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パナソニック、無償保証期間を業界最長25年にした太陽電池モジュール「HIT」
~滋賀工場もメディア初公開
(2015/7/27 14:09)
パナソニックは、住宅用の「太陽電池モジュール HIT」の新モデルの受注を9月24日より順次開始する。施行時間が従来の約半分となった「PS工法」を採用した「P250α」(公称最大出力250W)「P120α」(同120W)、現行工法の「245α」(245W)、「120α」(同120W)の計4機種で、希望小売価格は順に、173,000円、71,000円、145,000円、71,000円(工事費、税別)。
独自のヘテロ接合技術により、面積あたりの発電量が高く、日中の高温時の出力低下が少ない「HIT」太陽電池モジュールの新モデル。出力と機器の無償保証期間を従来より大幅に延長し、業界最長の25年としたほか、見た目も美しく、施行時間も短い「PS工法」を新たに導入した点が特徴。
無償の保証期間25年(出力、機器において)は業界最大で、「インゴットから製品まで一環生産しているパナソニックだからこそ、実現した」という。同社では過酷な屋外環境に耐えうる信頼性と、高い発電性能を両立するために、「冷熱衝撃試験」や、「限界荷重試験」など20種類以上の独自試験を実施。約40年に渡る、解析評価技術やノウハウにより、高い発電品質を提供してきたとし、その結果として、25年に及ぶ無償保証を実現したとする。
今回、新たに導入したPS工法は、電動工具などを使わずに施行できる新たな方法。モジュール間を狭くすることで、見た目も美しく、施工時間の短縮化、施工品質の安定化を実現したという。
PS工法では架台フレームをスライドする固定金具を使い、モジュールの取り付けを差し込むだけで行なう。モジュールの固定に電動金具を使う必要はなく、軒カバーを使うことで、高さ調節も簡単にできるようになった。所要時間は、約2時間48分で、現行工法に比べて、時間は半減した。また、梱包材を省略することで、環境負荷の低減にもつながるという。
最終確認は人の目で~滋賀工場をメディア初公開
新モデル発表に伴い、太陽電池モジュール「HIT」を生産している滋賀県の「ソーラーBU 滋賀工場」をメディアに初公開した。同工場は、1950年に三洋電機の乾電池式ランプケースの製造からスタートした歴史ある工場。生産能力の増強が決定しており、島根工場と滋賀工場合わせて150MWの増産を計画する。
敷地内には、温度や日光量、設置場所などにより発電量の違いなどを検証する「HIT STATION」が設置される。
モジュールの生産工程は、残念ながら撮影禁止だったが、印象的だったのは、各工程で人の目による最終確認を行なっていたこと。基本的な製造工程は、全て機械化されていたが、細部の細かいチェックは、人が行なっているという。
また、実際に光を当てて行なう出力確認では、公称最大出力以上の製品しか出荷しないなど、パナソニックならではのこだわりが随所に見えた。