東芝、ピコイオン搭載で除菌ができる冷蔵庫

~冷却効率の向上で消費電力量も約3割削減
GR-B55F

 東芝ホームアプライアンスは、ピコイオンを搭載した冷蔵庫3機種を10月25日より発売する。希望小売価格はオープンプライス。製品の詳細は以下の表の通り。








型名GR-B55FGR-B50FGR-B48F
定格内容積548L501L483L
冷蔵室276L254L246L
野菜室128L118L108L
冷凍室144L129L129L
本体サイズ685×728×1,818mm685×682×1,818mm
年間消費電力量330kWh未定
本体カラーステンレスシルバー、ブロンズウッド、シルバーステンレスシルバー、シルバー
発売日10月25日11月25日11月30日
希望小売価格オープンプライス
店頭予想価格28万円前後26万円前後24万円前後


 同社の冷蔵庫のラインナップで最上機種にあたるシリーズ。新製品では、消費電力量削減のために3つの新機構を搭載したほか、庫内の除菌・脱臭がある「ピコイオン除菌 ウイルスハンター」を新たに搭載した。
「GR-B55F」カットモデル冷蔵室
野菜室製氷室熱いままの食材を冷凍する「熱もの冷凍室」
冷凍室本体カラーは3色用意される。左からステンレスシルバー、ブロンズウッド、シルバー

ピコイオンで庫内の除菌、脱臭

 庫内の清潔性を保つために同社独自のピコイオン発生装置「ピコイオン除菌 ウイルスハンター」を新たに搭載した。ピコイオンは同社の空気清浄機などにも搭載されているイオンで、微細な水に包まれた強い酸化力を持つ活性酸素「OHラジカル」のこと。雑菌やウイルスを包み込んでその動きを抑制する効果があるという。

 本体にはピコイオン除菌ユニットを搭載し、タンクから給水された水に高電圧を加えることで水から水素とOHラジカルを生成する。これにより、庫内の壁面やケースに付着した菌を除菌するほか、脱臭、ウイルス抑制の効果があるという。また、野菜から発生するエチレンガスを分解する効果や、野菜の栄養素を増量する効果もあるという。

ピコイオン発生ユニットを搭載し、庫内にピコイオンを放出するピコイオンは水に高電圧をかけ生成する。給水された水を使用するため、気温などの左右されずいつでも安定した供給ができるという庫内のウイルスや雑菌を除菌する

 また、同社のピコイオンは、給水された水を使用するため、安定した放出できる点が特徴。給水は1カ月に1回程度だという。

ピコイオン発生ユニットは冷蔵室と野菜室の間に設置される月に1回程度給水するカットモデルで見た様子

3つの新機構で消費電力量を大幅カット

 省エネ性では、冷却効率を高めるために「2ゾーンレイアウト」を採用した。一般的な冷蔵庫では、冷蔵と冷凍の2つの温度帯を1つの冷却器で冷却するため、庫内には温度を仕切るための断熱仕切りを2枚~3枚入れていた。「GR-B」シリーズでは、冷蔵と冷凍をそれぞれ別の冷却器で冷却する「i-ツイン冷却」を採用している。新製品では、i-ツイン冷却に最適な冷却を行なうため仕切り板を1枚にし、冷却効率を上げたという。

冷却器を2台搭載する「i-ツイン冷却」従来は2枚から3枚設けていた断熱仕切り板を1枚にしたことで冷却効率を向上させた冷却器が2つ設けられているため、それぞれで最適な冷却ができるとする

 また、本体の断熱性能を上げるためにウレタンの約10倍の断熱性能がある「真空断熱材を本体側面や底面に採用した。

 そのほか、最適な運転制御を行なうため本体には12個のセンサーを設置している。センサーは外気温センサー、扉開閉センサー、製氷センサー、庫内温度センサー、除霜センサーなど5種類で、設置環境や使用状況を検知し、自動的に運転を制御するという。

