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シャープ、できたてのおいしさ復元する新ヘルシオ。温めなおし進化

ウォーターオーブン ヘルシオ AX-XA30

シャープは、冷めたおかずや市販の総菜をできたてのような食感に復元する「ウォーターオーブン ヘルシオ AX-XA30」を9月15日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は206,000円前後。

新たに「ヘルシオあたため(おいしさ復元)」機能を搭載した過熱水蒸気オーブンレンジ。過熱水蒸気を用いた温めなおし機能はこれまで揚げ物、蒸し物、パンに対応していたが、新たに鶏の照り焼きや焼き魚などの焼き物に対応。調理後、時間が経ったおかずやテイクアウトの食品もできたてのような食感に復元するという。庫内容量は30Lで、2段調理に対応。

一般的に調理済みのおかずをレンジで温めなおした場合、水分が流出しやすく、食感がかたくなったりすることがある。ヘルシオあたため機能はレンジ加熱を用いず、過熱水蒸気や水蒸気のみで温める。温め時間は約10分程度と時間はかかるが、水の力で食材の水分を適度に補いながら加熱するため、できたてのようなふっくらとしたやわらかい食感が蘇るとしている。

同機能は焼き物をおいしく仕上げる「焼きたてふっくら」のほか、「揚げたてサックリ」「蒸したてしっとり」「焼きたてパンふんわり」モードを備える。焼きたてふっくらモードでは単品だけでなく付け合わせの野菜なども一度に加熱可能。また焼きたてパンふんわりモードでは、新たに冷凍した生食パンを窯出し直後のふわふわ食感に復元できるようになった。

レンジ加熱と比べて時間はかかるが、できたてのおいしさを復元できるという
調理して時間が経ったおかずや、テイクアウトの食品もおいしく温めなおせる

さらに冷凍食品を水蒸気の力で短時間で解凍する「食べごろ解凍」機能も新搭載。低温の庫内に水蒸気を充満させ、ファンで水蒸気を循環させることで効率的に解凍する。冷凍のローストビーフなどは一晩程度、冷蔵室で解凍する必要があるが、同機能では約30分で食べごろに仕上がるため、お取り寄せなどの食品も届いたその日に楽しめるとする。

食べごろ解凍機能は、食材ごとに専用のダウンロードメニューが用意されている。ローストビーフのほか、かつおのたたきなど形状が均一でないもの、ケーキなどのレンジ解凍が難しいものも解凍できる。メニューは順次拡大予定で、スマホから送信するほか、本体を無線LANと連携させていれば本体から直接ダウンロード可能。

庫内に水蒸気を充満させ、効果的に熱を与えて解凍する
カチカチに凍っていたローストビーフも10分で解凍
お取り寄せも届いたその日に楽しめる
水蒸気で解凍するため、食材はパッケージのまま庫内に入れる

ヘルシオあたため機能はヘルシオ購入者向けに開催される料理教室で、「昼に教室で作った料理を夕食時に家族と食べたい。おいしく温めなおす方法はないか」との声から生まれ、帰宅が遅い家族もできたて同様の料理を食べられるようになった。また食べごろ解凍機能と合わせて、テイクアウトやお取り寄せなどの「中食」ニーズにも対応する。

このほか、肉/野菜、冷凍/常温を問わず、複数の食材を過熱水蒸気で一度に調理する「まかせて調理」、天面から高火力の過熱水蒸気を直接噴射する「あぶり焼き」などのメニューも搭載。

デザイン面では、ドアパネルにアルミニウム素材を採用。あえてランダムに研磨したバイブレーション仕上げとすることで、反射を抑えた高級感のあるたたずまいとなった。カラーバリエーションは新色のブラウンを加えた3色で、さまざまなタイプのキッチンインテリアに合わせやすくした。本体カラーはバイブレーションレッド、バイブレーションシルバー、バイブレーションブラウン。

本体サイズは490×430×420mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約23kg。消費電力は最大1,460W。レンジ出力は1,000W(最大約3分)/600W/500W/200W相当。温度調節範囲は、オーブンが65~250℃/300℃(約10分間)、発酵が30/35/40/45℃、蒸し物が100℃、ソフト蒸しが65~95℃。自動メニュー数は260。ワイド角皿2枚、ハーフ調理網2枚、メニュー集が付属。

バイブレーションレッド
バイブレーションシルバー
バイブレーションブラウン。同社の冷蔵庫とコーディネートできる

焼きたてふっくらモードや食べごろ解凍機能を省略した庫内容量22Lの「AX-UA30」も同時に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は93,000円前後。ヘルシオあたためは揚げたてサックリと、焼きたてパンふんわり(生食パン除く)に対応。自動メニュー数は72。本体カラーはブラック系、ホワイト系の2色。

AX-UA30。左からホワイト系、ブラック系

鶏肉もしっとりやわらか。温めなおしの不満を解消

メディア向けの新製品発表会では、ヘルシオあたため(おいしさ復元)機能で温めなおしたおかずと、同機の「まかせて調理」機能によるできたてのおかずの食べ比べが行なわれた。

ヘルシオあたためとまかせて調理の食べ比べ。手前から焼き鮭、鶏の照り焼き、ポテト

並べられたおかずを見ると、水蒸気などで温めたことで、ヘルシオあたためのほうが鶏の照りが強かった。食べてみるとふっくらしており、水分が保たれていてとてもジューシー。2つを比べると、できたては鶏の弾力がしっかりしており、ヘルシオあたためはしっとりとやわらかい印象。やわらかめの食べ物が好きな筆者個人としては、ヘルシオあたためのほうができたてより好みかも、と感じた。鮭に関しては、もはや違いがまったくわからないくらいで、見事に“復元”されていた。

作り置きのおかずを温めなおすときに、特に肉類はレンジだとパサパサになったり硬くなったりしてしまう。「できたてはおいしかったのに……」と悲しい思いをしながら食べていたが、ヘルシオあたため機能があればパサつきの心配はまったくなくなりそうだ。

家族と食事のタイミングが合わず作り置きをする人なら、せっかく作った料理をできたて同様においしく食べてもらえるのもうれしいだろう。できたてを食べてもらいたいからと、帰りが遅い家族を待って夕食を作り始める人にとっては、「先に作っておいしく温めなおす」という新たな選択肢にもなるのではないだろうか。

温めなおしや食べごろ解凍の操作がしやすいのも特徴で、調理メニュー画面のトップに「ヘルシオあたため」ボタンが備わっている。3回ほどのタップで各機能を利用でき、ボタンには機能の名称が記載されているため、メニューが豊富であるがゆえの煩雑さは感じず、毎回説明書を見なくても簡単に使えそうだ。

操作がしやすいのもポイント
実際のメニュー画面

同社はこれまでヘルシオ購入者向けの使いこなし教室を開催してきたが、2022年秋から購入検討者向けにヘルシオを紹介する教室も開く。ヘルシオに対する疑問や、使いこなせるか不安といった悩みに対して、開発担当者が徹底解説するという。

食べごろ解凍は大きな丸鶏もその日のうちに解凍できる
レンジではベチャッとしてしまう天ぷら(左)も、ヘルシオあたため(右)だと衣がサクサクに