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マイボトル自動洗浄でゴミを削減。パナソニックやサーモスら5社協力

マイボトルの利用促進により廃棄物削減を目指す実証実験がスタート

東京建物、サーモス、パナソニック、アペックス、味の素AGFの5社は、マイボトルの利用促進により廃棄物削減を目指す実証実験を、4月18日~5月20日に行なう。実証実験の対象は、東京建物八重洲ビル7階オフィスに勤務する社員約300名。

専用のコーヒーマシンと高速自動洗浄機の活用を通じたマイボトルの利用促進により、廃棄物削減を目指す実証実験。オフィスで気軽にセルフ式コーヒーを楽しみながら廃棄物を削減できる取り組みを確立していくという。

実証実験では、東京建物の社員約300名を対象にマイボトルを配布。マイボトルに対応したコーヒーマシンと自動洗浄機を設置し、期間中は紙コップを全面廃止。これにより紙コップの廃棄量削減を目指す。削減量の目安は、1日あたり約162杯分(約1.24kg)。

実証実験の概要。東京建物の社員約300名を対象に行なわれる

この取り組みにおける各社の役割は以下の通り。

・東京建物
実証実験を行なう場所として本社ビルの7階を提供。社員による利用状況のモニタリングやアンケ―トを実施する。今後は同社が保有・運営する他物件での展開を検討していく。

・サーモス
マイボトルを提供。ボトルは真空断熱構造により長時間の保温・保冷が可能で、結露の心配もない。フタ付きで漏れない設計のため、オフィスでも安心して持ち運べるという。飲み口が広い360mlボトルと、ワンタッチで開けられる350mlボトルの2種類を用意。

・パナソニック
マイボトル専用自動洗浄機を提供。高圧水流と高温水により約1分でボトル内部とフタの洗浄ができる「高速ボトル洗浄機」と、既存の家庭用食洗機を改良し、最大14本のボトルを一度に洗浄・乾燥できる「卓上型ボトル洗浄機」の2種類を用意する。

食洗機事業で培った経験を活かした2種類の洗浄機

・アペックス
カップ式自動販売機などを手掛けるアペックスはコーヒーマシン「CS-3」を提供。通常よりも商品取り出し口を大きくしたことで、マグカップから大型タンブラーまで対応可能。コーヒー豆や茶葉を入れる4つのボックスにはそれぞれミルが備えられ、豆ごとに挽き具合を調整できる。

・味の素AGF
コーヒー豆と茶葉を提供。アペックスと共同でコーヒーを開発し、1日に何杯飲んでも飲み飽きない味を目指した。コロンビア、グアテマラ、ブラジル、タンザニアの豆を組み合わせ、バランスの取れた味わいに仕上げたという。本実証実験において、中心となって企画立案やアレンジメントを実施。

アペックスとAGFが共同開発したコーヒーを提供

5社が協力するきっかけは、東京建物が管理していたビルで、サーモスがマイボトル持ち込み型のコーヒーショップを展開していたことから始まる(現在は閉店)。さらにサーモスとアペックスとAGFの3社で、マイボトルを活用したコーヒー提供の取り組みを実施したこともあった。

これらの経験を通じて、マイボトルを活用するうえでボトルを洗浄するのに手間がかかるという課題が見つかった。そこで洗浄の手間を解決するために、パナソニックが食洗機事業で培った経験を活かし、自動洗浄機を開発。5社の協力により、マイボトルの利用を促進し、廃棄物の削減を目指す本実証実験につながった。

サーモス提供のマイボトルを利用

コーヒーマシンと自動洗浄機が設置された7階オフィスが、メディア向けに披露された。現在、マイボトルを利用して飲めるドリンクはコーヒー「THE BLEND」、リーフティーの「ダージリン」と「阿里山烏龍茶ブレンド」の3種類。一度に抽出される量は160ml~最大320mlと、マイボトルに合わせて多めに設定できる。

コーヒーマシンの隣には、高速ボトル洗浄機が設置されている。透明なボトルを使ったデモ運転を見せてもらったが、ボトルの底まで勢いよく水流が届いており、しっかりと洗浄されているようだった。洗浄時間は約1分で、はじめに洗剤入りの水で洗い、次に真水ですすぐ仕組み。高速洗浄機には乾燥機能は付いていない。

高速ボトル洗浄機の運転中の様子

コーヒーマシンと高速ボトル洗浄機が置かれているのは、オフィスの執務エリア。卓上型ボトル洗浄機は給湯室に設置されているという。2種類の洗浄機の使い分けについては、勤務中にドリンクを変えたくなった場合は高速タイプで洗浄、退勤時は卓上タイプで洗浄・乾燥、保管しておき、次の出社時に取り出すことを想定している。卓上タイプでは洗浄後、「ナノイーX」による除菌も可能。

高速ボトル洗浄機にフタとボトルをセット
洗浄中の様子
コーヒーマシンはマイボトルが入る大きな取り出し口を備える
3種類のドリンクを用意