本体側面に設けられた新開発の断熱材最適な運転制御を行なうため本体には合計12個のセンサーを搭載する

 これらの機構の搭載により、容量548Lの「GR-B55F」の年間消費電力量は330kWhで、従来機種の「GR-A56R」の450kWhに比べ約3割削減できたとする。また、これは同等クラスの冷蔵庫ではトップクラスの省エネ性能となる。

“業界No.1”の大容量野菜室を搭載

 庫内のレイアウトでは特に野菜室に力を入れている。重量の重い野菜も楽に取り出せるように、野菜室を本体中央部に設けた。またGR-B55Fの野菜室の庫内容量は“業界No.1”の128Lとした。これは容量22Lの買い物カゴ4つ分の野菜が収納できるほどのスペースだという。

 野菜室の庫内環境は冷却器を2つ設けた独自のツイン冷却機構により、冷蔵の温度変化が少なく、野菜を保存するのに最適な湿度約95%、温度変化約0.4℃以内を保つという。

買い物カゴ4つ分の野菜が収納できるという容量128Lの野菜室庫内環境は野菜の保存に最適な湿度95%、温度変化約0.4℃を保つという

 また、新たに搭載したピコイオン除菌ユニットにより、野菜のビタミンC、ビタミンA、プリフェノールなどが増量する効果があるという。またピコイオンには野菜の老化を促進するエチレンガスを分解する効果もあるとする。

ピコイオンには野菜の栄養素を増量させる効果があるという野菜の老化を促進するというエチレンガスを分解する効果も確認されたという

 これらの機構により、野菜の鮮度をより長く保つことができるほか、変色なども抑えることができるという。

ピコイオン除菌なしで保存したイチゴピコイオン除菌ありで保存したイチゴ
ピコイオン除菌なしで保存したバナナピコイオン除菌ありで保存したバナナ

 冷凍機能では、蓄熱効果の高いヒートシンクセラミックトレイの上に食材を載せることで熱いままの食材をそのまま冷凍できる「そのまま熱もの冷凍」機能、庫内の温度変化を抑えるため冷凍室の底面全面にアルミプレートを採用した「おいしさ長持ち冷凍機能」などを備える。

 使い勝手では、冷蔵室の左右の扉に「電動タッチオープンドア」を採用する。同社の冷蔵庫では約10年前から電動ドアを採用するが、今回は新たに軽く触れるだけでドアが開く「スマートタッチオープンドア」を搭載した。

冷凍機能では、熱い物をそのまま冷凍できる機能などを備える前扉には電動の「スマートタッチオープンドア」を備える
東芝ホームアプライアンス株式会社 取締役社長 山下文男氏

 東芝ホームアプライアンス株式会社 取締役社長の山下文男氏は、新マーケティングコンセプトとして「ママゴゴロ家電」を掲げた。これは家電製品を「家事を楽しもうとしている女性をサポートするミカタ」として捉えたもので、家事を楽しむ、家事をポジティブに捉えるといった女性をターゲットとしたもの。ママゴゴロ家電は「真心(マゴゴロ)」と「ママ」を組み合わせた造語だという。

 山下氏は「家族との幸せをプロデュースできるような製品、女性の声に応えられるような製品を今後積極的に展開していきたい」と述べた。

 同社では、これまでエコや省エネをテーマとした「ecoスタイル」というマーケティングコンセプトを掲げてきたが、今後は「ecoスタイル」に加え「ママゴゴロ家電」を、新たなコンセプトとして積極的に推進していくという。

女性をターゲットとした家電製品開発に力をいれていくという「ママゴコロ家電」のロゴ今後は従来の「ecoスタイル」に加え「ママゴコロ家電」を同社のマーケティングコンセプトとするという
女優の天海祐希さん

 また、会場には同社のCMキャラクターを努める女優の天海祐希さんも登場した。天海さんは、同社の製品について「私はまだ独身ですが“ママゴコロ家電”というコンセプトには大賛成」と述べた。また冷蔵庫については「実際に私も使っていますが野菜を無駄にすることが無くなりました。庫内も見やすくてとても使いやすいです」と話した。






(阿部 夏子)

2009年9月28日 17:21