エコポイント制度で冷蔵庫の高額製品が好調、GfK調査

 GfK Japan(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン)は、エコポイント制度の対象となる冷蔵庫、エアコン、地デジ対応テレビに関して、家電量販店における販売動向を発表。冷蔵庫は金額ベースで大きく伸びており、エコポイント対象モデルが選択されている傾向が見られている。一方で、エアコンは夏商戦前ということもあって、反応は緩やかとなっている。

エコポイント制度対象3ジャンルにおける、台数ベースでの対前年比グラフ金額ベースでの対前年比のグラフ

 

冷蔵庫全体における、エコポイント対象製品の構成比の推移(台数ベース)
 部門別に見ると、冷蔵庫では制度開始後5週間において、金額構成比が前年同期比23%増と、同制度発表前(2008年12月29週~2009年3月30日週)の平均成長率である7%を大きく上回った。制度発表後から開始後までの、いわゆる「買い控え期間」(4月6日週~5月4日週)を含めた10週間でも、成長率11%増となり、買い控え期間のマイナス分を既に埋めているという。

 さらに、販売製品の平均価格は、制度発表前が76,000円だったのに対し、制度開始後5週間では約95,000円と、約25%も上昇している。その一方で、台数ベースでは前年同期比を下回る週も出ており、高額商品の人気が伺える。

 冷蔵庫におけるエコポイント対象製品の販売構成比は、制度開始直前のゴールデンウィーク商戦では台数ベースで全体の55%だった。しかし開始後になると、さらに構成比が高まり、最新の6月1日週では63%となり、金額構成比では76%と、さらに高い数値を記録している。GfKでは、消費者が対象商品を意識して選択、購入する傾向があるとし、8月の商戦期も期待できるとしている。

エアコン全体における、エコポイント対象製品の構成比の推移(台数ベース)
 一方エアコンは、制度開始直後の5月11日週は台数・金額ともに大きく伸びたものの、その後は対前年比を下回ることが多くなっている。これはエアコンは例年7月に商戦期を迎え、また気温における増減が大きいことが影響しているという。

 GfKではまた、エアコンの商戦期には、例年低価格モデルの構成比が増加する傾向にあるが、今年はエコポイントの対象となる高価格帯の製品が選択されることで、金額ベースで対前年を押し上げると期待している。

 地デジ対応テレビは、制度開始後の5週間で数量は前年同期比の43%増、金額では同比27%増と好調だったものの、買い控え期間も含めた数字では、制度発表前の成長率には至らず、買い控え分は埋められなかったという。

 3ジャンル全体では、エコポイント制度がスタートした5月15日を含む5月11日週の売上は、金額・台数ベースで前年同期比をすべて上回っている。


(正藤 慶一)

2009年6月24日 13:52