長期レビュー

シャープ「加湿空気清浄機 KC-Y80」 その2

~チョー静か!! でもニオイとホコリをバッチリ除去
by スタパ齋藤

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



シャープ「加湿空気清浄機 KC-Y80」

 シャープの「加湿空気清浄機 KC-Y80」の長期レビュー第2回目。加湿機能を持つ空気清浄機であり、またプラズマクラスターを放出して空気中の菌やウイルスを空中で分解・除去するという特徴を持った製品ですな。今回は、試用開始~半月少々経過しての印象などを書いてみたい。なお、第1回目のレポートはこちら

 まずはザッとKC-Y80の使用感などを書いてみたいが、シャープのこのタイプ───空気を本体後ろ上方に吹き出す空気清浄機を使う時、いつもプチ悩むのが設置場所だ。

 基本、本体真後ろに壁がくるように設置すべきだと思われる。本体の真後ろになるべく平らな壁があるほうが、本体後ろ上方から出る空気が部屋全体に行き渡りやすいからだ(と、旧機種では謳っていたが、KC-Y80についてはそれはアピールしておらず、説明書にもその記述はない)。

本体を横から見たところ。左が本体前面、右が本体背面になる本体を後ろ斜め上から見たところ。浄化された空気が本体の後ろ上方に吹き出す吸気は本体裏面から

 上の写真のような形状/機構なんですな。やはり壁に背を向けて起きたくなる。また、空気が回りやすいように、なるべく平らな(周囲にモノなどがない)壁面の中央に設置したい。と同時に、吸気も本体背面からなので、壁と本体の間にやや広めの隙間も空けておきたい。

 そんなコトを考えつつ設置し、運転開始。KC-Y80の運転モードはシンプルで、空気清浄運転もしくは加湿空気清浄機運転となる。

KC-Y80の操作パネル部。細かな機能はあるが、基本的には[空気清浄 入]、[加湿空気清浄 入]、[シャワー 入]、[停止]を押せば使える。

 上の写真のように、中央に集まっているのが電源オン関連のボタンですな。停止ボタンは右端。

 細かなボタン機能~動作設定に関しては割愛するが、基本的には迷わず使える加湿空気清浄機だ。機能などの詳細を知りたい方はココ(←PDFファイル)からKC-Y80の説明書をダウンロードできるのでご参照いただきたい。

 さて、拙者の場合はとりあえず空気清浄だけでいいやってコトで[空気清浄 入]をポン。すると空気清浄の自動運転が始まる。で、まず気づいたのは、わりと大きめの動作音の空気清浄機だというコト……あれ? 空気清浄が終わったら停止した?

 動作音関連の結論を言えば、必要とあらば十分な風量を出して空気清浄を行なうが、そうでない場合はヒッジョーに静かだということだ。運転の強弱と動作音の値(dB)の対応表はKC-Y80の仕様ページにあるが、空気がキレイなときは自動的に弱運転になる。で、このときの静かさは大したモンであり、インジケーターランプなどを目視しないとホントにマジで“動いてるのかどうか疑わしい”くらい静音だと感じる。

 ちなみに、加湿空気清浄を静音運転で行なった場合、空気清浄のみのときよりは少し音が大きくなる(加湿機構の動作音のため)。だが、それでも十分静かだと感じられた。

 とはいえ、中運転(風量中)や強運転(風量大)、あるいはシャワー運転だとソレナリの騒音になる。テレビの横に設置した場合、中運転だとテレビの音量を上げたくなる感じ。強運転だとKC-Y80をオフにしたくなる気分に。

 なお、風量は自動運転にすると、必要に応じた風量調節が行なわれるが、常に静音運転などにすることもできる。前述のとおり、ホントは壁に背を向けて設置したほーがイイと思われるKC-Y80だが、静音運転時はチョー静か。なので、自分のすぐ脇に置いて、常時静音運転で使うってのも現実的だと思う。

 さておき、ときどきウルサくいつも非常に静かなこの加湿空気清浄機を使っていて、最初に気づいたのは脱臭効果とホコリ除去(!?)効果。

 KC-Y80を仕事場で試用しているが、拙者はスモーカー。タバコ吸っちゃうんですな。で、昼間タバコを吸いつつ仕事して、翌日また仕事部屋へ戻ると、タバコの残り香的な微妙にニガいニオイが気になったりしていた。ま、その後やっぱりタバコ吸い始めちゃうので「その日初めて仕事場に入った瞬間だけ気になる」って感じだ。

 が、KC-Y80を使い始めてからは、ソレがなくなった。仕事中にタバコを吸うと速攻でKC-Y80が煙&ニオイを感知してやや強めの運転を始めるので、まずは仕事中に部屋の空気が逐一清浄されるんでしょうな。加えて、夜間もしっかり運転中。部屋の空気を常に循環させ、また脱臭も(脱臭フィルターで)行なうので、その効果が出てるんだと思う。ともかく、部屋の空気が変わったという印象だ。

 また、仕事場のホコリが減った……というより、KC-Y80がホコリを吸ってくれたという印象も。仕事場にはお客様がいらしたり、あるいは拙者が動き回ったりするので、テーブルの上がなんとなくホコリっぽいことが多い。手で拭うとうっすらとホコリが付くことも。あまり手を触れない場所は白っぽくホコリが積もりがちだった。

 実はKC-Y80にもやはりホコリを減らす効果があるであろーと睨んで、使用前に室内をひととおり掃除しておいた。で、KC-Y80を使い始めて1~2週間経つが、以前よりホコリが気にならなくなった。具体的には、たとえば表面ツルテカ仕上げのハードウェアにたかるホコリが減少した。前述のテーブル上のホコリもかなり減ったと思う。

 ちなみに、空気清浄の主役であるフィルター類は本体背面に3枚装着されていて、それぞれ、ミクロンメッシュフィルター、脱臭フィルター、抗ウィルス・抗アレル物質・制菌HEPAフィルターとなる。

本体背面に内蔵されるフィルター類。手前がミクロンメッシュフィルター、黒い2枚はそれぞれ、脱臭フィルター、抗ウィルス・抗アレル物質・制菌HEPAフィルター

 ミクロンメッシュフィルターはフィルター部のカバーの役割もしているが、集塵フィルターへのミクロンダスト進入を抑える働きをする。ここに目に見えるようなホコリなどが溜まるので、ときどきお掃除が必要。拙宅では猫の毛がここに付着しがちだ。

 脱臭フィルターはニオイを除去するフィルターですな。KC-Y80に装着されているものは水洗い可能なので、交換は不要。

 抗ウィルス・抗アレル物質・制菌HEPAフィルター。ウィルスを99.9%、ダニのふんのアレル物質を99.8%、花粉のアレル物質を99.9%除去できるフィルターだそうで、10年間交換が不要でもある。なお、加湿機構内部にある加湿フィルターも10年間交換が不要だそうだ。

 ところで、プラズマクラスター効果については、たぶん、ニオイが取れたことにも深く関係していると思う。が、ウィルスやカビ菌を分解・除去するという効果についてはまだ体感できていない。

 ウィルス/カビ菌云々よりもむしろ、「ときにはまあウルサイものの、いつもはいたって静か。なのに、ニオイもホコリもしっかり減らしてくれる加湿空気清浄機だなぁ」という印象が今のところ強い。さらにもう少々使って見て、できればウィルスやカビ菌関連のプラズマクラスター効果もレポートできれば、と思う。



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2009年10月16日 00:00