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三菱電機、エアコンから冷蔵庫、テレビまで業界最多の7製品対応のHEMS
~スマート事業元年を宣言
(2013/8/26 15:19)
業界最多7製品に対応
三菱電機は、エアコンや冷蔵庫、テレビなどの家電製品に対応した「三菱HEMS(Home Energy Management System)」を12月より発売する。情報収集ユニット「HM-GW02」と、エネルギー計測ユニット「HM-EM02」がセットになっており、希望小売価格は189,000円。
家庭での電力使用状況などを管理するHEMSの新製品。業界最多となる7製品(ルームエアコン、エコキュート、IHクッキングヒーター、換気システム、ヒートポンプ式温水暖房システム、液晶テレビ、冷蔵庫)に対応した製品で、節電目標を設定できたり、家族の予定を登録できるなど、様々な新機能を搭載する。
具体的なシステムとしては、冷蔵庫などの対応製品の情報を無線LANを通じて専用のアダプター(別売り)を介して情報収集ユニットに集約、エネルギー計測ユニットは分電盤から家全体の使用電力量を計測、さらに水道・ガスはパルス式流量計からそれぞれの使用量を計測して、情報収集ユニットに送信する。これらの情報は市販のタブレットに専用アプリをインストールすることで、確認でき、タブレットで各機器の操作もできる。対応タブレットは、Android4.1.以上、iOS6.以上のもので、屋外からの操作には対応しない。
なお、三菱電機の住宅用太陽光発電システムとの連携も可能で、毎日の発電量、消費量、売電量なども全てタブレットで確認できる。
三菱電機では、これらの基本機能に加え、省エネと快適性を追求した便利な機能を搭載する。
まず、省エネ性では、節電目標の数値を設定するだけで、HEMSと連携する機器を自動的に節電運転する機能を搭載。たとえば、1カ月の電気代を7,500円以内にしたいと設定しており、それを超えてしまいそうな場合、タブレット画面上で注意を促し、さらに対応機器が自動で節電運転に切り替わる。
次に快適性の面では、家族の予定を入力すると、その予定に合わせてHEMS対応機器を設定できる「ファミリーカレンダー」機能を搭載する。これは、旅行の日程に合わせて、不在中はエコキュートでの沸き上げを停止したり、帰宅前からエアコンの予冷運転を行なうことで、消費電力量を抑える効果があるほか、帰宅時の快適性も確保できるというもの。
また、事前に各機器の動作内容を登録しておくことで、各機器の一括操作できる機能も備える。「外出」ボタンを押すと「各機器の電源が一斉に落ちる」、「就寝」ボタンを押すと、「寝室のエアコンは弱運転に、リビングのエアコンは切れる」など、各部屋の家電製品の動作を一括で操作できるという。
三菱HEMSでは、使い勝手を考慮して、部屋の間取りから各機器を操作できる「間取りコントローラー」を採用。各部屋の機器の状態が、間取りから確認できるため、一目で運転状態がわかり、操作しやすいという。
これらの自動節電機能、ファミリーカレンダー機能、機器一括操作機能、間取りコントーラーなどは、全て業界初の試みとなる。なお、三菱HEMSに対応する家電製品は、現時点では三菱電機の製品のみで、対応機種は2013年度の秋以降に発売される一部製品(テレビのみ発売済み)。また、三菱HEMSとともに、対応7製品、太陽電池パネルを全て導入した場合、初期費用は物件によっても異なるが、300~500万円程度かかるという。
三菱のスマート事業元年
三菱電機 常務執行役 リビング・デジタルメディア事業本部長 梅村博之氏は、三菱HEMSの発売にあたり「2013年度を三菱のスマート事業元年として宣言」した。HEMS発売に当たっての経緯としては、同東日本大震災以降加速しているエネルギー環境の変化や、少子高齢化の進展に対応するもので、同社の総合コンセプトである「SMART QUALITY」を具現化するものだとしている。
また、今後の展開についても具体的なプランを発表。2013年後の本格参入を皮切りに、2014年度には、第二ステップとしてPV(太陽光発電)とEV(電気自動車)を連携したHEMS、第三ステップとして空調と換気、HEMSを組み合わせた「温度バリアフリー」の展開を予定しているという。
PV・EV連携HEMSに関しては、既に同社の研究所にて実証実験が進んでおり、早い段階での製品化が可能だという。温度バリアフリーに関しては、同社が目指すHEMSによる快適性の追求を具現化したもので、住宅内の温度を快適に維持するというシステム。段差などをなくす従来型のバリアフリーに加えて、温度差を少なくするバリアフリーを進めることで、高齢者の負担を少なくするという。
三菱では、これらの計画を基に、2015年度のスマート事業の売上目標として300億円を掲げる。梅村氏は「見える化だけに特化した、これまでのHEMSとは違う、きめ細かい使いやすさや快適性を実感していだけると思う。スマート事業への本格的な推進に期待していただきたい」と話した。なお、スマートハウス事業のイメージキャラクターは、三菱のほかの家電製品同様、女優・タレントの杏さんが務める。