三菱、連続沸騰で旨み成分が向上した炊飯器

炭炊釜 NJシリーズ

 三菱電機は、米の旨み成分を引き出す連続沸騰加熱を搭載したIH式炊飯器「炭炊釜 NJシリーズ」を8月1日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、5.5合炊きの「NJ-UX10」が6万円前後、1升炊きの「NJ-UX18」が63,000円前後。

 加熱効果と遠赤効果を高めるため、本体の胴周りと内蓋に「炭コート」を施したIH式炊飯器「炭炊釜」シリーズの最新機種。NJ-UXシリーズでは、米の旨み成分をより引き出すために、同社の上位機種「蒸気レスIH」に搭載されている連続加熱の技術を、新たに搭載したのが特徴。

 同社によると、本来、米を上手く炊くためには、一度米が沸騰したあと連続して加熱を行なうことが重要だという。従来、炊飯器では、沸騰後の吹きこぼれを防ぐため、加熱時の通電を間欠的に行なっていため、連続的な沸騰状態を維持することができなかった。NJ-UXシリーズでは、米の旨み成分を更に引き出す連続加熱を行なうために、吹きこぼれを受け止めるカートリッジを天面に設けたのが最大の特徴。

 吹きこぼれを受け止めるカートリッジは従来機種より搭載されていたものだが、NJ-UXシリーズでは、容量300mlの「特大うまさカートリッジ」を新たに採用した。カートリッジの容量が増えたことで、吹きこぼれを気にせず、沸騰後も火力を落とさない連続通電が可能になったという。同社では、これを「連続大沸騰」としている。また、沸騰時の吹きこぼれには、多くの旨み成分が含まれているとし、カートリッジに一度溜められた吹きこぼれは、蒸らし工程で釜内に戻される。

本体天面に搭載されている「特大うまさカートリッジ」カートリッジで吹きこぼれを受け止めるため連続通電が可能になったという

 また、「もっちり」「しゃきしゃき」などの食感を従来より分かりやすく炊き分けるため、米の吸水工程を変更した。NJ-UXでは、米の水分含有率を調節するために吸水工程で超音波を発生させ、超音波の強さによって米の水分含有率をコントロールする「可変超音波吸水」を新たに搭載した。超音波は、内釜の底に搭載された加熱コイルと超音波リングによって発生し、内釜に微振動を加える。この微振動によって、米の表層部が水に溶け、米の芯まで吸水しやすい構造になるという。

 

超音波によって米の水分含有率をコントロールし、食感を炊き分ける
 

 そのほか、炊飯モードでは大火力制御を活かした「リゾット専用モード」を搭載した。炊飯開始直後から強い火力を維持できるため、芯が残ったアルデンテ風のリゾットを楽しめるとする。リゾット専用モードでは米を研ぐ必要がなく、約20分で調理が終わるため手軽に調理が楽しめるほか、普通のごはんに比べカロリーが低くヘルシーという利点があるという。

リゾットの調理例

 5.5合炊きの「NJ-UX10」の本体サイズは、259×365×234mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は6kg。最大消費電力は1,270W。

 なお、下位機種として可変超音波吸水を省略した「NJ-UV」シリーズ、可変超音波吸水、リゾット専用モードを省略した「NJ-UE」シリーズを同時発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は5.5合炊きの「NJ-UV10」が4万円前後、「NJ-UE10」が3万円前後。





(阿部 夏子)

2009年7月3日 00:00