三洋、脱臭スピードが約3倍になった業務用空気清浄機

空間清浄システム 据え置きタイプ VW-SF10C。左から三洋電機 空調事業部 事業部長 星野典正氏、三洋電機 コマーシャルカンパニー 冷熱技術開発センター VWプロジェクト 樂間毅氏

 三洋電機は、業務用の空気清浄機「空間清浄システム 据え置きタイプ VW-SF10C」を11月11日より発売する。希望小売価格は546,000円。

 水を電気分解した際に生じるOHラジカル、次亜塩素酸といった物質で、空気中に漂うウイルスや菌を抑制する「ウイルスウォッシャー」機能を搭載した加湿空気清浄機。同社では、家庭だけではなく不特定多数の人が集まる大規模施設でも空気清浄システムが必要として、2006年より業務用の空気清浄機を販売している。VW-SF10Cは、その2代目となる製品。

空間清浄システム 据え置きタイプ VW-SF10C本体正面本体側面

 新製品では、脱臭スピードを早くするため「給排水一体タンク」システムを新たに搭載した。給排水一体タンクシステムでは、これまで別々に設けていた給水タンクと排水タンクを一体にして、今まで廃棄していた排水タンク内の水を循環水として再利用するというもの。これにより循環種の容量が増加し、水に溶解する臭気成分の許容量が増えたとして、臭気処理量が向上したという。

 また、運転モードでは「パワフル脱臭モード」を新たに搭載した。これは、循環水中の次亜塩素酸の濃度を上昇させることで、循環水中に溶解させた臭気成分を素早く分解除去するというもの。これにより、従来60分で10%程度しか減らなかった臭気が、新機種では20分で10%程度軽減されるとして、脱臭スピードが従来の約3倍になったとする。

脱臭スピードを早くするため、給水タンクと排水タンクを一体にした給排水一体タンクを新たに採用した脱臭スピードは従来の約3倍になったとする
 また、使いやすさも向上した。従来機種では、電解水中の塩化物イオンを一定濃度に保つため、定期的に塩をタンクに入れる必要があった。VW-SF10Cではこの手間を無くすために、食塩水をあらかじめタンクに入れておくだけで、食塩不足時に自動でタンクに食塩水が投入される食塩水自動投入装置を新たに搭載した。

 食塩水を補給する必要はあるものの、回数は1年に1回程度。同社が業務用製品向けに行なうメンテナンス時に調整するため、ユーザーが塩を補給する必要がなくなった。また、塩化物イオンの濃度が常に一定に保たれるため、ウイルスウォッシャーの機能も持続的に発揮できるとする。

 また給排水一体タンクを搭載したことで、給水と排水を同時に行なうことができるようになった。そのほか、運転モードでは、1・2・4・8・10時間のオフタイマーモードを追加した。
塩を自動的にタンク内に投入する「食塩水自動投入装置」など使いやすさに配慮した新しい構造を採用する給排水一体タンク採用のため手間が一度で済むという操作パネル。切タイマーモードを新たに搭載した

 除菌方式は従来機種と同様、除菌エレメント方式を採用する。除菌エレメント方式は、電解水を浸透させたエレメントに室内の空気を通過させることで空気中に浮遊するウイルスなどを取り除く方式で、エレメント内に空気を一度通過させるだけで除菌できるため広い空間に向くという。

広い空間清浄に向いた除菌エレメント方式を採用する本体に搭載された除菌エレメントシステムのモデル

 なお、同社の業務用空間清浄システムは、これまでにワーナーマイカルシネマズのような映画館のほか、銀行、病院や学校などで導入されている。

三洋電機株式会社 空調事業部 事業部長 星野典正氏

 三洋電機株式会社 空調事業部 事業部長 星野典正氏は、業務用の空間清浄システムについてこれまでの導入類を挙げ「いずれもお客様から好評を頂いている」とし、更に「空気清浄はこれまではサービスの一環として捉えていたが、今では“危機管理”の1つでもある」とし、昨今の新型インフルエンザの流行などを例に挙げ製品をアピールしていた。

業務用空間清浄システムは病院や銀行など様々な場所で導入されているという導入後の感想はいずれも好評だったという




(阿部 夏子)

2009年10月13日 15:56