三菱、小容量でもふっくら炊ける3.5合炊き「本炭釜」

~スクエアデザインに一新。パッションオレンジの本体も

 三菱電機は、茶碗1杯分からふっくらとしたごはんを炊く3.5合タイプのIH式炊飯器「本炭釜 NJ-SW063」を、2012年2月1日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は約6万円前後。

 三菱の高級IH式炊飯器「本炭釜」シリーズの、小容量3.5合炊きモデル。本炭釜は、純度99.9%の炭素素材を削り出した内釜を採用した炊飯器。炭は、一般的な炊飯器で使われている金属多層釜よりもIH方式の炊飯と相性が良く、釜全体が発熱するため、釜底中央部から多くの熱が発生、大きな泡が次々と沸き立つという。この泡が米を押し上げながら通り抜けていくため、米の1粒1粒がふっくらと炊き上げられるという。


3.5合タイプの本炭釜「NJ-SW063」ピアノブラックルビーレッド釜に純度99.9%の炭素素材を削り出した内釜を採用
本炭釜は釜全体が加熱する特徴がある釜内部に大きな泡が次々と沸き立つことで、泡が米を押し上げながら通り抜けていくことで、米の1粒1粒がふっくらと炊き上がるというという
“連続激沸騰”の仕組み。カートリッジでおねばのうまみと蒸気を分離し、蒸らし時にうまみをごはんに還元することで、ごはんをふっくらと炊き上げる

 従来モデル「本炭釜 NJ-KW063」からの変更は、5.5合炊きの本炭釜で採用されていた炊飯方式「連続激沸騰」ができるようになった点が大きな特徴となる。

 連続激沸騰は、沸騰後も火力を落とさずに連続加熱を行ない、うまみをごはんに還元することで、かまど炊きのようなおいしさを引き出すというもの。本製品では、放熱板と一体化した内蔵カートリッジを搭載することで、沸騰時に沸き上がるうまみ成分「おねば」を、カートリッジでうまみと蒸気に分離し、うまみが吹きこぼれない構造とした。これにより、うまみを蒸らし時にごはんに還元し、ごはんをふっくらと炊き上げるという。


右側は従来モデル「NJ-KW063」形も違うが、最も違うのが内フタの放熱板の構造新製品では、放熱板にカートリッジが付属。これで、連続激沸騰が可能になる
新しい本炭釜で炊いたごはん。ふっくらと仕上がっている。試食してみたが、非常に香りが高く、おいしかった釜が炭コーティングの従来モデル「NJ-KE061」の炊きあがり。中央はふっくらとしているが、その周囲は本炭釜ほどふっくらとしていない。これでも十分においしいのだが、ふっくら感と香りでは本炭釜の方が優れている印象だ
新しい本炭釜の放熱部を取り外したところ。カートリッジも放熱部と一緒に洗えるので便利だ従来モデルでは、本体のフタに付いているカートリッジを洗う手間があった
炊飯量に適した火力で炊く「合ピタ」機能。0.5合から3.5合まで、0.5合単位で指定できる

 炊飯モードでは、通常よりも約30分時間をかけて、ごはんの甘みを引き出す「匠芳潤炊き」モードを搭載。同モードでは、予め炊飯量を指定しておくことで、その量に最適な火力で炊き上げる「合ピタ」機能も用意されている。合ピタは0.5合から3.5合まで、0.5合単位で指定できる。同社では“お茶碗1杯分からごはんがふっくら炊ける”としている。

 節電機能では、消費電力を通常と比べて約10%抑える「エコ炊飯」モードを採用。保温では、通常の「一定保温」よりも低めの温度で保温する「たべごろ保温」に加え、炊飯後に自動で保温に移行しない「保温切」機能も備える。同社の調べによると、まとめ炊きをせずに食べる分だけ炊飯し、炊飯器の保温機能を使わないユーザーが増えてきているという。

 なお、上記の炊飯・保温モードを選択した場合、本体のモニターに3段階の節電レベルが、星マークで表示される。例えば「エコ炊飯」と「保温切」を選択した場合は「★★★」となり、消費電力量が通常より約28%抑えられるという。「保温切」の場合は「★★」で、約21%の削減、通常の炊飯で「食べごろ保温」を選択した場合は「★」で、約6%の削減になるという。

節電機能を使う場合、モニターに「★」マークが表示される。出荷時は「たべごろ保温」がデフォルトになっているが、この状態だと星は1つエコ炊飯と保温切を同時に選ぶと、星が3つになる

 本体デザインも大きく変更された。従来は丸みを帯びた、一般的な炊飯器の形状をしていたが、新製品では5.5合炊きの本炭釜シリーズと同様、四角形で構成されたスクエアデザインとした。従来モデルと比べて、設置面積は7%小さくなったという。

 また、液晶画面も大きくなり、文字の高さは従来比で約1.3倍、液晶面積は同比約2.5倍となった。バックライトも搭載されており、同社ではさらに見やすくなったとしている。

 本体サイズは231×289×204mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約4.2kg。最大消費電力は約750W。炊飯メニューは白米/無洗米/発芽米/玄米/おかゆ/すし/炊き込み/おこわ。本体カラーはピアノブラックとルビーレッド。

 なお同社によると、3.5合タイプのIH炊飯器の標準的な価格帯は2万円台とのこと。実売6万円という高価な製品は、現在のところ市場には見られない。

従来モデルからモニターも大型化された(写真は炭炊釜の新製品と比較)5.5合タイプでは搭載されていなかった取っ手も付属。これは小容量ということで、持ち運んで使う機会が増えることを想定しているとのこと
釜に炭コーティングの厚釜を採用した「炭炊釜 NJ-SE063」も同時に発売する。こちらもスクエアデザインを採用

 3.5合炊きの下位モデルとして、釜に炭コーティングの厚釜を採用した、スクエアデザインの「炭炊釜 NJ-SE063」も、同時に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は3万円前後。

 炭炊釜では本体カラーに、炊飯器ではあまり見られない「パッションオレンジ」カラーを採用している。これは、シリコンケースやフライパンなど、キッチン用品に多く採用されているオレンジと合わせたものという。このほか、ピュアホワイト、ロイヤルネイビーも用意される。

 今回発売される3.5合炊きの炊飯器には、同社の5.5合炊きの最上位シリーズ「蒸気レスIH 本炭釜」で採用されている蒸気カット機構は、いずれも採用されていない。

新色として、シリコンケースやフライパンなどで採用されているオレンジカラー「パッションオレンジ」を採用しているピュアホワイトロイヤルネイビー





(正藤 慶一)

2011年12月7日 14:58