三菱、子供にも使いやすいハンドドライヤー

ジェットタオル スリムタイプ

 三菱電機は、子供にも使いやすくなったハンドドライヤー「ジェットタオル スリムタイプ JT-SB116KN」ほか、全6機種を9月30日より発売する。希望小売価格は186,900円~207,900円。

 トイレの手洗い後に、手に付いた水滴を風で飛ばす業務用のハンドドライヤー。三菱電機は、両面からの送風で手を素早く乾かす「ジェットタオル」を1993年より発売。ペーパータオルを使うよりもランニングコストが少なく、ゴミも減らせるため、環境にも良いとしてこれまで順調に市場を拡大してきたという。

 発売当初は、オフィスビルやパチンコ店のトイレなど主に大人が出入りするトイレが中心だったが、市場の拡大に応じて、商業施設や、空港、駅などの公共施設など不特定多数の人が出入りするような施設にも設置されることが多くなったという。

ジェットタオルを設置することでランニングコストを大幅に削減できるという導入当初は、オフィスビルや工場などが中心だったが、駅や商業施設にも多く導入されるようになったという
製品本体本体上部手の差し込み口

 新製品では、より多くの人にとって使いやすいように、本体形状や構造を改良したのが最大の特徴。

 まず、背の低い子供にも使いやすいように、本体形状やセンサー位置を改良した。同社の従来タイプのハンドドライヤーは、大人が使うように設計された製品だったため、子供が使用する場合、背伸びをしたり、肘を伸ばす必要があったという。

 新モデルでは、手を差し込むパネル部分を低くし、手を感知して送風を開始するセンサーの位置を従来より高い位置に設けたことで、背伸びをしなくても使えるようになったという。また、子供が使いやすいように、手に当たる風の位置をブルーのライトで照らす機能も新たに搭載した。

子供にも使いやすいように前面パネルを低くして、センサーを従来より上の方に設置した従来タイプを使っている様子。背伸びをして肘が上がっている状態新製品を使っている様子。両足のかかとが地面に付いている
肘が伸びきっておらず、身体に負担のない姿勢で使えるという風の位置をブルーのライトで照らす機能も新たに搭載した

 また、手が大きい人にも使いやすいように、手を差し込むスペースを従来の約1.4倍とした。差し込み口から底面までの長さを、従来の180mmから208mmとし、手首から先の手の平が大きい人にも使いやすくなったという。

手が大きい人にも使いやすいように手を差し込むスペースを従来の約1.4倍の大きさにした手を差し込むスペース

 使用時の運転音は、従来より3dB低い56dBとした。ハンドドライヤーの運転音の原因は送風時に発生する風の渦と、送風後の気流の乱れだという。同社ではこれを解決するために、風の吹き出し口であるノズルの形状を改良。吹き出し口を波型の「ウェーブノズル」にしたことで、ノズル出口からの風の渦の発生を抑えることができたという。また、気流の乱れ対策としては、差し込みスペースの底面に山型のサイレンサーを搭載し、気流を整えることで騒音を抑えている。

運転音は従来より約3dB低い56dBを実現送風時に発生する風の渦を抑えるため、吹き出し口が波型の「ウェーブノズル」を採用従来の直線タイプに比べ風の渦の発生を抑え、音も抑えることができるという

 省エネ性では、風の通り道であるダクトの抵抗感を少なくし、風量を従来より約20%少なくしたことで、消費電力は従来機種より約6%少なくなった。乾燥時間6秒の消費電力量は0.98Wh。

 設置性の面では、一般的な洗面シンクと並べて置けるように高さを670mmとしたほか、シンクと高さが合うように天面をフラットにした。また、本体側面の一部を埋め込んで設置することも可能。トイレのデザインに合わせて選べるように本体カラーはホワイト、ダークグレー、シルバーを用意する。

天面をフラットとし、洗面シンクと並べても違和感のないようにした。左は従来機種。パネルが山型になっているため、違和感があるトイレのデザインに合わせて選べるように本体カラーは3色を用意。左からホワイト、ダークグレー、シルバー

 手入れの面では、従来本体に内蔵されていた排水路を直接洗えるように、本体側面に設けたほか、内部のつなぎ目も少なくした。そのほか、食品工場での使用も想定し、従来のアルコール消毒に加え、ノロウイルス対策として効果のある次亜鉛素酸ナトリウムによる消毒に耐えられる樹脂を本体表面に採用している。

排水路を本体側面に設置し、手入れできるようにした中のつなぎ目を少なくして、清掃性を向上次亜鉛素酸ナトリウム対応の樹脂を採用
三菱電機株式会社 電材住設事業部 事業部長 佐々木健氏

 三菱電機株式会社 電材住設事業部 事業部長 佐々木健氏は、ハンドタオル事業について「紙を使わずに手を乾かせるはハンドタオルは、省エネ性などにおいて社会に貢献できる製品」と語った。

 また、家庭用の進出については「もちろん考えている。現時点で一番ネックになっているのは、運転音の問題。家庭用電気機器の運転音は40dB前後のものが多いため、現時点で家庭用として発売するのは、まだ早いと思う。設置の問題もあるので、住宅設備メーカーとのコラボレーションなども含めて前向きに考えている」と話した。





(阿部 夏子)

2010年8月19日 15:09