ニュース

石油給湯機の経年劣化で火災も 長期使用は点検を

「石油ふろがま・石油給湯機」を使用するうえでの注意点を紹介

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、「石油ふろがま・石油給湯機」の事故事例を発表し、使用するうえでの注意を呼びかけている。

給湯関連製品といえば、ガスふろがまやガス給湯機、ヒートポンプ式給湯機を連想するが、灯油を燃料とする石油ふろがまや石油給湯機は、主に都市ガスが配管されていない地域、LPガス供給事業者が存在しない地域でもガソリンスタンドなどから灯油の供給を受けることができるため、これらの地域では活躍しているという。

NITEに報告されている石油ふろがま・石油給湯機の事故は年々減少傾向にはあるが、それらの製品事故の多くは長期使用によるもの。石油ふろがまや石油給湯機は所有者による点検が困難で、経年劣化により重大な事故が発生するおそれが高い製品でもあることから注意喚起している。

【事故事例1】石油給湯機を焼損する火災が発生

これは34年の長期使用により、送油ホース及び電磁ポンプのOリングが劣化して灯油が漏れ、漏れた灯油に引火したものと考えられる。また、使用者が事故発生の2年ほど前から使用中に停止する不具合を認識しながら使用を継続していたことも影響したと考えられるという。

【事故事例2】石油給湯機付ふろがま及び周辺を焼損する火災が発生

この事故は28年の長期使用により、バーナーノズルの汚れや点火棒の消耗によって燃焼不良が生じ、機器内部に溜まった未燃灯油に引火したものと考えられる。また、使用者が以前から使用時に運転途中で動作が停止する不具合を認識しながら使用を継続していたことも影響したと考えられるという。

【事故事例3】石油ふろがま及び周辺を焼損する火災が発生

使用者が空焚き防止装置を機能しない状態にして使用していたため、空焚きとなった際に空焚き防止装置が作動せず出火したものと考えられる。また、当該品は2007年にリコールが出されていたが、リコール未対策品だった。

石油ふろがまのバーナーが異常燃焼して警報が出た事故の再現試験

石油ふろがま・石油給湯機の事故を防ぐためのポイント

NITEでは、こうした事故を未然に防ぐため、以下の点に気をつけるよう呼びかけている。

●不具合を放置しない

点検により重大な不具合が判明したり、異音や発煙などの異常があったり、繰り返しエラーになるなどの不具合が生じたりしている場合、整備や修理を受けないまま使用を継続すると、火災などの事故に至るおそれがある。不具合があった場合は使用を中止して、販売店や製造事業者等に整備・修理の相談をする。

●リコール製品ではないか確認する

古い石油ふろがまや石油給湯機の場合、過去にリコールが出されたものは、メーカーなどからのリコール情報が届きにくくなっている可能性がある。手持ちの製品がリコール製品だった場合、使用を中止して、販売店や製品の事業者に整備・修理の相談をする。リコール情報は「NITE SAFE-Lite」で検索可能。

●長期使用製品安全点検制度を利用する

長期使用による経年劣化の事故の多くは、点検を受けることで防ぐことができる。製品を購入した時は、添付されている所有者票やインターネットで所有者情報の登録を行ない、案内が届いたら点検を受ける。なお、長期使用製品安全点検制度の開始以前の製品(2009年4月以前に製造された製品)は、この制度の対象とはならないが、事故防止のために点検を受けることを推奨している。

●本体の設置環境と使用状況を確認する

本体に不具合がなくても、設置環境や使用状況によっては火災等の事故につながるおそれがある。使用する前に以下のような点を改めて確認しておきたい。

  • 煙突や排気口、排気筒の詰まりや外れに注意する
  • ふろがまは空焚きに注意する
  • 本体周辺に可燃物を置かない
  • 住宅の外壁が塗装などで養生シート(ビニールシート)に覆われている時は使用しない
  • 本体の囲い禁止
  • 本体周辺に洗濯物などを掛けない
  • 不良灯油は使用しない
  • 灯油タンク(ホームタンク)にも注意を払う
石油ふろがまの空焚きで焼損(再現試験)