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ESCJ、50Hz/60Hz間連系設備の90万kW増強を提言

~2020年度の運用を目指し9電力会社が協力

 一般社団法人 電力系統利用協議会(ESCJ)は23日、異なる周波数地域間を結ぶ連系設備の増強について提言をまとめ公開した。

 提言内容は、震災などのリスクを受けて、既存の新信濃FC(周波数変換所)を90万kW増強するとしている。運用開始は2020年度を目標とする。費用負担については、すべての系統利用者(電力会社)が託送料金によって負担するとしている。

 なお増強される90万kWという容量は、大災害の発生後1カ月程度の間の電力需要を支えることを前提としており、さらに210万kWへの増強も検討される。

提言によるFCの増強計画

 地域的に離れている沖縄電力を除く9電力会社は、これを受けて「私ども一般電気事業者9社は、国、関係機関等のご支援を受け賜りながら、今後、具体的な検討を進め、早期のFC増強に全力で取り組んで参ります」と共同のリリースを発表した。

 国内の電力周波数は、50Hzの地域と60Hzの地域に分かれており、相互に送電するためには周波数の変換を行なう必要がある。現在、複数のFCで最大103.5万kWの変換が可能となっているが、東日本大震災時の容量不足を受けて増強を検討していた。

国内の地域間連系設備の現状(2012年4月時点)。周波数の異なる地域を結ぶFCは、北海道本州間と並んで地域間送電のボトルネックとなっている

伊達 浩二