ニュース

東北電力、家庭向け11.41%、企業向け17.74%の値上げを申請

~7月からの実施を予定

 東北電力は14日、2013年7月1日からの電気料金値上げを政府に申請した。1月30日の社長会見で電気料金値上げの検討を開始すると表明していた。

 値上げ幅は、一般家庭向けを含む「規制分野」については11.41%、企業向けの「自由化分野」については17.74%となっている。

 東日本大震災以降で、電気料金の値上げ申請を行なうのは、東京電力、関西電力、九州電力に続いて4社目となる。

東北電力は東日本大震災に加え、新潟・福島豪雨によるに被災により負担が重くなっている
新料金は2013~2015年の期間を想定して算出した。収入不足は年平均1,980億円としている
主な合理化計画。人件費削減が中心
家庭向けの規制部門の原価は713億円の不足としている

 一般家庭向けの契約である「従量電灯B」の場合、契約アンペア数によって決定する基本料金は値上げせず、使用量によって3段階となっている従量部分を値上げする。今回の申請では、第一段階の値上げ幅を抑制し、第二段階、第三段階と使用量が多くなるほど、値上げ幅が大きくなっている。

 1kWh当たりの電気料金は、第一段階が16.95円から18.35円へ1.40円、第二段階が22.70円から25.03円へ2.33円、第三段階が24.31円から28.25円へ3.94円値上げされる

 これにより、標準的な家庭である従量電灯Bで、契約アンペアが30A、1カ月の使用量が280kWhの場合、電気料金は現行の6,683円から、540円値上げされ、7,223円となる。この場合の値上げ幅は8.08%の計算となる。

従量電灯Bの場合、使用量が多くなるほど値上げ幅が大きくなる設定
契約メニュー別の値上げの影響。一般的な従量電灯Bの場合、8.08%の値上げになると想定している
契約アンペア数別の値上げの影響。契約アンペアが高い、値上げ幅も大きくなりやすい

 契約アンペアごとの値上げ影響では、10A契約の場合、値上げ率が5.59%に留まるのに対し、60A契約では値上げ率は10.96%となると試算している。契約アンペアが大きく、電気の使用量が多い家庭ほど、値上げの影響が大きくなる。

 また、昼間の使用料金が高く、夜間が安い「ピークシフト季節別時間帯別電灯契約」を新設する。夏期の13時から16時の電気料金を高く、夜間の電気料金を安く設定したプランで、夜間活動が多く昼間に電気を使用しないユーザーに向いた内容となっている。

新たに用意される「ピークシフト季節別時間帯別電灯」プランの内容。23時~翌日7時の夜間は安く設定される
東通原発1号機のみ2015年7月に再稼働を見込んでいる

 なお、東北電力では、東通(1号機)、女川(1/2/3号機)の原子力発電所がすべて停止した状態となっている。計画によれば、2015年7月に東通1号機の再稼働を見込んでいるが、女川については2015年までの再稼働は見込んでいない。

伊達 浩二