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日立「ビッグドラム」手間なくして節電と時短もできる理由とは?
2024年11月13日 10:05
日立グローバルライフソリューションズが10月より順次発売している「ビッグドラム」。もともと手間の少ないドラム式洗濯乾燥機において、メンテナンスの部分をさらに改善して使い勝手を高めているのが特徴だ。
2024年度の最上位モデル「ビッグドラム BD-STX130K」は、乾燥フィルター不要かつ大容量糸くずフィルターによる「らくメンテ」が進化したほか、賢く効率よい洗濯を可能にする「洗濯コンシェルジュ」や「AIお洗濯」の機能強化などが魅力。実際にどんな部分で役立つのか、話を聞いてきた。
らくメンテがもっとラクに
2022年のモデルから搭載している「らくメンテ」は、乾燥時のホコリや糸くずを次の洗濯運転時に洗い流し、大容量糸くずフィルターへ集約して手入れの手間を軽減するもの。
新機能の「らくメンテ洗浄」コース(槽洗浄4時間)は、洗濯槽だけでなく乾燥経路(保護フィルター/熱交換器)やドアパッキンなど洗濯機内部まで、念入りに手入れできる。そのため乾燥効率の低下を従来よりも抑えることもなり、省エネにつながる。
こうした洗浄機能は、いつどんなタイミングで使えばいいかわからないと思う人もいるだろう。BD-STX130Kは上記の槽洗浄4時間コースを使ったほうがいいタイミングで、搭載する大型液晶画面に通知してくれる。洗濯の頻度や洗濯物の種類は家庭によって違うため、使用状況に応じて適切なタイミングでお知らせしてくれるのが利点だ。
なお、大型液晶を搭載しないモデル「BD-SX130K」などでも、操作部のインジケーターで、同コース使用を推奨するタイミングを通知してくれる。
そのほか、大容量糸くずフィルターのメッシュ部分も丸みを持たせたラウンド形状へ変更。ゴミがたまってきた時も、従来の平らな形状よりも隅にゴミなどが残りにくく、手入れをしやすくなっている。この形状はSTX/SX/SW/SVシリーズに採用されている。
化繊の服は乾燥時間を短縮してより時短&省エネ
ファストファッションの浸透などで、綿よりも化学繊維の衣類を着ることが増えた人も多いだろう。洗濯物のなかにこうした化繊衣料が多い場合は、綿よりも早く乾く傾向があるため、新モデルでは自動で判別して乾燥の運転時間を短縮する機能が追加された(STX/SXシリーズ)。化繊の傷みを抑えつつ、電気代の節約にもつながる。
化繊と綿を見分ける方法については、特に操作は必要なく「ドラムが回転する時の抵抗値を見て自動で識別している」とのこと。これまで洗濯時にも使われていたが、新たに乾燥にも適用することで、より時短かつ省エネになる。スポーツウェアや、速乾ウェアなどを頻繁に洗う人にもうれしい機能といえそうだ。
P&Gの洗剤とコラボ。洗濯コンシェルジュもより賢く、長く使える家電に
もう一つ、肝心な洗濯機能においての注目点は、P&Gと共同開発した「アリエール MiRAi 高濃度洗浄」コースの新搭載。高濃度洗剤液で洗う日立の「ナイアガラ洗浄」を標準コースより長くすることで、アリエールMiRAiの洗浄力を引き出し、落としにくい食べ物の油汚れに効果的という。このコースは「洗濯コンシェルジュ」アプリのSTX/SXシリーズ向けのダウンロードコースに追加された。
このダウンロードコースのように家電がスマホ(ネット)につながると、より最新状況に合わせたり、ユーザーごとの使い方に合った機能追加ができて、結果的に長く使い続けやすくなる。
一般的に“洗濯機のソフトウェアや機能をユーザーが自分でアップデートする”行為は、スマホやパソコンなどに比べてあまりイメージしにくいかもしれないが、実は頻繁に使う家電だからこそ、あると安心な機能といえる。
これまでの最上位STXシリーズは、メーカーからの本体ソフトウェア更新が提供された場合、洗濯などの運転終了後にアップデートすることが可能だった。これを他のモデルにも拡充し、より手頃な価格のSX/SWシリーズでも、更新があった場合は運転後に「リモート」ボタンを押すとアップデートできるようになった。使う人が複雑な操作をしなくても、最新の状態に保てるのは、細かいながらも確かなメリットだ。
日立のドラム洗濯機といえば、シワを抑えて乾かす「風アイロン」が特徴的で、これに省エネなヒートポンプを組み合わせた「らくはや 風アイロン」へと進化(STX/SXシリーズ)してきた。2024年度モデルの機能強化はそれらに比べると目立ちにくい部分ながら、省エネや手間の削減など、いま求められるものに合わせて着実に進化していることが今回の取材で分かった。
最上位モデルBD-STX130Kの場合は店頭予想価格38万円前後と、価格もハイエンドではあるものの、長く使い続ける家電と考えると、より選びやすいモデルへ進化したといえそうだ。