NEC、24時間見守りサービスに対応する家庭用蓄電システム

~合計460Wの家電を10時間使用可能
家庭用蓄電システム ESS-H-002006B

 NECは、24時間見守りサービスに対応する家庭用蓄電システム「ESS-H-002006B」を発売する。価格はオープンプライスで、市場推定価格は100万円台。初年度は1万台の出荷を見込む。

 家庭の分電盤に接続して使う、屋外設置型の家庭用蓄電システム。電力会社の電力網や太陽光発電システムと連携し、充放電を安全に制御できる。

 電池容量は5.53kWh。電池には、薄型で放熱性に優れた、同社独自のラミネート型リチウムイオン蓄電池を採用。液晶テレビ、ノートPCおよびルータなど各種機器、冷蔵庫、LED照明12個、携帯電話2台の充電など計460Wを使用している状態で、10時間持つとしている。

 同社では、深夜電力で充電し、昼間のピーク時間帯に給電して電気料金を抑える「ピークシフト」や、停電などの非常時に電力を供給する「バックアップ電源」として利用することを想定している。

正面本体はホワイトを基調としたシンプルなデザイン奥行きは310mmと、薄型化した
平常時は「ピークシフト」で電気料金を節約、非常時は自動で電力をバックアップする

 新製品では、24時間365日のリモートサポートサービスに対応した点が特徴。同社では昨年7月に、一般住宅向けに家庭用蓄電システム「ESS-H-002006A」を販売したが、万が一本体の発熱や不具合があった場合に、すぐに対応してくれるサポートシステムを望む声があったという。

 リモートサポートサービスでは、家庭内のネットワークを経由して、NECのデータセンタに常時接続し、温度や充放電の状況などを見守る。また、電気料金が変わった際などには、遠隔操作で本体のソフトウェアのアップデートしてメンテナンスする。

遠隔操作でメンテナンスするリモートサポートサービスに対応

 設置性を向上させるため、本体は薄型化。奥行きは310mmで、昨年モデルより約30%スリムになった。外装はシンプルで、全面上部は丸みを帯びたスタイリッシュなデザインとしている。

 また、従来モデルでは、システム内部を冷やす冷却ファンを備えていたが、放熱機構を改良し、ファンをなくすことで、動作音を抑えた。具体的な音量の数値は現段階では不明だが、隣接する民家への静音性に配慮したという。

 さらに、リビングなどの室内で、蓄電システムの動作を確認できる「操作パネル」を採用。電力を使い過ぎた時には、「標準モード」から自動的に本システムから電力を一部補う「ピークカット運転」へ、太陽光発電システムとの連携時には、余剰電力を優先的に貯める「グリーンモード」から、余剰電力を売電する「経済モード」へと切り替えがスムーズにできるという。

 本体にはこのほか、「システムコントローラ」が付属する。家庭のブロードバンドルータと接続して、本体とリモートサポートサービスを繋ぐ。

左が操作パネル、右がシステムコントローラコンパクトな操作パネル。サイズは145×22×107mm(幅×奥行き×高さ)操作パネル背面。壁などに取り付けて使う

 入力は100V/200V。出力も100V/200Vで2系統用意される。定格出力は2.0kVA。本体サイズは980×310×1,100mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約160kg。本体は屋外に設置するため、防水、防塵、耐震対応となっている。






(小林 樹)

2012年3月29日 13:54