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三菱、米の銘柄別炊き分けに対応した「蒸気レスIH 本炭釜」

~「ゆめぴりか」から「森のくまさん」まで全国20銘柄に対応

 三菱電機は、銘柄別の炊き分け機能を搭載した高級炊飯器「蒸気レスIH 本炭釜 NJ-XW104J」を8月21日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は11万円前後。

「蒸気レスIH 本炭釜 NJ-XW104J」ルビーレッド
ピアノブラック

 加熱ムラが少なく、発熱性に優れた純度99.9%の炭釜を採用した5.5合炊きの高級炊飯器。炊飯中に蒸気が外に出ない同社独自の「蒸気レス」構造により、連続沸騰が可能なほか、重量センサーなどの細かい検知により、かため、柔らかめ、もちもち、しゃっきりなど好みに応じて15モードから選べる「炊き分け名人」機能を搭載する。

 新製品では、炊き分け名人機能をさらに進化させた「銘柄芳潤炊き」を新たに搭載し、さらに火力を高める「熱密封かまど構造」を採用した。

フタを開けたところ
純度99.9%の炭釜を採用する
カットモデル。独自の蒸気レス機構を搭載する

 全国20銘柄の米に対応する「銘柄芳潤炊き」機能は、特Aランクと言われる最高級の品種が北海道や九州などからも出てきたこと、全国の銘柄がインターネットで手軽に買えるようになったことなどを受けて、開発された。米は銘柄によって、吸水率が異なり、同じように炊いても、銘柄に応じて炊きあがりが違うという。銘柄芳潤炊きモードでは、本体画面で銘柄を選ぶだけで、その米に最適な制御を自動で行なう。炊飯制御は、従来機種より搭載されている炊き分け名人機能を用いるもので、15種類のモードから最適なものが自動で選択される。

米は品種によって吸水率が大きく異なり、同じように炊いても銘柄によって炊きあがりが異なるという
インターネットの普及によって全国の様々な銘柄が手軽に入手できるようになった
全国20銘柄に対応する
炊飯制御は、従来より搭載されている炊き分け名人機能を応用。15モードの中からその銘柄に合った最適なモードが自動で選択される
銘柄選択画面。十字キーで簡単に銘柄を選べる
炊飯中も画面に銘柄が表示される。写真は「森のくまさん」を炊飯中の場合

 会場では実際に、ヒノヒカリ(熊本県)、ななつぼし(北海道)、コシヒカリ(新潟)の3銘柄の炊き分けが行なわれた。記者も実際に試食したところ、味の違いをはっきりと感じられた。最も粘りが強かったのはななつぼしで、ヒノヒカリは甘く感じられた。コシヒカリは最もバランスが良いように感じたが、それは「日本の米は、コシヒカリを基準として考えられている」(三菱開発担当者)という背景も関係あるのかもしれない。

左からヒノヒカリ(熊本県)、ななつぼし(北海道)、コシヒカリ(新潟)の3銘柄の炊き分けが行なわれた
同じお米でも、銘柄によって味や食感が違っていた

 火力を高めるために採用された「熱密封かまど構造」は、内釜と本体をシリコン性パッキンで密着させることにより、内釜と本体の間に熱を閉じ込める空気断熱層を設けるというもの。

 三菱では、「弾力があって口の中でほぐれやすい食感」を理想とするが、そのためには、炊飯中に発生する空気の通り穴、いわゆる「カニ穴」を作ることが不可欠だという。カニ穴は強力な沸騰による力強い泡がないと発生しないため、ふきこぼれを防止する独自の構造で連続沸騰を可能にしたり、発熱性に優れた炭釜を使うことで加熱の均一化を図ってきたが、今回は、熱密封かまど構造によりさらに火力をアップ。これにより、上下の加熱ムラを抑制し、炊きムラを軽減、ごはんの甘さは従来より約20%向上したという。

三菱が目指すのは、「弾力があって口の中でほぐれやすい食感」があるごはん。そのためには、カニ穴を作るのが不可欠
炊飯中のごはんは粘度が高く、大きな泡を発生させるためには、火力が強くなければならない。
内釜と本体をシリコン性パッキンで密着させることにより、内釜と本体の間に熱を閉じ込める空気断熱層を作る
内釜と本体を密着させるシリコン性パッキン。写真の赤いラインがそれにあたる

 使い勝手の面では、見やすいフルドット液晶を採用。文字高さ5.5mmの大きな文字を、読みやすいバックライトで表示する。また、本体のエラー表示をイラストで表示するなど、使いやすさにも配慮する。

 本体サイズは253×342×225mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約6.4kg。消費電力は1,350W。本体カラーはピアノブラックとルビーレッド。

 炊き分け名人機能、銘柄芳潤炊き、重量センサーなどを省略した「蒸気レスIH 備長炭 炭炊釜 NJ-XS104J」も同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は8万円前後。本体カラーはルビーレッドとクリスタルホワイト。

阿部 夏子