ニュース

パナソニックのスマート家電は環境にも貢献

2012年度のグリーン指標達成に向け着実に成果

パナソニック ものづくり本部 環境・品質センター 環境経営推進グループの立上和男グループマネージャー

 パナソニックは、2012年度上期の環境への取り組みについて、報道関係者を対象に説明を行なった。

 同社では、2012年度のグリーン指標として、4,100万トンのCO2削減貢献目標を打ち出している。内訳は、商品によるCO2削減貢献として、省エネで3,485万トン、創エネで360万トンを目標とし、また生産活動におけるCO2削減貢献では255万トンを目標に掲げている。

2012年は、半期で2,160.2万トンのCO2を削減し、年度目標の4,100万トンの半分を超えた

 2012年度上期(2012年4月~9月)までの実績では、省エネで1,880万トン、創エネで138万トン、生産活動では142.2万トンの合計2,160.2万トンを達成しており、「上期実績では、省エネ、生産活動においては年間計画の半分強、創エネでは3分の1を達成している。商品によるCO2削減貢献では、エアコン、冷蔵庫、照明などが貢献している」(パナソニック ものづくり本部 環境・品質センター 環境経営推進グループの立上和男グループマネージャー)とした。

スマート家電とアプリの連携で、節電に効果も

 同社では、2012年10月からスマート家電の出荷を開始しているが、ここで提供している「Panasonic Smart App」を活用することで、冷蔵庫の開閉回数を見える化し、無駄な開閉を無くし、最適な運転を行なえるようにしているほか、洗濯機では適切な洗剤量や運転時間を設定。エアコンではスイッチの切り忘れ防止が可能になるとしており、こうした取り組みも商品によるCO2削減に貢献しているという。

 また、2012年3月から創蓄連携システムに続き、2012年10月からスマートHEMSの「AiSEG(アイセグ)」を投入したことに触れ、「住まいのエネルギーを見える化することで、節電生活をサポートできる」などとした。

「Panasonic Smart App」を活用することで、冷蔵庫の節電や、エアコンのスイッチの切り忘れ防止などの効果がある
住まいのエネルギーを見える化するスマートHEMSも展開している

 さらに、中国においては、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、空気清浄機の4商品で、十環認証マークを取得。2014年度までに12商品にまで拡大することで、エコナビ商品訴求を加速するという。

製品の製造過程でもCO2削減に貢献

 生産活動におけるCO2削減貢献では、「生産活動における省エネ体質が定着した」と総括し、省エネトップランナー工場の展開や、省エネ診断および省エネ技術研修の実施、CO2イタコナの全社展開、日本国内拠点での節電対応などによる効果が出ているとした。

従業員とその家族も、自主参加で節電に取り組んでいる。2011年冬の参加者数は4,400人だったが、この冬は17,800人に増えた

 「従業員と家族による節電の取り組みでは、2012夏の節電アクションプランにおいて、1万7,800人の社員が参加し、節電率は前年同期比1.8%減を達成した。これによって節電できた量の1%をLED電球に換算し、宮城県のNPO法人に484個のLED電球を寄贈した。2012年12月から2013年3月にかけて、2012冬の節電アクションプランを実施し、この成果をもとに、2013年3月には福島県下の福祉施設などへLED電球を寄贈する予定である」と語った。

 一方、資源循環への貢献では、投入資源の削減、資源の回収および廃棄物のリサイクル、再生資源の活用といった取り組みを行なっていることを示しながら、再生資源利用率は、2012年度上期実績で16.5%に達していることを示した。

 これは2012年度目標の12%以上、2018年度目標の16%を上回るものであり、「目標を前倒しで達成した」という。だが、目標値の上方修正については、「今後の情勢が不透明であり、目標値を修正するかどうかは別の話」として、据え置く姿勢をみせた。

 また、廃棄物リサイクル率も99%以上を目標としていたが、これも99.2%と2012年度目標を達成した。「廃棄物リサイクルでは、欧州、中国、アジアといった海外でのリサイクル率が高まったことが大きく貢献している。リサイクルインフラが整っていない地域において、リサイクル業者を探しだし、国別に細かく対応していった」という。

製品工場においても、新しい資源を使うのではなく、再生資源を活用しているという
廃棄物リサイクル率は99.2%で、欧州、中国、アジアといった海外でのリサイクル率が高まっている

 中国では来年春から杭州のリサイクル工場を稼働させる予定であり、2015年は同拠点で約100万台の年間処理量を計画している。さらに海外では、2012年12月12日から稼働したインド・ハリアナ州の工場をエコアイディア工場とし、水のリサイクル率100%、太陽光発電の利用、廃棄物ゼロ化に取り組むほか、ブラジル、ベトナムの工場でもエコアイディア工場として、地域との連携を進めながら、環境対応を加速しているという。

 そのほか、グループ内において、グリーンファクトリーコンテストを実施。2012年度には30工場から65件の応募があり、優秀事例を横展開していくほか、環境教育を実施するEco Learning Program(ELP)が、2010年にスタート以来、17万人の受講者数を達成し、2013年3月までに20万人の受講を目標としていることなどを明らかにした。

中国では、杭州で来年春から杭州のリサイクル工場を稼働する
東南アジアやインドにおいて、工場見学や出前授業などの環境教育を実施している

 なお、同社では、10月1日付けの組織変更により、環境本部を再編し、モノづくり本部の環境・品質センター内に、環境経営推進グループを置き、新体制で環境に関する活動に取り組んでいる。

 また、パナソニックは、創業100周年を迎える2018年に向けたビジョンを「環境革新企業」と定め、全事業活動の基軸に環境を置いた事業活動を行ない、2018年度には、2005年度からの改善なしと仮定した場合に比較して1億2000万トンのCO2削減貢献量を目指し、総量でのピークアウトを実現するという。

 一方、同社では、2013年12月13日から東京ビッグサイトで開催されるエコプロダクツ2012に出展。「エコ&スマートなくらし」をテーマに、エネルギーの見える化や機器の制御など、家中のエネルギーを管理、節電を行なうスマートHEMSをステージで紹介する。また、スマートエナジー、スマートアプライアンス、スマートHEMSの各展示、子どもたちの環境学習へのサポート拡充の取り組みや、樹脂やガラスのリサイクルなどの循環型モノづくりについても展示する。パナホームが2012年4月から分譲を開始しているスマートシティ潮芦屋の概要についても紹介する予定だという。

エコプロダクツに出展する
子供向けの学習コーナーも用意する
エコプロダクツ2012では、スマートシティ潮芦屋の概要についても紹介するという

大河原 克行