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デザインの歩みを振り返り、未来に向けた思いを発信する『パナソニックデザイン展』
2017年11月1日 14:42
パナソニックは、2018年3月に迎える創業100周年を記念して、パナソニックのデザイン部が同社のデザインの歩みを振り返り、未来に向けた思いを発信する『パナソニックデザイン展』を11月1日から5日まで、東京ミッドタウンで開催する。開催時間は11:00~21:00(最終入場は20:30まで)。
パナソニックのデザイン室は、1951年に創業者の松下幸之助がアメリカ出張から帰国後「これからはデザインの時代だ」という鶴の一声で作られたという歴史がある。松下幸之助自身が、初代のデザイン室長となる人物を引き抜いてきたといい、家電メーカーのインハウスのデザイン室が作られたのはこれが初めてだったという。
パナソニック デザイン戦略室 室長 中野二三康氏は、今回のデザイン展の主旨として「パナソニックデザインの魅力づくりと発信」にあるとした。パナソニックでは「Hands-on Innovation」をデザインの考え方のコンセプトとして掲げる。
「一言でいうと、手触り感を大事にしています。家電メーカーとして、生活者目線で、現場感に基づいた開発姿勢をDNAとしながらも、モノのデザインだけでなく、暮らしや社会のイノベーションにおいても、取り組んでいくという想いを込めています。手触りというキーワードは、今回の展示会にあたり、パナソニックデザインらしいDNAを考えた時に、でてきたものです。モノだけでなく、UIやUXにおいても人のくらしや気持ちを豊かにするようなもの、使って心地よいということも含めています」
また、中野二三康氏はデザインに求められる役割というのが、年々増加していることも指摘。
「いまや、デザインは製品開発の一部であって、ただ色や形を決めるというものではなく、製品の上流から全てを見ています」
その一方で、家電で培った経験が、ほかの分野において効果的に活かされている例が少ないとし、今後はグローバルにおいても、パナソニックらしいものを発信していくことが次の100年の課題であると話した。
デザイン展では、「Electronics Meets Crafts: 人の記憶や五感に響く未来の家電」、「WEAVING THE LIGHT 『光を編む』未来の光源でつくる明かりと空間」、「Next Humanity 2030年の人間らしいくらし」、「Panasonic Design History パナソニックデザインの名品たち」の4つのテーマで展示を行なう。
「Electronics Meets Crafts: 人の記憶や五感に響く未来の家電」では、日本の感性とモノづくりの原点を探り、新たな家電デザインを、外部の視点を取り入れて研究する共創プロジェクト「Kyoto KADEN Lab.(京都家電ラボ)」によってデザインされた家電を展示。
同プロジェクトでは、世界のラグジュアリーマーケットから注目される京都の伝統工芸後継者によるクリエイティブユニット「GO ON」をパートナーに迎え、日本のパナソニックならではの新しい「家電の価値」を追求しているという。茶筒の構造からヒントを得たコンパクトスピーカー「響筒」、竹の隙間からこぼれる光を愛でるLED照明「竹コロ」、IHからの非接触給電によって金属粒を冷やし、冷酒を楽しむ木桶「銀砂ノ酒器」などを展示していた。