長期レビュー
シャープ「加湿空気清浄機 KC-Y80」 その3
シャープ「加湿空気清浄機 KC-Y80」 |
シャープの「加湿空気清浄機 KC-Y80」の長期レビュー第3回目(最終回)。KC-Y80はプラズマクラスターを放出して空気中の菌/ウイルスなどを空中で分解・除去する空気清浄機で、加湿機能も備えている。今回は、ほぼ1カ月試用しての印象などを書いてみたい。なお、第1回目のレポートはこちら、第2回目はこちら。
KC-Y80の空気清浄機能~効果に関しては前回にレポートしたとおりだが、さらに長く使ってみると侮れないかもしれない加湿機能の効果を実感できたように思う。結論から言えば、恐らく加湿機能によって拙者が抱えていた謎の症状が解消されたと思われる。
本体右側面。下側に水タンクや気化式の加湿機構が内蔵されている | 左側面の水タンクを外したところ。タンクと側面カバーは一体型。タンクには約4.3Lの水が入る | 加湿方式は気化式。加湿し過ぎないことや省電力などのメリットがある。加湿能力は最大で1時間に760ml |
汗をかかない時期に入ってから、毎朝ちょっと気になることがあった拙者。朝起きるとですね、ノドがですね、なんかこー、イガイガ? していることが少なくなかった。咳払いしたくなる感じ。また、喉の違和感から思わず咳払いをしたことで、目が醒めることもあった。その喉の違和感、起床後しばらくすればなくなった。ので、「風邪のひき始めかな?」程度に思っていた。
もう1つ、起床後、朝食をとるくらいまでに、な~んかクシャミが出ることが多かった。上記の喉の違和感と併発したときは「もしや新型インフル?」と気にしたモンである。ただ、このクシャミ、KC-Y80を導入後、ずいぶん減ったような気がする。恐らくハウスダストの類が激減したためクシャミも出にくくなったのであろーと考えていた。
さておき、喉の違和感はきっと寝室の湿度が低いからなんだろうナと考え、寝室にKC-Y80を置き、就寝中に加湿運転をするようにした。昼間は仕事場でKC-Y80を稼働させ、夜はそれを寝室に移動して使ったんですな。
そしたら案の定、ノドのイガイガ感がほぼ全解消。起き抜けの咳払いは不要で、自然と出る咳払いによって目が醒めることもなくなった。起床直後の嚥下しにくい的な喉の違和感がなくなり、健康な気分で起きられるようになった感じですな。
ついでに、というか、意外にも、起床後のクシャミもほぼ全解消。上記で「ハウスダストの類が減ってクシャミが出にくくなった」とは書いたが、それでもまだ“朝のクシャミ”は秋口以降の謎の症状として少し残っていた。これも加湿により超激減した気がする。
実は以前にも“起き抜けのウザい咳”をなくすべく、寝室に加湿器を置いたことがある。結果的には喉の違和感などが減って効果アリだった。朝起きて目の周辺がショボショボするとか、あるいは唇の周りが乾いている気がするという感覚もなくなり、いわゆるヒトツの“潤い効果”はさすがに抜群であった。が、その一方で結露が凄かったんですよ。窓の。寝室にカビが生えそうな予感がしたので徐々に使わなくなってしまった。
KC-Y80で加湿していると窓の結露が……という件に関しては、まだ屋外がそれほど寒くない時期なので試せていない。また、水を熱したり超音波を使う方式の加湿器ほどビシッと強力な加湿効果があるとまでは感じられなかった。が、ホンノリと加湿してくれて、それでも効果があるという中庸なバランスが好印象となった。
てな感じで、仕事部屋の脱臭~ホコリ除去のための空気清浄機として役立ち、寝室では喉の違和感などを解消してくれる加湿機能も効果的だったKC-Y80。超静音で連続稼働させることも可能であり、常時プラズマクラスターを放出するという点でもイケてる感が高い。
が、敢えて注文をつけるとすれば、リモコンがあると便利だなぁ、と。理由の1つは、KC-Y80本体に触れずに(設置場所のところまで行かずに)シャワー運転をしたり加湿機能をON/OFFできるから。何歩か歩く面倒をなくしたいってコトですな。
