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2年間で“理想のカラダ”を作るオーダーメイド健康サービス
~タニタ・三井不動産・慶大が共同開発
(2013/1/11 00:00)
三井不動産と慶応義塾大学スポーツ医学研究センターとタニタは、2年間で“理想のカラダ”を目指すオーダーメードの都市生活者向け健康サポートサービス「Personal Health Designプログラム」(以下、P.H.Dプログラム)の完成を発表。実証実験として、1月11日より2年間、東京都中央区の住宅群「大川端リバーシティ21」にてサービスの提供を開始する。参加対象者は大川端リバーシティ21西ブロックの居住者で、費用は毎月7,500円。
健康に関するサービスを2年間提供することで、参加者それぞれの“理想のカラダ”の実現を目指す健康サポートサービス。参加希望者は事前準備として身体測定と体力測定を実施し、同サービス専門のコンサルタント「P.H.D.コンサルタント」とともに、「痩せたい」「フルマラソンを走りたい」「若々しくありたい」など各々の目標を設定し、具体的な健康プランが提示される。
参加者にはタニタのネットワーク対応型の体組成計・歩数計などが貸与される。測定したデータは、自動で同社の会員制の健康管理サービス「からだカルテ」にアップされ、体重や体脂肪率、筋肉量などの測定結果が画面上で確認できる。各データの変化の様子はP.H.D.コンサルタントが見守っており、月1回の面談、及びメールや電話などで参加者に対しアドバイスを行なう。
これらの流れを1クール(6カ月)実施し、各クール終了時に、開始前と比較したフィードバックシートを作成。成果を踏まえて、次のクールに向けた新しいメニューを提案、実施し、4クールを終えた時点での“理想のカラダ”を目指す。なお、P.H.D.コンサルタントは、看護師資格を取得したタニタのスタッフとなる。
大川端リバーシティ21には、サービスの拠点となる共有スペース「P.H.D.ラウンジ」が設置される。同ラウンジではP.H.D.コンサルタントによる面談ルームや、参加者同士が集うスペース、タニタ監修による料理やドリンクが味わえるカフェなどが用意される。また、タニタによる料理教室など、定期的なイベントの場としても活用される。所在地は東京都中央区佃1-11-8 大川端リバーシティ21 ピアウエストスクエア ノースウイング1階。利用時間は10時から19時で、定休日は火・木曜日。
個人努力では限界がある。「健康寿命」を伸ばすために自宅でできる健康サービスを
本サービスを始めるきっかけについて、三井不動産 執行役員 アコモデーション事業本部副本部長 賃貸住宅事業部の山本隆志氏は「高齢化が進み、生活習慣病にかかる方が多くなっているが、生活によって引き起こされる疾病のため、生活の内容を見直すことでかなり防げるのではないか。住宅に居ながらも健康になれる、または健康を維持できるプログラムということからスタートした」と説明した。
また、大川端リバーシティ21を実証実験の場として選んだことについては、入居開始から25年が経過し、幅広い年齢層の世帯が居住していることから、本サービスに適した場所と判断したという。2010年には同地で6カ月のトライアルが実施されていた。
今後はサービスを磨きあげて、都市型の賃貸マンションなどにも提供していきたいという。
「三井不動産は街づくりで挑戦を重ねてきた。現在もスマートシティの開発に取り組んでいるが、その中でも重要なキーワードが『健康』。これからの新規の住宅や街、さらにはオフィスにも取り入れられるのでは」(山本氏)
慶応義塾大学 スポーツ医学研究センター 大学院健康マネジメント研究科の小熊祐子准教授は、本サービスによって、日常生活に制限がなく自立して生活期間できる「健康寿命」を伸ばす狙いがあるという。
「日本の寿命は世界一だが、それにともなって医療費も増加しているため、『健康寿命』を伸ばす必要がある。しかし、生活習慣の改善はなかなか実行できず、個人だけの努力では限界がある。そのためには、住まいで健康サポートを行ない、後押しするようなサポートが重要」(小熊准教授)
また、タニタグループのウェブサービス部門を担うタニタヘルスリンクの土志田敬祐取締役は、「参加者の目標や“なりたい自分”は多岐にわたる。目指すところに応じてプログラムを個別に作成する点がポイント。パーソナルヘルスアセスメント(個人の健康づくり)で、ここまでするサービスはない」と、本サービスに対する自信を見せた。