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環境省、PM2.5に関するQ&Aを公開

~都道府県からの注意喚起に対する行動の目安も公開

 環境省は、PM2.5(微小粒子状物質)についてのQ&Aを公開した。従来も、Webサイト上でPM2.5の情報を公開していたが、2月末に注意喚起のための「暫定的な指針となる値」が決定したことを受けて、A4用紙3枚分のPDFファイルに情報がまとめられている。

 Q&Aは15問で、PM2.5の意味や発生の理由から始まり、今年の傾向、中国の大気汚染の影響の有無、都道府県からの注意喚起があった場合の行動などについて記されている。

 まず、今年の状況については、西日本で一時高い濃度が観測されたが、全国の1月のデータを昨年や一昨年と比べると、やや高めではあるが、大きく上回るものではないとしている。

 また、中国の大気汚染の影響については、都市汚染の影響が少ない離島でも濃度上昇が観測され、成分に硫酸イオンが多く含まれていたことや、シミュレーション結果などから、大陸からの越境大気汚染の影響があったものとしている。ただし、PM2.5については国内の都市汚染もあり、越境汚染が影響している度合いについては詳細な解析が必要としている。

 環境省の設置した専門家会議による「暫定的な指針となる値」に基づく注意喚起の基準については、1日の早い時間帯の1時間の平均値が85μg/立方mを超えると、指針となる値である1日の平均値70μg/立方mに達するとしており、都道府県が注意喚起を行なうことを推奨している。

早朝の1時間平均値が85μg/立方mを越えると、1日の平均値が70μg/立方mに達する場合が多い。専門家会議の資料から

 注意喚起があった場合の行動については、屋外での長時間の激しい運動や外出を減らすことが有効としている。また、屋内においても窓の開閉や換気を必要最小限とすることを勧めている。ただし、呼吸器などの疾患を持つ人、子供や高齢者については影響を受けやすいので、体調変化に配慮が必要としている。

 なお、注意喚起があった場合でも、体育祭などの屋外の行事を中止する必要はないとしている。

注意喚起があった場合の行動の目安。専門家会議の資料から

 また、PM2.5については大気汚染に関心が向いているが、室内で喫煙した場合もPM2.5濃度を大きく上昇させるため、注意が必要としている。

 マスクについては、米国基準のN95や、国内の労働安全衛生法によるDS1などの基準に沿った高性能な防じんマスクは有効としている。ただし、正しく装着されていないと効力を発揮しない。また、息苦しい感じがあり長期間の使用は難しいとしている。また、その他のマスクについてはさまざまなものがあり、PM2.5についての有効性には差があるとしている。

 空気清浄機についても、「PM2.5 に対する空気清浄機の除去効果については、フィルターの有無や性能など機種によって異なると考えられます。(中略)個別の製品の効果に関する詳細については、製品表示や販売店・メーカーに確認する必要があります」として、個別の有効性の判断は避けている。

 以上のようにQ&Aは、PM2.5についての過剰な反応や不安を抑え、冷静な反応を求める内容となっている。

 なお、PM2.5については、全国560カ所以上で常時監視が実施されている。その状況は、環境省による「大気汚染物質広域監視システム そらまめ君」で公開されているが、つながりにくい状況が続いている。その地域の情報は、各都道府県のWebサイトでも公開されており、環境省のPM2.5情報コーナーにリンク集が用意されている。

伊達 浩二