ダイキンの光速ストリーマ技術、高速バスに搭載


バス用光速ストリーマ除菌ユニット
 ダイキン工業は、バス車内のウイルス除去システムとして、同社の除菌技術「光速ストリーマ」を利用した「バス用光速ストリーマ除菌ユニット」を開発。12月より、東京―岡山間を結ぶ両備ホールディングスの高速バスに搭載されると発表した。同技術が異業種に展開されるのは、今回が初となる。

 「光速ストリーマ」は、ダイキンの空気清浄機などに搭載されている除菌技術。空気清浄機内部の「ストリーマ放電」により放出された高速電子が、空気中の窒素や酸素と合体して強力な活性種に変化、この活性種の働きにより、空気中のウイルスや菌、アレル物質などを分解・除去する効果がある。9月には、ベトナム国立衛生疫学研究所との共同研究により、新型インフルエンザウイルスを4時間で100%除去すると発表された。

光速ストリーマは、同社の家庭向け空気清浄機などに搭載されている除菌技術。写真は放電中のようす
 今回の「バス用光速ストリーマ除菌ユニット」は、バスの既存の空調ダクトに設置する、バス専用の除菌ユニット。空調の吸込口に設置したフィルターにウイルスを吸着させ、放電部から放出される高速電子によりウイルスを除去するという仕組みになっている。同社の調べによると、車内に浮遊する菌を約6分で除去、フィルターに捕らえたウイルスも約1時間で除去できるという。

 同ユニットは送風だけの運転もできるため、冬や夏の冷暖房期以外でも利用可能。また、フィルターによりニオイや花粉除去効果も発揮するという。

 同社では今回のバス用ユニットに続き、今後も「光速ストリーマ」システムを他の交通機関など様々な用途に展開していくとしている。

ユニットはバスの空調ダクトに設置する

バス車内に漂う浮遊菌に対する効果。約6分で除去できるというフィルターに捕獲したウイルスは、1時間で除去できるという


「バス用光速ストリーマ除菌ユニット」の内部構造両備ホールディングスの高速バス車両。東京と岡山を結ぶ便に同ユニットが搭載される光速ストリーマ技術が異業種に採用されるのは今回が初となる。写真は、同技術が搭載されている、空気清浄機の最新モデル「うるおい光クリエール MCK75K」




(正藤 慶一)

2009年11月26日 13:51