もう1つは、表示の明るさをリモコンでパッと変えたいから。拙者は寝るとき真っ暗派なんだが、ときどきKC-Y80の表示が明るい状態でフトンに入ってしまうことがある。で、寝しなに「あ、なんか表示が明るめでヤな感じ」と、フトンから出て表示を消しに行なったりする。この操作ミスからくる自業自得の面倒をリモコンにより解消できたら便利だなぁ、と。
十分明るい室内での表示(モニター/明)。自然な見え方で違和感はない | やや暗い室内での表示イメージ。モニターの明るさは“明”だが、明るすぎるという印象ではない。表示色もキレイですな | 消灯した室内での表示イメージ(モニター/明)。けっこー目立つ&気になる感じ。モニターの明るさを“暗”にすれば就寝時でも違和感がないかも? もちろんモニターは消灯も可能だ |
ちなみに、KC-Y80のモニターは2段階の明るさ調整および消灯が可能だ。その操作は本体上部の操作パネルで行なう。あ、ソレと、KC-Y80の表示はファジーというかジワッとしているというか、えーと、あの、つまり、四角四面なデジタル風味ではなく、柔らかな表示だったりしてなかなかキレイである。
モニターの明るさは本体上部の操作パネルの右側にあるボタンで切り替えられる。消灯もOK | モニターはニオイやハウスダストの有無/多さで変化する。これはハウスダストが多い状態 | 少し空気が浄化されてきた |
さらに浄化が進んだ | そろそろ浄化完了に。この状態では動作音がずいぶん低くなる | ほぼ完全に浄化完了。動作音は超静音状態になる |
パッと見でわかりやすい表示だし、グラデーションも美しい。個人的には独特の7セグメントLEDディスプレイ表示器も好き。
あともう1つ、KC-Y80にキャスターが付いてたら嬉しいかも。サイドに取っ手があり、そんなに重くはない加湿空気清浄機なので、移動は容易ではある。が、キャスターで移動できたら、よりラクに設置場所を変えられると思う。空気清浄機の設置場所を頻繁に変えるケースは多くないかもしれないが、デキたらデキたで便利な気が……でも、そうすると安定性が、とか、振動による騒音が、といった問題が出たりもするんでしょうか?
ダメもとで言えば、もう少し本体を薄くして欲しいニャ、と。KC-Y80は適用床面積が~21畳と広いこともあり、同クラスの空気清浄機と比べてとくに大きい(厚い)ってわけでもない。が、奥行き288mmってのは、やはりソコソコの存在感があるわけですよ。さらに薄くなって、幅も狭くなって、できれば空気のように気にならない存在感になって欲しいと思う。ま、この機種以外についてもそうですけど。
てなわけで約1カ月程度KC-Y80を試用してきたが、個人的に買う? 買わない? を問われたら……KC-Y80の実勢価格(2009年10月現在)がまあ6万円前後ってことで、この価格と効果を天秤にかけてみると、ある程度広い部屋で使う1台としては買い度が高いと感じた。そーとーな風量/対応床面積がありながらも、実質的に「いつもだいたい超静か」に運転できることは大きな魅力だし、加湿気を別途設置しなくてもいいという点も(部屋にモノが増えなくて)嬉しい。
ちなみに、シャープの加湿空気清浄機2009年モデルは4機種ある。ここではハイパワーモデルであるKC-Y80についてレポートしたが、より小さな部屋向けのモデルもあるので(当然ですけど)、用途や使用スペースに合わせてのご検討をヒトツ。
拙者的にはKC-Y30(実勢価格29,000円前後)とかを仕事部屋用と寝室用に1台ずつかな、みたいな気分だったりする。いや、仕事部屋は加湿要らない気がするのでFU-Y30CX(実勢価格19,000円前後)かな? とかイロイロ考え中である。
2009年10月23日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)