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ダイキンの除加湿空気清浄機「クリアフォースZ」は、ココが変わった

左が従来モデル「MCZ65M」、右が新しい「クリアフォースZ MCZ70P-W」

 ダイキン工業は、除湿と加湿機能を自動で切り替える空気清浄機「クリアフォースZ」のプレス向け説明会を開催した。

 クリアフォースZは、除湿と加湿の両方の機能を搭載した同社の空気清浄機の最高級モデル。季節や天候に合わせて、室内の空気の状態を常に最適化する“空気清浄機の最終形態”を目指したことから、アルファベットの一番最後の「Z」をとって、「クリアフォースZ(ゼット)」と名付けられた。

除湿用タンクと加湿用タンクを分離して、清潔に

 新製品では、室内の温湿度に合わせて、除湿と加湿を自動で切り替えられるようになった点が特徴。2011年に発売した従来モデル「MCZ65M」では、除湿した水が溜まるタンクと加湿用の水を入れるタンクが同じもので、除湿と加湿を切り替える際に、タンクの水捨てや交換が必要で、運転モードを手動で再設定しなければならないなど、手間がかかったという。

 クリアフォースZでは、除湿タンクと加湿タンクを2つに分けたことで、タンクの水捨てや交換の必要がなくなり、除湿と加湿を自動で切り替えられる。同社では、「さらに使いやすく、衛生的になった」としている。

左が加湿用タンク、右が除湿用タンク。どちらも容量は3Lで、自立する
加湿用の水を入れるタンクにはハンドルが付いていて、水を汲みやすい

除湿方式はコンプレッサー式を採用して省エネ、加湿量アップ

 もう1つ、従来モデルとの大きな違いとして、除湿方式をデシカント式からコンプレッサー式へ変更している。これは「まず除湿量を増やしたい、というのが第一。また、省エネのニーズが続いている」からだという。

 ダイキン工業では、クリアフォースシリーズを発売する以前から、住宅の北側の部屋や地下室など向けに、壁に施工するタイプの調湿機「ルームドライヤー」を販売してきた。このルームドライヤーはデシカント式を採用しており、クリアフォースにもこの技術を応用したという。

 ところが、デシカント方式は、除湿剤をヒーターで乾燥させるためにエネルギーロスが大きく、除湿量や省エネ性に限界があった。そこで、2013年モデルからコンプレッサー式を採用することになったという。

 コンプレッサー式では、低温時の除湿性能が低くなるものの、最大除湿量はデシカント方式の従来モデルより6割アップした9L(60Hz時)となり、消費電力は半分以下の5.39円に抑え、省エネ性を高めた。

本体上部に操作パネルとルーバーを搭載する。本モデルから新たに液晶画面を採用した
液晶画面はバックライト搭載で見やすい
天面のフタを開くと、細かな操作ボタンが現れる

集塵フィルターは10年使っても70%の能力を発揮

全てのフィルターを取り外したところ。左右の青い棒状のものが、電気集塵部だ

 空気清浄機能では、電気集塵方式と集塵用フィルターを刷新している。電気集塵方式とは、ホコリや花粉を帯電させてフィルターに吸着させる従来からの方式だが、新製品ではホコリを帯電させるパーツを変更。従来のフィルターを包むように大きかった「プラズマイオン化部」を、同社の加湿空気清浄機に既に採用している2本の電気集塵部に変え、集塵効率と手入れのしやすさを向上させた。空気清浄の適用畳数は、従来の22畳から31畳に広がった。

 また集塵フィルターは、従来は2年交換のプリーツフィルター5枚を同梱し、10年交換不要と謳っていたが、新たに1枚で10年使えるという新しいプリーツフィルターに変更した。これにより、10年後も70%程度の高い集塵力を維持できるという。

カバーを外すとまず現れるのが、交換不要のプレフィルター。大きなホコリを捉えてカビ菌やアレル物質を排除する
新高性能フィルターは、従来よりプリーツの密度が高い
新しい電気集塵部を分解したところ。この電気集塵部は同社の空気清浄機に既に搭載されている
青いほうが、10年交換不要の新高性能フィルター。黒い方は「光触媒&ストリーマ脱臭触媒」で、こちらは手入れ、交換が不要
カットモデル。加湿用の大型ファンを搭載する
光速ストリーマユニットは、高速電子を放出してニオイ物質を分解、脱臭する

小林 樹