長期レビュー

フィリップス「センソタッチ3D RQ1280CC」 最終回

~ユニークなリフト式の自動洗浄ユニット
by 清水 理史

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



いつでも清潔に使える自動洗浄器付き

充電器を兼ねた自動洗浄器が付属するセンソタッチ3D RQ1280CC。お手入れの手間なく、毎日、清潔な状態で利用できる

 フィリップス「センソタッチ3D RQ1280CC」の長期レビューをお届けしてきたが、最終回となる今回はお手入れについてチェックしてみる。良く剃れることはもちろんのこと、手間なく使えてこそ、毎日のパートナーにふさわしい。果たして、センソタッチ3Dはこの条件を満たしているのだろうか。

 長期レビュー1回目は→こちらから
 長期レビュー2回目は→こちらから

 自身の経験からいって、これからシェーバーを購入するなら自動洗浄機能は必須だ。洗浄剤を購入するランニングコストはかかるが、面倒な清掃の手間をかけずに済むうえ、毎日清潔でさわやかな状態でヒゲを剃ることができる。

 各メーカーのラインナップを見ても、自動洗浄器がセットになったモデルが主流となっている。

 センソタッチ3Dシリーズでは、今回取り上げたハイエンドモデルのRQ1280CCに加え、充電残量表示が5段階となるRQ1260CC、同じく3段階表示となるRQ1250CC、単体モデルのRQ1250がラインナップするが、このうちの末尾に「CC」が付く3製品には、すべて「ジェットクリーン」と呼ばれる自動洗浄器が付属している。

 RQ1260CCおよびRQ1250CCの自動洗浄器は洗浄モードが選べないが、自動洗浄機によるお手入れの手軽さという点では、単体モデルを除いたどのモデルも共通していることになる。

シェーバーをリフトさせて洗浄

 センソタッチ3Dの自動洗浄の方法は、非常にユニークだ。

 ヒゲを剃った後の本体をヘッドを下に向けるようにしてセットする。セットすると言っても、置くという感じではなく、「ひっかける」というイメージに近い。本体の背面側にある突き出た部分を自動洗浄器のフレームの隙間に入れるようにして、本体を引っかけるようにして固定する。

本体の突き出た部分をフレームに引っかけるようにしてセットする本体のボタンを押すと洗浄開始。フレームにセットした本体がお辞儀をするように下がっていく内部の洗浄液にヘッドを浸して洗浄する

 自動洗浄器は充電器も兼ねているので、この状態で充電が開始される。洗浄したい場合はさらに前面のボタンを押す。

 すると、フレームに引っかけられた本体がお辞儀をするような感じで倒れ込みながら、ゆっくりとヘッドを洗浄機の下へと移動させていく。

 洗浄機の底面は、下部にセットされた洗浄液を密閉するカバーも兼ねており、本体が下がってくると同時にカバーも押し下げる(いわゆる五右衛門風呂のようなしくみ)。これでヘッドが洗浄液に浸されるので、洗浄液の中でヘッドを回転させて洗浄するというわけだ。


自動洗浄の様子

 しばらくヘッドを回転させ洗浄液が泡立ってきたところで、フレームを稼働させ、一旦本体を持ち上げる。そして再びヘッドを下げて洗浄する、ということが繰り返され、最終的にヘッドが持ち上がり、自然乾燥が行われて完了となる。

 他社製のシェーバーの場合、自動洗浄器の中に洗浄液を送り込んで洗浄、終わったら排出するというしくみになっているが、本製品では洗浄液の中に本体をリフトアップ/ダウンさせて洗浄するという派手なアクションを伴うのが、とても特徴的だ。

 なお、洗浄液はボトルからの補充式となっており、他社製のようにカートリッジで交換するタイプとはなっていない。自動洗浄器の両側面下にあるボタンを押すと、底面の洗浄液用トレイを取り外すことができるので、ここにボトル(300ml入り1本付属)から150mlほど洗浄液を入れて使用する。

 だいたい2週間くらい使うと、洗浄液の不足を知らせる洗浄器のランプが点灯するので、再び底面のトレイを取り外し、洗浄した後に、再び洗浄液を満たしておく。1本のボトルで2回補充できるので、おおむね1カ月使える計算だ。

洗浄液は底面のトレイに入れる洗浄液はボトルから直接注ぎ込むタイプ交換の目安は2週間ほど。洗浄液の下にヒゲがたまっているので、捨てる場所に注意

常に爽やかな肌触り

RQ1280CCでは、洗浄モードを選択可能。モードによって乾燥までの時間が変わる

 洗浄が完了すると、微かにさわやかな香りがヘッドから漂うようになり、常に清潔感のある状態でヒゲが剃れる。洗浄後は、ヘッドの滑りも良くなるようで、スムーズな印象だ。

 洗浄器に乗せてボタンを押すだけの手軽さで、毎日、この状態でヒゲを剃れるのはとてもありがたい。

 ちなみに、洗浄から乾燥までにかかる時間は、モードによって異なる。前述したように、今回使用したRQ1280CCには、洗浄モードが選択できるようになっており(ジェットクリーンプラス)、「AUTO」で約2時間、「ECO」で約1時間、「INTENSIVE」で約2時間半となっている。

 完全に乾燥する前に使用すると、肌に洗浄液の刺激を感じることもあるので、完全に乾燥が完了してから利用するように注意したいところだ。

水洗いももちろんOK

水洗いもOK。ヘッドを開いて洗えば清潔な状態を保てる

 もちろん、出張時など自動洗浄器がない場合は、水洗いをすることも可能だ。

 今回使用したセンソタッチ3D RQ1280CCは、ウェット剃りもできる防水仕様の製品となっているため、ヘッドをそのまま水で洗うことができる。

 ヘッドの中心部分の隙間にツメを引っかけるようにすると、ヘッドカバーが外側に開く。すると、中に剃ったヒゲがたまっているので、洗面所などで洗い流せば再び清潔な状態で使えるというわけだ。

 若干、手間はかかるが、これだけでも十分に清潔な状態で利用できるので、外出時などでも安心だろう。

 場合によっては、お風呂に入ったり、シャワーを浴びるときに使って、ヒゲを剃ると同時にお手入れもしてしまうという手もありそうだ。

一度は試してみたい

 以上、フィリップスのセンソタッチ3D RQ1280CCを3回に渡ってレビューしてきたが、フィリップスならではの剃り味がとても新鮮なシェーバーだ。

 往復刃のシェーバーしか使ったことがないという人は、回転刃の静かさや肌へのあたりのやさしさを、ぜひ一度は体験しておくべきだろう。こんなに負担が軽くても、ここまできちんと剃れるのかと、ある意味、感動すら覚えるシェーバーだ。

 自動洗浄器の凝った仕組みなど、所有する楽しみも味わえる製品で、往復刃のシェーバーから買い換えても、ほとんどの人が満足できるだろう。機会があれば、ぜひ一度、試してみるべき製品と言えるだろう。



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2010年9月17日 00:00