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左から三洋電機 取締役副社長の本間充氏、ワーナー・マイカル 専務取締役の岡村正郎氏
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三洋電機株式会社は、全国にシネコンを展開するワーナー・マイカル・シネマズの全劇場に空間清浄システムを、興業会社としては独占的に提供する契約を結んだ。全劇場の半数に当たる26劇場の235スクリーンを対象に、2011年8月末まで段階的に導入する。独占契約期間は1年間。
今回、導入されるのは大規模施設向けの空気清浄システム。劇場の天井に浄化ユニットを組み込み、エアコンから吹き出す空気を浄化する。水を電気分解して生じた物質を飛ばし、空気中に浮遊するウイルスやカビ菌などを無力化する「ウイルスウォッシャー」技術を用いた。
劇場は不特定多数の人が集まる密閉空間。ワーナー・マイカルによると子供連れの客も多く、インフルエンザやノロウイルスが蔓延する冬場などは特に、きれいな空気へのニーズが高いという。一方で三洋電機も総合家電メーカーから、空気や水の浄化システム、太陽電池などをコアとする、環境・エネルギー企業への脱皮を図っており、両社の協業に結びついた。
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システムのイメージ。足下から吸い込んだ空気を浄化し、天井からシャワーのように吐き出す
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ウイルスウォッシャーのロゴを入り口などに付け、きれいな空気の劇場であることをアピールする
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導入スケジュール
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ワーナー・マイカル 専務取締役の岡村正郎氏は「劇場は人が多く、ほこりっぽいというイメージがあった。2006年春にウイルスウォッシャーを知り、2年間、三洋とともに開発してきた。安心できる環境の提供は義務。きれいな空気で差別化を図りたい」とコメント。
一方の三洋電機 取締役副社長の本間充氏は「ワーナー・マイカルは米国とのつながりも深い。力を借りて、映画の巨大マーケットであるアメリカへなるべく早く進出したい」と海外展開への意欲を見せた。
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ウイルスウォッシャー技術を用いた民生用機器。劇場に導入されるのは天井に埋め込むタイプのもので、これとは異なる
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ウイルスウォッシャーのデモ。赤い色が汚れに見立てた成分。右が電解水をしみこませたフィルター。右の方は汚れが分解され、色が薄くなっている
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劇場でも、きれいな空気へのニーズは高い
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試験導入の結果、83%のウイルスを除去できたという
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電解水技術のしくみ。ウイルス、菌類だけでなくニオイにも効果がある
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三洋は、空間清浄システムを保育園や学習塾、レストランなどへも展開したい考え
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■URL
三洋電機株式会社
http://www.sanyo.co.jp/
ニュースリリース
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0806news-j/0602-1.html
株式会社ワーナー・マイカル
http://www.warnermycal.com/
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( 本誌:伊藤 大地 )
2008/06/02 16:14
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