三洋、残り湯利用で使用水量5Lの4代目“AQUA”

 

AQUA AWD-AQ4000
 三洋電機は、風呂の残り湯を利用した場合で、水道水の使用水量が5Lになったドラム乾燥機「AQUA(アクア) AWD-AQ4000」を6月1日より発売する。希望小売価格は283,500円。

 AQUAは“水を大切に想う”というコンセプトのもと開発されたドラム式洗濯乾燥機。節水のため、水流による洗浄に頼らずに、電気で発生させたオゾンを用いた洗浄方法を搭載しているのが特徴。空気に電気を通すことで生成されるオゾンには、酸素系の漂白剤と同じような効果があり、衣類の中の有機物に反応して分解する働きがあるという。なお、衣類に含まれる代表的な有機物質には皮脂の汚れなどがある。

 本体にはオゾン発生器が搭載され、すすぎ工程中にオゾンを用いる「オゾンすすぎ」や、風呂水の残りをオゾンで除菌してから用いる「アクアループダイレクト」、水を使わずにオゾンだけで衣類の除菌・洗浄を行なう「オゾンウォッシュ」などオゾンを用いた複数の洗浄方法が搭載されている。

 

“水を大切に想う”というAQUAの開発コンセプト
AQUA AWD-AQ4000洗剤投入ケース。本体左上部に設置されている

操作パネルドラム内部靴やバッグなど通常は洗えない物をオゾンで洗浄する「オゾンウォッシュ」が搭載されている
 AQUA4代目となるAWD-AQ4000では、従来機より節水機能を高め、更に洗濯時間を短縮するために洗濯工程の見直しと、新型のオゾン発生器を新たに搭載した。これにより、衣類9kgを洗濯するときにかかる時間は39分、使用水量は約68Lに削減した。同社によるとこれらは“業界No.1”の洗濯時間と節水能力になるという。
 

シャワーを用いたすすきで洗濯時間を大幅短縮

 

従来機種とAQ4000の洗濯工程の違い
 洗濯時間を短縮するために、まず洗濯工程の見直しを図った。

 従来のドラム式洗濯乾燥機では、衣類同士が絡んでしまうため、洗い工程の後、いったん衣類をほぐす必要があった。そのため最終的な脱水までに軽く衣類を脱水する「中間脱水」という工程があった。このため縦型洗濯機に比べ、洗濯時間が長かったという。

 AWD-AQ4000では中間脱水工程を省略するため、ドア上部から水を噴射させる「高速シャワーすすぎ」を新たに採用した。これはドラムを高速回転させながらシャワー状の水を噴射させることで、水をためてから衣類をすすぐ「ためすすぎ」に比べ、効率よく衣類に水が浸透するという。

シャワーすすぎの採用によって洗濯時間の大幅短縮が可能になった
シャワーは蓋上部から噴出される蓋部分。シャワーは蓋部分の凹凸にあたり反射して槽内を循環する




高速シャワーすすぎの実演。上部から勢いよく水が噴出される。動画中ではフタ中央に穴が開いたデモ機を使用している

 オゾン発生器の改良で濃度は2倍、時間は短縮

 AWD-AQ4000では、オゾンを用いた様々な洗浄方法を搭載しているが、これらの時間を大幅に短縮させ、さらに性能を向上させるために新型のオゾン発生器を新たに搭載した。

 従来のオゾン発生器ではオゾンを生成する電極部分に「面」を採用していた。そのため、電気を流しても、面に触れない空気があり、効率が悪かったという。新型のオゾン発生器では、電極部分を「筒型」に改良。筒内部で放電が行なわれるため、空気が逃げずに、効率よくオゾンを生成できるようになった。これによりオゾン濃度は従来の2倍になり、生成スピードも向上したという。

新型オゾン発生器。上部に組み込まれている筒状の物が電極部分旧型のオゾン発生器。中央のブルーの板状のものが電極部分筒状の電極を使用した場合のイメージ。水色の液体が空気。筒状になっていることで電極に触れない部分がほとんどない

 

旧型と新型のオゾン発生器の違い
新型のオゾン発生器採用でオゾン濃度は従来の2倍、生成速度は従来の約1/2に短縮された
 

新型オゾン発生器と旧型オゾン発生器の汚れを取るスピードをイメージした実験。右側が新型オゾン発生器を使用した場合。水の色が徐々に薄くなっていくのがわかる

 オゾンを用いた「オゾンすすぎ」では従来、2工程に分けて行なっていたオゾンすすぎ工程を1回に短縮している。

 

オゾンすすぎでは洗剤で落ちなかった皮脂汚れなどを落とす効果があるというオゾンすすぎで1年前に洗濯したシャツ。袖口などはほぼ白い状態に保たれている-オゾンすすぎを使わなかった場合のシャツの袖口。洗濯直後は目立たないが1年ほど経つとこのような黄ばみが出てくるという

 風呂の残り湯を利用する「アクア・ループダイレクト」では、洗濯工程の使用水量の低減に加え、アクアループ・ダイレクトの給水ポンプと、初期給水工程の見直しにより、水道水の使用水量を従来の7Lから5Lに低減した。


 また、水を使わずにオゾンで洗浄する「オゾンウォッシュ」もオゾン発生器の改良によって、約15分で「除菌・消臭」が可能になった。また、花粉症対策などに好評の短時間で除菌を行なう「クイック消臭」も、従来の10分から8分に短縮された。

 

風呂の残り湯を使用するアクアループダイレクトで洗濯した場合水道水の使用量は約5L
新型のオゾン発生器の採用によりオゾンウォッシュの時間も大幅に短縮された
 そのほか洗浄コースとしては、洗剤を使わずにあらう「洗剤ゼロコース」、靴やぬいぐるみなどをあらう「棚乾燥コース」などが搭載されている。

 本体サイズは、636×698×1,119mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約79kg。洗濯時の使用電力は210W、乾燥時の使用電力は1,100W。右開き、左開きの2タイプが用意される。本体カラーはブリリアントシルバー、エレガンスホワイトの2種類。



(本誌:阿部 夏子)

2009年4月3日 14:00