東芝、洗濯が予定時間ピッタリで終わるドラム式洗濯乾燥機

~新・アクティブサスペンション搭載「ZABOON」
「ZABOON(ザブーン) TW-Z9200」とイメージキャラクターを務める女優の天海祐希さん

 東芝ホームアプライアンスは、予定時間通りに洗濯が終わるドラム式洗濯乾燥機「ZABOON(ザブーン) TW-Z9200」を11月中旬より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は30万円前後。それぞれ右開き、左開きモデルを用意する。

 洗濯容量9kg、脱水容量6kgのドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」の新モデル。ヒートポンプを搭載した省エネ性能の高い製品で、ドラムの振動を吸収するサスペンションの柔らかさを、磁力によって変化させる「アクティブサスペンション」を搭載している点が特徴。

製品本体。左からピンクゴールド、ホワイトシルバー扉を開けたところドラム槽内
操作パネルクリアモデル洗剤投入口

 TW-Z9200では、アクティブサスペンションの機能強化により、洗濯時間を予定どおりに終えられるようになったという。同社の調査によると、ドラム式洗濯乾燥機ユーザーの不満点として、「洗濯時間が長い」「エラーが出て途中で止まってしまう」などの声が多かった。これは、本体運転中の衣類の片寄りにより、振動が大きくなるため、脱水のやり直しや衣類のほぐし運転を行なうためだという。

ドラム式洗濯乾燥機の不満点として時間を挙げたユーザーが多かったという

 新製品では、これらの問題を解決するために、ドラム槽の振動を吸収するサスペンションを改良。内部に電磁石と磁力を与えると粘性が高まる「MR流体」を内蔵し、磁力の変化によって、サスペンションの柔らかさを工程に応じて変更する。

 従来機種のサスペンションでは、工程に応じてサスペンションの硬さを変えていたが、新・サスペンションでは、ドラムの横揺れや縦揺れによる振動も吸収。ドラムが回転するたびに発生する振動を抑えるために、ドラムが1回転する間にサスペンションの硬さを4回切り替える「能動制御」を行なっているという。

 これにより、9kg洗濯時にかかる時間は約30分と短縮されたほか、洗濯時間はコースの予定時間通りに終了するという。

サスペンションとはドラムが回転する際の振動を抑えるための緩衝装置のこと衣類の片寄りを検知してサスペンションを制御するサスペンションはドラム槽の下に配置されている

 洗浄機能では、ドラムを高速回転し、衣類を広げながら洗う「遠心洗い」を搭載。ドラム上部から高圧のダブルシャワーを衣類に当てることで、洗剤液の浸透を良くする「高圧ダブルシャワー」と組みあわせることで、洗剤液を素早く浸透させるという。

 また、同社独自の「ピコイオン」で、衣類の除菌・脱臭を行なう専用コースを設ける。ピコイオンとは、微細な水に包まれたOHラジカルのこと。皮靴やスーツなど水洗いできないものの除菌・消臭を行なうほか、洗濯槽のカビの繁殖を抑えることもできるという。

ドラムを高速回転する「遠心洗い」を搭載同社独自のピコイオン機能を搭載する。ぬいぐるみやスーツの除菌・消臭ができる
本体に搭載しているヒートポンプ

 乾燥機能では、乾いた温風を衣類に当てて乾燥する「ヒートポンプ除湿乾燥」を搭載。ヒーター乾燥方式に比べて低温の約60℃で乾燥するため、衣類の縮みや傷みを抑えて仕上げることができるという。また、新たなコースとして、乾燥シワや乾きムラを抑えた「上質乾燥」コースを搭載。乾燥風量が通常コースより約20%多いほか、ドラムの反転速度を早めることで、衣類の重なりを広げながら乾かすという。

 省エネ性では、ヒートポンプを強化。熱交換器の効率アップ、制御の最適化、コンプレッサーの高効率化などを行ない、消費電力量は“業界トップクラス”の665Wh(6kg洗濯~乾燥時)を実現した。

 さらに、センサーで布量・布質・温度を感知し、最適な制御を行なう「エコモード」を選択することで、最大約7%の節水運転にも対応する。

 節電ニーズに応える新機能としては、汚れの少ない衣類などを濃縮洗剤などで洗う時に便利な「節約コース」も新たに搭載した。標準コースに比べ、運転時間が短く、電気/水道/洗剤などを含めたランニングコストが約4割節約できるという。

 そのほか、使用電力がひっ迫しているなどの情報が流れた場合、本体の運転を一時停止できる「ピークシフト」機能、ドラムの回転数を抑えて使用電力を抑える「ピークカット」機能を新たに搭載する。ピークシフト機能は最大8時間までの一時停止に対応する。

 本体サイズは、655×714×1,040mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約80kg。運転音は洗い時31dB、脱水時38dB、乾燥時42dB。

 ピコイオン除菌、大型液晶パネルなどを省略した下位機種「TW-Z8200」も同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は26万円前後。

省エネに使いやすさと基本性能を

取締役社長 石渡敏郎氏

 東芝ホームアプライアンスでは、洗濯機や冷蔵庫などを含む白物家電製品のコンセプトとして「ママゴコロ」を掲げる。これは、「重労働である家事の負担を少しでも減らす」という東芝創業以来の想いを表すものであるという。

 取締役社長 石渡敏郎氏は、震災以降、省エネ・節電性能が重視されていることを指摘。同社のレンジ、エアコン、炊飯器、冷蔵庫、洗濯機の5製品の場合、消費電力量は5年前の製品と比べると約42%削減(5製品合わせた場合)されているという。これは金額に直すと年間31,400円に当たり、家電製品を買い替えるだけで、省エネ・節電ができるということを改めてアピールした。

 その一方、使いやすさや基本性能を重視するユーザーも増えているという。石渡社長は「家族のきずなを考える人が増えたから。ママゴコロ家電は、生活者の目線に立ったモノづくりを心掛けている」と話した。

 また、レアアースや原料高騰による価格変化については「今年は企業努力として、価格は据え置きとしたが、今の状態が続けば来年はどうなるかわからない」とコメントした。

東芝の白物家電のコンセプトは「ママゴコロ」最新家電製品は、5年前の製品と比べると約42%も消費電力が少ないという




(阿部 夏子)

2011年9月29日 17:55