三菱、ラインナップ拡充で屋根への設置容量が増えた太陽電池モジュール

 三菱電機は、ラインナップ拡充により様々な形状の屋根に対応する「単結晶無鉛はんだ太陽電池モジュール マルチルーフ」シリーズを5月10日より発売する。シリーズ中、最も出力が高い「212Wシリーズ」、奥行きを狭くすることで、これまでデッドスペースになっていた場所にも設置可能な「スリムモジュール 168Wシリーズ」、積雪地域対応の「積雪地域対応モジュール」の3製品が用意される。

最も出力が高い「212Wシリーズ」。寄棟屋根などにも設置できるように、長方形、ハーフ、台形(右・左)の3タイプ、4機種を用意する
奥行きを短くすることで、設置性を向上した「スリムモジュール 168Wシリーズ」。スリム長方形、スリムハーフの2タイプを展開垂直積雪量2m以下の地域に設置可能な積雪地域対応モジュール」

 高出力タイプの212Wシリーズは、従来品に比べて出力が2W向上している点が特徴。三菱電機では、工場出荷検査時に公称最大出力値を上回っていることを確認する独自の「プラストレランス基準」を採用しているため、すべてのモジュールが公称最大出力以上を確保しているという。これにより、発電量も増えるため、売電増加にもつながるとしている。

 設置性では、寄棟屋根などにも設置できるように、長方形、ハーフ、台形(右・左)の3タイプ、4機種を用意する。価格は70,560円から142,485円まで。

 最もサイズの大きい長方形タイプ「PV-MA2120J」の本体サイズは1,657×858×46mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は16kg。セル枚数は50枚。公称最大出力は212W。セル変換効率は17.7%。

 スリムモジュール 168Wシリーズは、奥行きを従来より160mm短い698mmにしたことで、設置性を向上している点が特徴。212Wシリーズなどと組み合わせて使うことで、従来デッドスペースになっていた切妻屋根の空スペースも有効に使えるという。たとえば、7,280×10,010mm(縦×横)の切妻屋根の場合、スリムモジュールを使うことで、屋根への設置容量が従来より約30%向上するという。

従来のデッドスペースにスリムモジュールを組み合わせることで、設置容量が約30%増えるという

 形は「スリム長方形」と「スリムハーフ」の2種類を用意。希望小売価格は、順に112,980円、56,490円。

 スリム長方形モジュール「PV-MA1680JW」の本体サイズは1,657×698×46mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は13kg。セル枚数は40枚。公称最大出力は168W。セル変換効率は17.6%。

 積雪地域対応モジュールは、積雪が多い地域への設置を想定したモデル。背面のプロテクションバーやフレームの剛性を高めたことで、積雪荷重は4,800Paまで対応し、垂直積雪量2m以下の地域にも設置可能となった。

 タイプは長方形の「PV-MA2082JS」のみとなる。サイズは1,657×858×46mm(同)で、重量は16.5kg。セル枚数は50枚。公称最大出力は208.2W。セル変換効率は17.4%。

 なお、同社の太陽電池モジュールは、耐候性、耐湿性、密閉性に優れた「3層構造バックフィルム」を採用するほか、フレームやネジ類にも耐蝕性メッキを施しているため、海に近い塩害地域に設置する際も、専用のモジュールや架台などを用意することなく、標準品のまま設置できる。






(阿部 夏子)

2012年4月11日 13:11