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三菱電機、空調冷熱システム事業の売り上げを2020年までに1兆円へ

三菱電機 リビング・デジタルメディア事業本部長の杉山武史氏

 三菱電機は、空調冷熱システム事業に関する2020年に向けての事業戦略説明会を行なった。説明したのは、三菱電機の常務執行役リビング・デジタルメディア事業本部長の杉山武史氏。

 まず、ルームエアコンやパッケージエアコン、ビル用マルチエアコンなどを展開する空調冷熱システム事業は、同社の家庭電器事業全体の中で、約7割の売り上げを占めているという。その空調冷熱システム事業を、2020年に向けて拡大させていくため、「Advance & Innovation 2020(略称:AI20)」というスローガンを掲げる。

空調冷熱システム事業は、家庭電器事業全体の中で、約7割の売り上げを占めている
空調冷熱システム事業の売上を、2020年には1兆円にする
日本市場における事業戦略

 杉山武史氏は、「既存事業の強化・拡大と新規事業の創出・強化により達成させます。具体的には、2012年度に5,200億円、2015年度には7,200億円だった売上(2015年度の数値は売上目標)を、2020年度には1兆円にまで伸ばす」とする。

 同社は、「AI20」を掲げるにあたり、自社の強みを分析。高性能で高効率デバイスと、高度な制御技術や、先進のコア技術を取り入れた製品開発/製造力、総合電機メーカーならではの技術や営業力を挙げた。

 また、家電製品の中では高効率で高静音なファンやモーターを搭載するルームエアコンを一例として挙げた。特に、今年8月に発表された「霧ヶ峰 FZシリーズ」では、室内機の構造を約50年ぶりに一新させたとする。

同社の強みとして挙げられた技術
「霧ヶ峰 FZシリーズ」では、室内機の構造を約50年ぶりに一新させた
寒冷地向けに展開されている「ズバ暖シリーズ」

 さらにルームエアコンでの「新たな価値軸」の創出と展開を図るとし、高性能モデルの市場での浸透を加速させるとともに、デザイン性を重視した戦略を取っていくという。

世界での省エネ規制の動向

 なお説明会では、海外市場への展開方針や業務用の電気製品などについて、多くの時間が割かれていた。特に海外では今後、省エネ規制や冷媒規制が強化される国も多く、それぞれの国に最適なタイミングで、国内市場で培った省エネ技術を投入していくとする。また、中国市場に関しては、高付加価値モデルを主軸とした戦略を続けていく。これにより現在2%程度のルームエアコンのシェアや、同6%の業務用途のシェアを拡大していく。

各エリアでの市場戦略

河原塚 英信