ニュース
三菱、0.1℃単位で体温を測り、手足を直接温めるエアコン「霧ヶ峰」
(2013/8/22 15:04)
2013年モデルは、暖房に注力
三菱電機は、冷えやすい手足を直接温めるエアコン「霧ヶ峰 Zシリーズ」を11月上旬から発売する。定格冷房能力2.2kWから8.0kWまで全11機種が用意され、価格は全てオープンプライス。店頭予想価格は218,000円~368,000円前後。
同社独自のセンサー技術「ムーブアイ」を搭載した高級エアコン。人のいる方角や室内温度を検知して運転を制御する機能のほか、人の不在を感知して自動で運転をストップする「スマートストップ」、体感温度を検知して、送風運転と冷房運転を自動で切り替える「ハイブリッド運転」など、省エネ・節電に特化した機能を多数搭載する。新製品では、従来より力を入れていた冷房機能に加えて、暖房機能を見直した。
同社によると、エアコン暖房の不満点として、「足もとが温まらない」と感じている人は多く、実際に頭と足の温度を計測したところ室温が低いほど、温度差が開き、室温が15℃の場合、約10℃の差があったという。
新モデルでは、この問題を解消するため、従来の約4倍の解像度に当たる3,008画素のサーモグラフィー「ムーブアイ極(きわみ)」を搭載。人の姿勢から、頭や手足などの身体の部位を判断し、0.1℃単位で身体の温度を測る。検知した結果、体温が低い場所には前後左右4枚のフラップを独立して制御する「匠(たくみ)フラップ」で、暖かい風を送るという仕組み。匠フラップでは、左右それぞれ別の制御をすることができ、エアコン近辺に2人の人がいる場合、それぞれに合わせた送風が可能で、343億通りの気流制御に対応する。
会場では、実際に足の温度が低い人が2人並んだ場合と、足の温度が低い人と高い人が2人並んだ場合、送風がどのように変化するかを実演。足もと近くに置かれた風車が回転するかしないかで、送風されているかいないかを説明した。
冷房は霧ヶ峰高原の風を再現
一方、冷房能力においては、快適性を向上。霧ヶ峰という製品名の由来ともなった長野県・霧ヶ峰高原の風を研究し、リズムや気流の制御を変更、霧ヶ峰高原の風を再現するという。体感温度に応じて、自動で送風・冷風・冷房運転を切り替える「ハイブリッド運転」においても、快適な涼しさと節電を両立できるとしている。
新冷媒R32採用で業界NO.1の省エネを実現
省エネ性においては、地球温暖化係数が従来の冷媒の約1/3に抑えられる新冷媒「R32」を採用。この変更に応じて、インバーター、圧縮機なども新たに開発し、運転効率が大幅に向上したという。これにより、定格冷房能力7.1kWクラスにおいては期間消費電力量2,443kWhで、業界No.1の省エネ性能を実現した。
使い勝手の面では、スマートフォンで外出先から電源の入/切、運転モード、設定温度/湿度も操作できる「霧ヶ峰REMOTE」機能を新たに搭載。あらかじめ設定しておいた、室温や目標電気代に達すると、メールで知らせる機能も備える。
「三本の矢」戦略で、家庭用製品を一層強化
三菱電機 常務執行役 リビング・デジタルメディア事業本部長 梅村博之氏は、今後の事業展開について前年に引き続き「SMART QUALITY」をコンセプトに掲げ、BtoC(家庭用製品)を強化するとした。同氏は「昨年より家電業界は、元気を失いBtoB(企業向け)戦略に進んでいる傾向がある。三菱電機ではBtoC事業のプレゼンス(存在感)を飛躍的に向上させるため、『三本の矢』戦略を展開する」とした。
「三本の矢」戦略とは全機種のイメージキャラクターを女優・タレントの杏さんに統一すること、宣伝投下量の拡大、宣伝時期の集中化/同期化の3つの戦略を指す。これにより、「これまで製品ごとにばらばらだったイメージキャラクターを杏さん1人にすることで、統一感を出す。また、従来五月雨式だった製品発売時期を集中させ、その時期にテレビCMを従来の約10倍放映する。これによりブランドイメージの刷新と企業ブランド価値向上」を目指すという。
会場には、イメージキャラクターを務める杏さんも登場。杏さんは「これまで歴代様々な方が努めてきた三菱電機の製品のキャラクターを務めさせていただくのは、とても光栄です。それと同時に責任も感じています。今後三菱電機のSMART QUALITYの魅力を皆様にお伝えできるように頑張りたいです」とコメントした。
さらに、未来の自分に宛てたタイムカプセルを作るというパフォーマンスも行なわれた。杏さんは「好奇心を失わず、どんな時も小さな楽しみを発見できる自分で居てください」というメッセージを込めた。