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パナソニック家電は買い切り中心から脱却へ。アプリにつなぐと保証期間を延長

「IoT延長保証サービス」の対象家電

パナソニックは11日、「新たな商売の基準」を発表した。従来のように家電製品の購入時を顧客満足度のピークとする売り切り型から、家電をネットに接続して“アプリでつながり続ける”ことで満足度を高めるビジネスへ切り替えていく。家電を長く使い続けることで、ユーザーの満足度向上だけでなく、節電や地球環境負荷軽減にもつなげていく。

エアコンや冷蔵庫など、個人向けIoT家電とサービスの新しい取り組みとして発表したもの。コロナ禍から3年を経て多様化した生活スタイルや、物価/電気代の高騰などを受けて、家電を買った後も長く使い続けてもらうことをメーカーがサポートする。

その一環として、4月21日より「IoT延長保証」のサービスを順次拡大。従来の1年間のメーカー保証に加え、ネットに接続/登録された対象の家電に2年の延長保証を無料で適用する。購入したIoT対応製品を専用アプリにつないで「マイ家電登録」を行ない、サービスの申込みをすると、計3年間の保証サービス対象となる。

「IoT延長保証サービス」の概要

このサービスは2023年2月からIoT対応の冷蔵庫9WPXタイプ、9HPXタイプ、9MEXタイプで既に始めていたもの。4月21日からは、エアコン、ドラム式洗濯乾燥機、スチームオーブンレンジ、自動調理鍋、テレビ、レコーダーのIoT対応製品に対象を拡大する。

家電の中ではネット接続率が比較的高いテレビやレコーダーだけでなく、エアコンや洗濯機なども接続を増やしていく取り組みを実施

節約志向の高まりも、今回のサービス提供を後押ししている。パナソニックの調査では、節約への関心が2022年より高くなった人が84%だった。家電を長く大切に使いたい人は95%で、節約や環境負荷への軽減が理由として挙がっていた。同社はそのニーズに応え、購入後も安心して長く使い続けられるサービスを拡充するという。

保証期間を延長するだけでなく、ネット接続により、故障やメンテナンスなどの困りごとや使いこなしに関する情報提供なども付加価値としていく。便利機能の紹介や、電気代の目安の可視化、冷蔵庫の自動節電機能である「お留守番モード」など省エネをサポートする機能などについてユーザーに案内する。

洗濯機の運転が終わると、テレビ画面に通知できる連携機能も

例えばエアコンは、製品を購入してからの使用状況などが、アプリを通じてクラウドにデータとして蓄積されるため、エアコンクリーニングをした方がいい時期になると、アプリ側の通知で該当するユーザーに提案する。メーカーならではの、分解して細部までクリーニングできることなどを強みとして、故障につながる前にメンテナンスを提案し、満足度の向上につなげていく。

エアコン購入後、運転時間などに応じてクリーニングを推奨する通知を出す
スムーズにエアコンクリーニングの申し込みページへつながる
メーカーならではの、細部まで分解して掃除するエアコンクリーニングを付加価値として提供

節電については、エアコンでは家の近くに住むパナソニック製品ユーザーがエアコンをつけているのか消しているのか、何℃に設定しているかなどがクラウドのデータ上で分かるようになっている。これを活用し、「近くの家と同じくらいの設定温度に合わせる」「周囲の人がつけていないからオフにする」など、節電の目安にできる。

また、故障が発生した場合も、エアコンなどの機器がアプリとネットに接続された対象機器であれば、修理にどの部品が必要かなどの目安が、パナソニックのサポート側からも把握できる。そのため、訪問する前に交換部品などが分かり、より効率的に修理できるという。

エアコンにおいては、既に2022年3月からIoTデータを通じて、各家庭の故障検知や状況把握などを遠隔から正確に診断する遠隔診断を開始している。2023年4月からは、これを冷蔵庫にも試験的に開始してサービスを拡充。IoTデータを活用した事前診断により、適切なアドバイスや訪問回数減に向けたスムーズな修理対応を実施するという。

IoT延長保証のサービス対象商品(2023年4月11日時点)
冷蔵庫
9WPXタイプ、9HPXタイプ、9MEXタイプ
ドラム式洗濯乾燥機
NA-LX129B、NA-LX127B
エアコン(いずれも2023年モデル)
LXシリーズ、Xシリーズ、EXシリーズ、GXシリーズ、Jシリーズ、UXシリーズ、TXシリーズ
スチームオーブンレンジ
NE-UBS10A
自動調理鍋
NF-AC1000
テレビ
LZ2000シリーズ
レコーダー
DMR-4X1002、DMR-4X602、DMR-2X602、DMR-2X302、DMR-2X202