ニュース
日立、2台のカメラで間取りも検知して節電するエアコン
~吹出口にもステンレス採用。床暖房のように足元を暖める機能も
(2013/9/12 17:29)
日立アプライアンスは、人の数や活動量に加えて、間取りも検知して節電運転するエアコン「ステンレス・クリーン 白くまくん Zシリーズ」を、10月下旬に発売する。6畳~26畳向けの9機種が用意され、価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は230,000~350,000円前後。
2台のカメラが人と温度、距離と間取りを検知して節電。日立製作所の技術を利用
同社のエアコンでは最高級モデルに当たる製品で、センサー機能「くらしカメラ」を強化することで、節電性能を高めた点が特徴。従来のくらしカメラは、画像で在室者の数や活動量、位置を検知し、それに合わせて自動で節電するが、新製品では床や壁、在室者の温度など、人の周囲の温度を検知するカメラを搭載した。
従来機種では温度を調べる際、室内機に吸い込む風で検知して運転を制御していたため、人がいる場所の温度が正確に検知できず、冷やし過ぎや暖め過ぎが発生していたという。新製品では、人のいる場所の温度を検知することで、過剰な空調を抑えてより節電できるという。
同社ではこの2つのカメラを「くらしカメラ ツイン」と称しており、この2つのカメラを活用した自動運転モード「[ecoこれっきり]運転」を使うことで、人や部屋の状況をより細かくセンシングし、素早く節電することと快適に空調することを両立するという。
さらに、室内機から在室者までの距離を測り、人の居場所に応じて風量を自動で調節する機能も備えている。
このほか、部屋の間取りを検知するセンシング機能も搭載する。部屋の形や間仕切りの開閉を検知することで、風向きを自動で調節する。例えばリビングと隣室が二間続きとなっている場合、間仕切りを閉じている際はリビングに合わせて、間仕切りが開いているときはリビングと隣室の二間を空調するように、左右にスイングして送風する。
この間取りのセンシング技術は、日立製作所 中央研究所の画像処理技術を利用したという。
2枚のフラップもステンレス。足元を床暖房のように暖める機能も
室内機の内部には、除菌効果があるステンレスを、従来モデルから引き続き採用。今回は新たに、風の吹き出し口の2枚のフラップ(翼)にも、ステンレスを採り入れた。
暖房機能では、足元を床暖房のように暖める「ゆか暖 30」モードを搭載。暖房運転中に「温風プラス」ボタンと「くらし気流」ボタンを押すことで運転を開始し、在室者の足元を中心に、足元を約30℃で暖める。このほか、約55℃の高温風を30分間送る「温風プラス」、約30秒という早さで温風を吹き出す「すぐ暖房 30」も用意される。
冷媒は地球温暖化係数を抑えた「R32」を採用
冷媒には、従来の冷媒「R410A」に比べて、地球温暖化係数を約1/3に抑えた新冷媒「R32」を採用。コンプレッサーはR32の特性に合わせた設計とすることで、冷媒の漏れによる損失を低減している。
熱交換器では、直径5mmの細い伝熱管を高密度に実装し、さらに配置の最適化により、風の流れを損なわない構造としている。これにより、伝熱性と通風抵抗の低減が両立されているという。またファンには、直径115mmの「ビッグ&ウェーブファン」を採用することで、送風効率を約12%向上し、運転音も抑えている。
本体サイズは、室内機が798×329×295mm(幅×奥行き×高さ)。室外機は、100V電源用が750×288×570mm(同)、200V電源用が799×299×629mm(同)。室内機のカラーはクリアホワイト。
なお、26畳向けの「RAS-Z80D2」のみ、発売日が2014年3月中旬となる。店頭予想価格は現在のところ未定。