、手挿入部の底面もフラットなデザインに変更。汚れが堆積しやすい箇所が減ることで、毎日の清掃がしやすく、より衛生的になったという。
このほか、運転は1~5段階から5段階で切り替え可能。オプション品のとタイマーリモコンを使うことで、任意の時間帯に合わせて、自動的に運転モードが切り替えられる。例えば、夜中の騒音対策や日中のピークカット対策として、弱運転のみを運転することもできる。
タイマーリモコンは受光部「JP-TU03」と送信部「JP-T01R」から成っており、希望小売価格はいずれも10,500円。発売は10月を予定している。
付属のリモコンを使えば、時間帯に合わせて運転調節ができる | リモコンの受光部は写真の位置にセットする | リモコン送信部 |
本体サイズは250×170×480mm(幅×奥行き×高さ)。強運転時の場合、乾燥時間は5~9秒。ヒーターはPTCヒーター。モーター寿命は1日400回の使用で7年間可能。
■ハンドドライヤーの消費電力は、オフィス全体の0.05%
三菱電機 中津川製作所 清水勉 営業部長 |
三菱電機 中津川製作所の清水勉営業部長は、ハンドドライヤーにおける電気代の少なさを指摘。「かなり電気代を使うのではないかと思われがちだが、これは誤解。実際、当製作所の事務所棟における電力消費の割合を見たところ、全体の3/4は空調と照明が占めており、ハンドドライヤーは全体のわずか0.05%しかない」と、自社での例を示した。
さらに、「(ペーパータオルと比べた場合)コストや資源の節約に貢献できる。このことを改めて言っておきたい」と、ハンドドライヤーの有用性について説明した。
ペーパータオルに代えてハンドドライヤーを使うことで、ゴミとコストを削減する効果があるという | 同社の中津川製作所で使用しているハンドドライヤーの消費電力は、オフィス全体の約0.05%だけという |
(正藤 慶一)
2011年8月4日 15:31