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音もれ気にせずオンライン会議やボイチャができる防音マイク「mutalk」
2022年9月2日 17:44
パナソニック子会社のShiftallは、防音Bluetoothワイヤレスマイク「mutalk(ミュートーク) SVP-OD1W」を9月2日より予約受付開始した。価格は19,900円。発送開始は11月~12月ごろの予定。
オンライン会議や、実況などのライブ配信、ボイスチャットなどで、自分の声を家族など近くにいる人に聞こえにくくしながら、周囲の騒音がマイクに入りづらくするワイヤレスマイク。外出先での情報漏洩のおそれや、静かな場所での周りへの迷惑といった課題を、安価かつ省スペースで解決できるとしている。
1月の「CES 2022」で発表した製品が正式に販売開始となったもので、当時の試作機に比べて容積を20~30%コンパクトに改善したという。
mutalkを手に持ち、話したいときだけ口に当てて会話することで、音を外に漏れにくくする。口元を上に向けて机に置くことで自動的にマイクがミュートし、持ち上げると瞬時にミュート解除。アプリ上でミュートボタンを押す必要はない。外部イヤホン接続用に3.5mmステレオミニの音声出力も備え、パソコンだけでなくスマートフォンなどでも利用できる。
さらに、付属の専用バンドを使うことで、顔に固定することが可能。両手がふさがっている状況でもハンズフリーで会話でき、コントローラーを利用したゲーム配信や、パソコンのタイピング、メモを取ったりしながら使える。
消音の仕組みはヘルムホルツ共鳴器の原理を応用したもので、小型ながら大きな効果を実現。静かなカフェ程度の騒音環境で電話会議をした場合、すぐ隣の席に座っていても、何を話しているのか聞き取れないレベルに減音するという。叫び声などの高音域(1,600Hz~2,000Hz)帯においては、-30dB程度の消音効果を発揮するとしている。なお、電気的なノイズキャンセリングは行なっていない。
装着は、呼吸に影響しないように鼻を覆わない形となっていることから、話す声は鼻濁音が伝わりづらく、普段の話し声とは若干違った印象になる場合があるという。
本体サイズは123×107.5×67mm(幅×奥行き×高さ)、重量は183g。口と接触するマウスパッドと、唾液の飛沫を受ける吸湿クッションは着脱可能で、水洗いできる。
通信はBluetooth 5.1で、対応プロファイルはHSPとHFP。連続使用は8時間。充電はUSB Type-Cで行ない、充電時間は約1時間。マイク入力感度は-51±3.5dB、マイクの周波数帯域は100Hz~10,000Hz。
対応OSはWindows 10以降、macOS 11以降/macOS 10.13以降、iOS 13.4以降、iPadOS 13.4以降、Android 10以降。アプリはiOS13.4以降とAndroid 10以降に対応する。
付属品は、マウスパッド、吸湿クッション、ヘッドバンド、USBケーブルなど。
オンライン会議の話し声問題をきっかけに開発。パナソニックとShiftall連携
mutalkは、Shiftallではなくパナソニック コネクトの大嶋佑典さんが最初に考案したもので、当時は「OTODENWA」(関西弁で“音出んわ”の意味)という名称だった。その後、発案から製品化までのプロセスのより短いShiftallが、大嶋さんから製品化を引き継ぎ、グローバル展開を見越してmutalkという製品名になった。
発案したパナソニック コネクトの大嶋さんは、家族と同じタイミングで別々のオンライン会議をするケースがあり、壁一枚を隔てた部屋で話していると隣から「声がうるさいと怒られた」とのことで、こうした問題を解決したい思いを強くしたという。
大嶋さんはOTODENWAをパナソニック社内のプロジェクト「CALLECT」に提案。CALLECTは個人のアイディアを会社が支援するプログラムで、大嶋さんが可動モックを披露。そこでShiftallとの協力がきまり、Shiftallの岩佐琢磨CEOから「VRやゲーム機でも使えるのでは?」という提案を受け、より幅広い用途を想定して製品化が進められた。