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ユニファ、世界初の園内見守りロボット「MEEBO(みーぼ)」
(2015/8/5 18:55)
ユニファは、保育園や幼稚園での利用を想定した、世界初の園内見守りロボット「MEEBO(みーぼ)」の予約を本日から受付開始した。レンタル価格は月額9,800円。9月末までに申し込めば、最初の3カ月間は無料で試用できる。
挨拶やダンスができる子ども向けのコミュニケーションロボット。専用アプリを入れたスマートフォンやタブレットを連携させて操作する。顔を認識し、子どもの笑顔を撮れるのも特徴。写真を撮ると、内蔵Wi-Fiによって独自のクラウドサービスへアップロード。撮ったその日のうちに、子どもの親が写真を見られるという。気に入った写真があれば、そのまま画像データを購入、またはプリント後に郵送してもらえる。
本体サイズは140×160×280mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約763g。3つのマイク、スピーカー、人感センサー、Wi-Fi機能を内蔵する。顔認識や音声認識、対話、音声合成機能などを搭載。
保育の世界の問題を少しでも解決したい
ユニファの代表取締役社長・土岐泰之氏によれば、全国の保育園では保育士が足りていないという。また両親が共働きの子どもが増え、子どもが園内で過ごす時間が増えている。そのため、親とのコミュニケーションが希薄になってきているという問題がある。こうした保育での問題点を少しでも解決するためにMEEBOを開発したという。
「まず、子どもと親や祖父母とのコミュニケーションを豊かにするために、『るくみー』という画像を共有し購入できるサービスを起ち上げました」
るくみーは、子どもたちが多くの時間を過ごす園内、つまり普段の様子を撮影して、親などと共有できるサービス。こうした写真は、親と子どもとの有力なコミュニケーションツールになるという。
「これは既に全国500の保育園などで採用されています。だが、現状では写真を保育士の方に撮ってもらっていた。保育士は仕事が多く写真を撮ることが負担になっていた。これを解決するために、写真撮影をロボットに代行させられないか? そう考えたのがMEEBOを開発したきっかけです」
MEEBOは、額の部分にカメラを搭載。顔認識撮影モードにすると、子どもたちの顔を探し、「笑って笑ってぇ!」などと笑顔を促して撮影する。探しても園児が目の前にいなければ「どこにいるの?」と探し始めるという。保育士の手をわずらわせることなく、自動で撮っていくので、親が見られる子どもの写真が確実に増える。
人型ロボットにこだわった理由
ロボットのハードウェア面の開発を担当したヴイストンの大和信夫氏によれば、MEEBOが人型ロボットであるために、子どもたちの良い表情が撮れるという。
「そもそも人の脳は、人の顔を認識しやすくなっている。人型ロボットの顔のデザインは、人とスムーズにコミュニケーションできるユーザーインターフェイスのです。例えば、誰にも言えないことが、人型ロボットには言える、という人もいると聞きます。それだけ人型ロボットは寄り添いやすく、愛着を覚えやすい」
また、これまでの人型ロボットが製品として普及しなかった理由と、今後のロボット普及の見通しを次のように話す。
「多くのロボットメーカーは、ロボットを道具として使おうとする。でも今回のMEEBOは、子どもたちにとっての仲間であり、友だちであり、先生であったりする。愛着というのは一瞬で沸くものではないけれど、2-3年がたてば多くの子どもたちがロボットに愛着を持つようになると思う。さらに3-5年後には、こうしたロボットが爆発的に普及すると思います」
今後も進化を続ける
MEEBOの機能のうち物語の読み聞かせや、ダンスや挨拶のバリエーションは、随時追加されていくという。また、地震速報などを受信し、子どもたちに机の下に隠れるよう促す機能も近日中に搭載する予定。
ハードウェア面での変更が必要になるが、サーモグラフィカメラを内蔵させる予定があるという。これは子どもたちの体温を測り、発熱した子どもを自動で感知したら保育士などに注意を促す機能を搭載するためだ。この機能を、来年春を目指して導入したいという。
そのほかにも、動画撮影への対応から、アレルギー除去食の確認機能など、今後進化させたいポイントは多い。そして、これらの機能は、いずれも子どもたちとの距離を縮められる小さな人型ロボットだからこそ、高精度で提供できる機能やサービス。
土岐氏は「ロボットにやらせた方が、効率的で正確な仕事が園内にはまだまだあるはず。そうした業務をMEEBOが担っていければ嬉しい」と語る。