今年の花粉、3月末時点で昨シーズンの5倍を観測

――ウェザーニューズ調査
2011年の花粉の飛散量傾向

 ウェザーニューズは、2011年1~3月における花粉飛散数と、今後予想される飛散傾向を発表した。3月末時点では、昨シーズンの5倍となる花粉の飛散量を観測したという。

 この発表は、全国1,000カ所に設置している花粉観測機「ポールンロボ」で計測された花粉飛散量をまとめた数値と、今後の見通しを分析した予想結果をもとにしている。

 今シーズンのスギ花粉の飛散は、関東地方や東海地方などで、1月下旬から2月上旬にかけて始まった。2月に入ると大都市圏で雪が降るなど全国的に天気が崩れることが多く、飛散のペースは一次停滞した。しかし2月下旬になると晴天が増え、気温も暖かくなり、関東地方では春一番が吹くなど風も強まった。これにより、西日本から東日本を中心にスギ花粉が一気に飛散した。

 3月は全国的な寒気の影響で寒い日が続いたものの、西日本や東日本では飛散量が増加。通常、気温が低いと花粉は飛散しにくいが、今シーズンは花粉の発生源であるスギの雄花の生産量が多く、飛散量が増えたと考えられるという。スギ花粉のピークは、西日本や東日本の多くで、3月中旬に迎えた。スギ花粉の飛散量は、3月末時点で全国的に昨シーズンの飛散ペースをはるかに上回っており、関東と近畿では、昨シーズン比で5倍の花粉を観測したという。

 今後の飛散傾向としては、スギ花粉に代わってヒノキ花粉が飛散し始めている。西日本や東日本のヒノキ花粉は、4月中旬にかけてピークを迎える所が多くなると予想されるという。

 シーズン全体での飛散の飛散量は、飛散の中心となるヒノキ花粉も含めると、関東地方は昨シーズン比で5~8倍、近畿地方は5~9倍、東海地方は10倍程度増えるところもある見込み。また北日本は、現在スギ花粉の飛散ピークを迎えている所も多いという。

 今シーズンは全国的に花粉の飛散量が多いと見込まれており、同社では引き続き十分な対策が必要だとしている。





(小林 樹)

2011年4月6日 16:44