三洋、オゾンで洗う洗濯乾燥機“AQUA”に縦型登場

 三洋電機は、衣類をオゾンで洗う縦型洗濯乾燥機「AQUA(アクア) AWD-TQ900」を5月21日より発売する。希望小売価格は21万円。

AQUA AWD-TQ900フタを開けた状態
本体上部の操作パネル(右)本体上部の操作パネル(左)

 「水を大切に想う」をコンセプトとした洗濯機「AQUA」シリーズの新製品。AQUAシリーズは、これまでドラム式洗濯乾燥機のみをラインナップしてきたが、AWD-TQ900はシリーズ中初の縦型洗濯乾燥機となる。同社では、縦型を新たにラインナップに加えた理由として、ドラム式に比べ市場の需要があることを理由に挙げている。AQUAシリーズでは、独自のオゾン技術を用いた洗浄方法や、風呂水を再利用した節水機構が特徴。

 まず、洗浄力の面ではオゾンを用いて、衣類の除菌・消臭を行なう「エアウォッシュ機能」を搭載する。これは洗濯機で洗うのが難しいスーツやジャケット、シルクのスカーフにオゾンを吹き付けることで、衣類の消臭、除菌を行なうというもの。

 同機能はドラム式の従来機種にも搭載されていたが、AWD-TQ900では縦型ならではの洗濯槽の形状を活かし、衣類を専用のハンガーに掛け、洗濯槽に吊り下げるハンガー方式を採用。吊り下げて除菌することで、折りジワが防げるほか、衣類のすみずみまでオゾンが行き渡るという。また靴やバッグなどは洗濯槽の底に置いて使用する。

縦型の洗濯槽の形を活かしハンガーを用いた方式を新たに採用したぬいぐるみやバッグなどは洗濯槽底に置いて使用する
ハンガーを用いることで、折りジワを防ぐことができるという本体にセットした様子

 洗濯工程では、洗濯槽と洗濯槽底のパルセーターを異なる方向に回転させることで、衣類を効率的に入れ替え、洗いムラを抑える「おどり洗浄」を採用したほか、すすぎ工程にオゾンを加えたオゾン水を使用することで、皮脂汚れを分解し、衣類の黄ばみを抑える「オゾンすすぎ」を搭載する。


洗濯槽と洗濯槽底のパルセーターを異なる方向に回転させる「おどり洗浄」の様子
冷却水を使用せずに外との温度差を利用して除湿する空冷式除湿方式を新たに採用した

 また従来縦型洗濯乾燥機は、ドラム式洗濯乾燥機に比べ、水をたくさん使うというデメリットがあったが、同社独自の技術であるオゾン技術を搭載することで、節水性も大幅に向上したという。同社が扱う縦型洗濯乾燥機(AWD-E105ZB)に比べ、洗濯時の使用水量は約21L、乾燥工程時の使用水量は約5L少なくなっている。また、風呂水を利用した場合、洗濯~乾燥工程時の水道水使用水量は5Lとする。

 まず、衣類乾燥時に節水性の高い空冷式除湿方式を新たに採用した。洗濯乾燥機の衣類乾燥方法には、機内の湿気を外に出す「排気乾燥方式」と、湿気を機内で取り除く「除湿乾燥方式」の2種類がある。

 マンションなど限られたスペースの設置場所の場合、湿気が室内にこもりにくい除湿乾燥方式が好まれているという。従来、除湿乾燥方式では除湿に水を用いていた。AWD-TQ900で新たに採用した空冷式除湿方式では、冷却水を用いずに外気との温度差により湿気を除湿する。これは、洗濯槽外側に設けられた熱交換部分に外気を送り込むことで生じる、槽内との温度差を利用して湿気を結露させるもので、これにより、乾燥工程に使用する冷却水はゼロになったという。

 また、風呂水をオゾンで除菌して洗濯に利用する「アクアループダイレクト」機能を従来機種より継承する。アクアループダイレクトは本体上部に設けられた吸水パイプの途中で、オゾンを注入し、除菌した風呂水を洗い工程だけでなくすすぎ工程にも用いるというもの。縦型の洗濯機の場合、衣類を水に浸して洗濯するため、ドラム式よりたくさんの水を使用する。このため、吸水パイプ途中で、注入するオゾンはより水に溶けやすいマイクロバブル化したオゾンを使用するという。

風呂の残り湯をオゾンで除菌して洗濯に利用するアクアループダイレクトすすぎ工程の水にも、皮脂分解などが期待できるオゾン水を使用する

 本体サイズは、616×640×1,015mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約47kg。洗濯容量9kg、乾燥容量は5kg。洗濯工程時の消費電力は260W、標準使用水量は118L。洗濯乾燥工程時の消費電力は1,000W、標準使用水量は95L。脱水時の運転音は約38dB。本体カラーはアクアホワイト。

洗濯容量8kg、乾燥容量4.5kgの「AWD-TQ80」

 下位機種としてアクアループダイレクト機能を省略した「AWD-TQ80」を同時発売する。希望小売価格は178,500円。洗濯容量は8kg、乾燥容量は4.5kg。本体カラーはナチュラルホワイト。





(阿部 夏子)

2010年3月25日 17:01